【ゲネレポ】「龍よ、狼と踊れ Dragon,Dance with Wolves」 ~草莽の死士~

2018年3月21日(水・祝)、紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて舞台『龍よ、狼と踊れ~Dragon,Dance with Wolves~』~草莽の死士~が開幕した。

幕末の志士たちと蘇りし剣豪たちがぶつかり合う、新解釈幕末転生エンターテイメント活劇。昨年3月に舞台公演の第一弾が上演され、今回はシリーズ第二弾の公演となる。初日直前に行われた囲み取材のコメントとゲネプロの様子から、キャスト陣に漲る熱い“志”を届ける。

 

 

舞台発で様々なメディアミックスを仕掛けていく新しいプロジェクトとして始まった『龍よ、狼と踊れ~Dragon,Dance with Wolves~』。公演前より、稽古の様子を伝える配信番組なども積極的に行っている。

 

ゲネプロ前に行われた囲み取材には、ハジメ役:赤澤遼太郎、土方歳三役:谷口賢志、高杉晋作役:鎌苅健太、宮本武蔵役:山口大地、沖田総司役:大平峻也、吉田稔麿役:横田龍儀、赤袮武人役:安達勇人、フラン役:前島亜美、山南敬介役:松崎史也、佐々木小次郎役:鐘ヶ江洸、坂本龍馬役:萩野崇の11名が登壇。それぞれ意気込みを語った。

 

◎ハジメ役:赤澤遼太郎

「たくさんの舞台作品がある中で、僕たちだけにしか出せない空気感とお芝居がこの作品には絶対にあると思います。ぜひ劇場で体感していただきたいです」

 

◎土方歳三役:谷口賢志

「遼太郎が全部言ってくれたので、僕は特に言うことがないです(笑)。結局のところは役者の生き様を見せるしかないと思っています。初舞台からベテランまで、思い切りぶつかり合っていますので、ぜひ劇場でご覧ください」

 

◎坂本龍馬役:萩野崇

「舞台から色々と派生させていこうという新しい試みのある作品です。舞台上で僕らがリアルに生きるところと、劇画チックなところの両面がある楽しい作品になったのではないかと思います」

 

◎高杉晋作役:鎌苅健太

「シリーズ初参加となりますが、キャスト・スタッフ・お客様方が紡いでくれたこの作品を僕らも繋げられたらと思っています。新撰組・長州藩、どちらにも正義があるので、板の上で思う存分ぶつけ合って生き抜きたいなと思っています」

 

◎宮本武蔵役:山口大地

「新撰組と長州の戦いの中に、歴代の剣豪たちも蘇って参加しています。剣豪たちが幕末の戦いをみて何を想うか。そこを伝えていければと思います」

 

◎沖田総司役:大平峻也

「今回からの参加です。前作を観劇していて、ものすごく圧倒されました。偉人が僕たちに残してくれた歴史があるように、僕たちもみなさんの歴史に名を残せたら。誠の旗の下に突き進んでいきます!」

 

◎吉田稔麿役:横田龍儀

「僕も前作を見たのですが、みなさんが本当に格好良くて! 最初は足を引っ張らないようにしなきゃという思いでしたが、徐々に負けたくないという気持ちになりました。長州勢、新撰組に絶対負けないぞ! という気持ちを持って、全力で毎公演取り組んでいきます」

 

◎赤袮武人役:安達勇人

「自分は歴史に詳しくなかったのですが、この作品を通して勉強しました。激しく日本が動いていた時代のすごい人たちを僕たちが演じることはすごく光栄だと思っています。一日一日すごく楽しいです」

 

◎フラン役:前島亜美

「フランスの女騎士の役なのですが、数ある幕末モノ・新撰組作品でも、金髪の少女が新撰組の羽織を羽織っているのはこの作品だけじゃないかと思うので、異質な存在として誇りを持って演じていきたいです」

 

◎佐々木小次郎役:鐘ヶ江洸

「カンパニーとても仲良しです。仲が良いから良い演劇ができるとは思っていませんが、コミュニケーションを密に取れるメンバーで作り上げたこの作品が、今後もずっと続いて欲しいという思いでやってきました」

 

◎山南敬介役:松崎史也(※脚本・演出も担当)

「作品としてはまだ向かい風の中ですが、少しでも追い風を呼び込んでいけたら。見どころ、注目は役者全員です。僕らがどうして演技をしているのか、演技をしている時に大事にしているものは何かということを、戦いや語らいの中に通じるものがあると思って作りました。本当に素晴らしい俳優が集まってくれましたので、それぞれ人としての生き様、俳優としての生き様、役としての生き様すべてを届けたいと思っています」

 

 

また、3月24日(土)、25日(日)の公演と28日(水)の昼公演は、新撰組、長州藩それぞれのエピソードを2本立てで綴る“番外編”が上演される。

 

新撰組の番外編については、沖田役の大平が「公演中に番外編が上演される新しい試み。新撰組の過去のエピソードが描かれます。どちらも正義だなと感じる本編があり、さらに新撰組が見ている正義を深く感じる作品になっています」とコメント。

長州藩の番外編については、吉田役の横田が「長州勢たちの本編前のエピソードになります。一回本編を観て、番外編を観て、そして本編をもう一度観ていただくと、全く見え方が違ってくると思います!」と、魅力をアピールした。

 

 

囲み取材の後、関係者向けにゲネプロが行われた。

 

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前作で、清国の姫君・麗貴人を失ってしまったハジメは、やさぐれた様子でひたすらに敵を切り伏せる猛った狼と化していた。新撰組の面々は、そんなハジメを心配しつつも、幕府転覆を目論む不逞浪士を取り締まる日々を過ごしている。

 

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一方、撰組を潰したい岩倉具視とトーマス・グラバーは、長州と接触。陰陽師の力で蘇らせた剣豪たちを戦力として彼らに与える。蘇った剣豪を“奇兵隊”として率いることにした高杉晋作、亡き松陰の意思を継ぐ吉田稔麿ら長州勢は、京に火を放ち天皇を攫う計画を企てる……。

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“新解釈幕末転生エンターテイメント活劇”と謳っているだけあって、不思議な力で過去の剣豪たちが蘇り、幕末の志士たちと戦うという、まさしく新解釈の幕末時代劇。

 

だが、基本的な史実は曲げず、志士たちの行動理念や正義も一貫しているため、分かりやすい。そして、新撰組と戦いながらも“最期の侍”として相手を認め、見守る眼差しを向ける剣豪たちが現れたことによって、また新たな志士たちの姿が浮かび上がった。“蘇った剣豪”の視点が加わった、新しい視点幕末群像劇の誕生だ。

 

ハジメ役の赤澤を筆頭に、沖田役の大平、吉田役の横田らがフレッシュな勢いと華やかさで舞台を真っ直ぐに貫く。

 

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土方役の谷口、坂本役の萩野が凄みと人間味を持って芝居を支え、高杉役の鎌苅、宮本役の山口らがカリスマ性のある人物像を創り上げて、物語を一層魅力あるものにした。

 

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それぞれの生き様が伝わると共に、これまでの彼らのことも、これからの彼らの行き先も、より深く知りたくなってくるシリーズだ。

 

 

公演は4月1日(日)まで。アフタートークの開催日も決定している。

 

文/片桐ユウ