ジョンソン&ジャクソン『ニューレッスン』大倉孝二 いとうせいこう ブルー&スカイ 池谷のぶえ インタビュー

ブルー&スカイ「日本一くだらない芝居を作りたい」
大倉孝二(以下、大倉)「とにかく限界までくだらなくしていきたい。なんのためにもならないものができると思う」……

 

ナイロン100℃の看板俳優の一人であり、ドラマなどでも稀有な存在感を発揮している大倉孝二と、劇作家・演出家として唯一無二の世界観を紡ぐブルー&スカイの演劇コンビネーション=ジョンソン&ジャクソン。約1年8か月ぶりとなる第3回公演『ニューレッスン』には、2人とは付き合いの長いいとうせいこう、第1回公演にも出演した池谷のぶえが参戦。4人による座談会では、彼らから生まれる笑いの科学反応が果たしてどんなものになるのか、占ってもらった。4人の会話に漂う独特の間や空気感を含めて楽しんでほしい。

 

――まず今回、この4人がそろった経緯をうかがいたいです。

大倉「前回の『夜にて』(2016年10月)の公演の後、先行きが見えなくなって2人でコントとかをライブハウスでやる形でもいいんじゃないかみたいなことを話していたんですよ。ところが前回と同じCBGKシブゲキ!!で公演ができそうになったので、僕が「やらせてくれ!」って頼んでみたら、またできることになりまして。そこで今までみたいにいろんな方を呼ぶというよりは、原点に立ち戻って少人数でやりたいと」

ブルー&スカイ「人が少なくても、演劇ってできるんじゃないかなって思って……」

いとうせいこう(以下、いとう)「そりゃそうだよ、一人芝居があるんだから。これ以上いったら0人芝居だけだよ? あ、これよくない? 誰も出てこない0人芝居(笑)」

大倉「声だけ聞こえれば、アリなんじゃないですか?(笑)それで、ブルー&スカイと僕が熱烈にご一緒したいと思った方だけを呼んでやりたいなってというところから、お二人にお願いしたらまさかの快諾で、この4人に決まりました。この上ないメンツだと思うし、こんないいこともたまにはあるんだなって」

池谷のぶえ(以下、池谷)「この段階でその言葉はプレッシャーですね(笑)」

ブルー&スカイ「僕はずっとくだらない芝居しかやってきてないし、次もそうなるんですけど、そろそろ日本一くだらない芝居を作りたいなと思いまして。そう考えたときに、せいこうさん、池谷さんに出てもらえれば、それができるんじゃないかと思ったんですよ」

いとう「なるといいねえ(笑)。僕らも、そういうものが好きで参加するわけですから」

ブルー&スカイ「いつもの稽古は台本をもとに作っていくんですけど、時間が許せば稽古だけじゃなくて「これ以上くだらないことはできないのか?」とか、話したりしながらやってみたい。そういう作り方ができたら理想的だなと思います」

大倉「今までもそうでしたけど、僕たちが一緒にやっていて一番納得できて、消化不良で本番が終わっちゃわない人ということでお二人にお願いしたんで」

いとう「そうか。やるしかねえな」

 

――ゲストのお二人の、オファーがあったときのお気持ちは?

池谷「嬉しいのと、怖いのと半々ですね。声をかけていただいて「とても出たいけれど、他はどなたが出るのかな?」と思っていたら、せいこうさんと4人ですって聞いて、怖さのほうが上回りました。理由ですか?私、せいこうさんには絶対嫌われたくないんですよ」

大倉「なんで稽古中に嫌われるって発想になるんですか?」

池谷「面白いことを絶対やるって期待されちゃうと、できなかったら絶対嫌われると思うから、まずその怖さがあって。あと大倉さんとブルー&スカイくんはなんていうか、やっぱりちょっとおかしな人なんですよ(笑)。前々回(第1回公演の『窓に映るエレジー』)に出させていただいたときに、ナンセンスなお芝居を楽しくやるんだと思っていたら、2人とも演出がすっごい厳しかったんです」

いとう「ブルー&スカイくんの『レミゼラブ・ル』(2007年)には僕も池谷さんも出てるけど、あのときはそんなに怖くなかったじゃない?」

池谷「怖さはないんですけど、ブルー&スカイくんからは、3行くらいのセリフに15か所くらいダメだしが入ったり。大倉さんは音楽に対してものすごくジャッジが厳しくて、ちょっとリズムがズレたりすると「違う!」って叱られたりして。ものすごくバカなことを、ものすごくちゃんと作ってくるんです。だから、ちゃんとやらなきゃいけない怖さがあるんですよ」

大倉「だって、毎回くだらないことやってるのに(ブルー&スカイと)2人で泣きそうになりながら居酒屋で反省会したりしてるんですよ?」

全員「(笑)」

いとう「僕はジョンソン&ジャクソンにはずっと出たかったからね。これまでシティボーイズとしかコントしてこなかったから、あの人たちがやらないって言い出しちゃって、やれるところがなくなったんですよ。で、ブルー&スカイのとこでやりたいなと思って、毎回の公演の楽屋で入れてくださいって言ってたはずなのに、2人とも覚えてないらしくって」

ブルー&スカイ「人づてには聞きました」

大倉「僕も人づてには」

いとう「直接言ったけどね???僕にしては珍しいくらいアピールしたよ。スタッフの人も「まさか出ないですよね?」みたいな聞き方をしてきて、あんなに言ったのに誰も聞いてなかったんだ~って。でも池谷さんのおっしゃるとおり「池谷さんも出るんだ、そりゃ面白いや。で、ほかには?」って聞いて4人ですって言われたときのプレッシャーはハンパなかったですね。すぐブルー&スカイくんには「僕は根が役者じゃなくて芸人だから、セリフがあんまり多いとどうかなあ」って言ったんですよね。すっごい長ゼリフがあるかもしれないし」

ブルー&スカイ「最近は厳密に台本のセリフどおりに、ということにはだんだんこだわらなくなってきたんで、面白ければ大丈夫です。昔はヘンなとこにこだわってて」

いとう「『レミゼラブ・ル』では言い回しとか一字一句、何度も直されたなあ。何の意味でその言い回しなのかちっともわからないまま、何度も稽古した覚えあるわ」

ブルー&スカイ「そういうところは、まだ残ってます」

いとう「それは困ったなあ(笑)。本当に4人なんですよね?」

大倉「どうしてもと言われれば追加も考えます。暇そうな人を呼んで……」

いとう「ラーメンの替え玉じゃないんだから」

池谷「暇そうだったら出られる可能性あるんだ?」

大倉「それでね、最近、ブルー&スカイの役者志望の気持ちがどんどん強まってるのが問題なんですよね」

ブルー&スカイ「人が多いと僕の出番が少なくなるので……」

 

――(笑)。大倉さんから見て、俳優としてのブルー&スカイさんはいかがですか?

大倉「稽古していて一番腹が立つタイプというか、なんかいらいらするんですよ。役をちょっとやってみせてくれたりするんですけど、その芝居が全部二枚目風みたいな感じで(笑)」

ブルー&スカイ「二枚目じゃないのに、二枚目の芝居をやるところが……」

大倉「不安はいろいろありますね。あとぼそぼそしゃべれば上手い芝居だと勘違いしてる」

ブルー&スカイ「それはありますね」

――ちなみに今回は、どんなお話になるんですか?

大倉「ストーリーがメインになるかどうかは微妙ですけど、最近2人で話してることを言うと、ブルー&スカイは『ハスラー2』(※1986年公開のビリヤードの世界を舞台にした師弟の絆を描いた映画)をやりたいんです」

いとう池谷「え???」

大倉「ビリヤードものをやるわけじゃないんですけど、僕も“先生とそれを慕う若者”みたいな構図のものがやりたいというのはあったんで。だから『ハスラー2』の話はしましたけど、そこからもうちょっと考えて、しょうもない設定にしたくて」

いとう「なるほど、このレベルじゃまだまだしょうもない設定じゃないんじゃないかと」

大倉「どうして『ハスラー2』の話が出てきたかというと、せいこうさんと池谷さんという先輩を呼んで、僕たちも学ばせてもらいたいねっていう話から始まってるんですよ。この4人でくだらないことの研究会みたいなことをやって、僕とブルー&スカイが学ぶ側になったら面白いんじゃないかっていう」

 

――ゲストのお二人に何をやっていただくかが肝になってくると思いますが、ジョンソン&ジャクソンのお二人としてはどういうことをやってほしいんですか?

大倉「まあ、やることはくだらないことだけですから」

いとう「そうね、それでこっちも参加するんだから。まじめなことやられたんじゃね」

ブルー&スカイ「稽古中に、せいこうさんには「その展開は浅はかだよ」とか、池谷さんには「それ前の公演でもやってたよ」とか言ってもらいたくて」

池谷「厳しいチェック体制で、新しい何かを作るというか」

いとう「そうだね、誰もやってない笑わせ方があるのかもしれないしね」

大倉「お二人がこんなことをやってみたいというのも、言っていただきたいですし」

 

――逆にゲストのお二人がジョンソン&ジャクソンだからこそやってみたいことは?

池谷「さっき出てきた0人芝居とか、そういうアイデアがポンポン出てきたら面白いですよね」

いとう「面白いよね、0人芝居で地方回ってくの(笑)。誰が回ってんだっていう話にもなるしね」

ブルー&スカイ「毎公演10分間は大倉さんの一人芝居とか」

大倉「なぜならこの人、『ゴドーは待たれながら』(※いとう作の一人芝居の戯曲。2013年ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出で大倉孝二が演じた。)が大好きなんです。あれを自分の公演でやりたいんですって(笑)」

いとう「いいじゃん、名場面集とかね」

池谷「4人の公演だと思ってお客さんが来てみたら、一人芝居っていう」

大倉「過去2回ほど物語にとらわれる気がなくて、こういう断片的なアイデアをいくらでも挟んでいけるようなものがやりたいですね」

いとう「でもねえ、このメンツだと、くだらないもの好きの方々にとっての期待値がどうしても上がっちゃうと思うんだよ。そこが怖いね。それに応えられる自分がいるのだろうか、みたいなさ」

ブルー&スカイ「ひっそり公演やってれば、期待されないじゃないですか」

いとう「取材がきちゃってるのに? おかしなことを言うなあ(笑)」

大倉「この場の全員の時間をどうしてくれるんだよ」

――今回は初めての大阪公演もあるというのに。

いとう「大阪だと話の筋を要求されたりしないかな、大丈夫?」

池谷「オチがないぞ?とか」

ブルー&スカイ「じゃあ大阪だけ筋を作ります」

大倉「味が違うものを2パターン作ってもいいですよね。毎回安定したクオリティなんてものは、もうどうでもいいので。ウケなかったら変えちゃおうみたいな」

 

――過去公演ではバンドですとか音楽的要素も大事にされてきたと思いますが、今回は?

大倉「僕はいつもやりたいなと思ってます。お二人にどういう風に、何をやってもらうかはこれからのお話次第なんですけど。楽器を弾ける人間はほとんどいないけど、とりあえず何かをやる姿勢で」

いとう「すばらしいね。ない楽器を作ったっていいんじゃない?」

池谷「そうですよ、楽器から作ればいいし。でもそういうものは、えてして前衛的でかっこよく見えがちだから危険ですね」

いとう「それをどうにかくだらなくしないとね。新しいなって思われちゃうかもしれないから」

大倉「安心してください、どこまで行ってもかっこよくならないですから。大丈夫です!」

いとう「ジョンソン&ジャクソンの稽古場ってどんな感じなの?」

大倉「いつもだいたい2人で書いて2人で演出するっていう、より混沌とする形式を取ってるんですけど。もともと僕は作も演出もやったことがなかったんで、ブルー&スカイに台本を書いてくれるようにお願いしてたんですけど、「一人で書くのが辛い、死にたくなる」って毎回言うんですよ(笑)。毎回の公演の支柱になるのは、基本的にブルー&スカイのセンスで、そこに僕がアイデアを出していくっていう形式は変わらないです。ただせっかくこの4人が集まるんで、基本的に僕ら2人がたたき台を書いて、4人で話し合ってそれを広げていけたらいいなと思います。作り方を考えると、今までのジョンソン&ジャクソンともまったく違う感じになるでしょうね」

いとう「うれしいなあ、それ。しばらくそういうものはやってないからね。シティボーイズの前のラジカル・ガジベリビンバ・システムでは、ものすごい本数をやってたから、やる度に「あれ、見たことある!」とか「このパターンは誰々がもうやってる」とか。まさに研究会みたいなところがあって。その進化したものがここでできるなら」

 

――ストーリーは特に作らないかもということでしたが、話の中で一本筋が通るということは……?

大倉「何かしらはそういう感じになると思います」

いとう「でも記事を書くのにさ、困るじゃない」

大倉「何かしらの先生が何かしらの人たちに何かしらを教える……話にはなると思うんですけどね」

 

――どんな役をやってもらいたいとかはありますか?

大倉「それは今決めちゃうとつまらないと思うんですよ。決めちゃうと、そこからどんどん形が決まっていっちゃうので、そこも決めないでやりたいな。同じ役を入れ替え制にして、違う人がやってもいいくらい」

いとう「そういうほうが面白いよね」

ブルー&スカイ「レッスンものの最高傑作を目指します」

大倉「これ、今思いつきましたね」

ブルー&スカイ「レッスンものっていったら広いから、レッスンコメディはどうかな」

池谷「レッスンものってジャンルはないですよね」

いとう「ないジャンルの最高傑作だっていうんでしょう?」

池谷「レッスンコメディっていうジャンルもないですけど(笑)」

いとう「レッスンものの最高傑作をめざす。そして誰かかしらが何かしらを教え続ける90分、でどうでしょう。“君は何回教えられるか”“君は何回教えられたか”」

ブルー&スカイ「“教えるのか、教えないのか”」

いとう「教えないなら教えないで、それもすごいよね。『ニューレッスン』なのになんにも教えないの」

大倉「“ニュー”がそこをごまかしてるんですよ」

いとう「それが『ニューレッスン』なんだ、教えないこともあるっていう」

池谷「ちょっとドキドキしますね。教えるのか教えないのか、ハラハラするような」

いとう「手に汗を握るよね。教えるんじゃ……ないかなあ? 教えないんだ、ああそうなんだ?って、客席のため息が聞こえそうだよね。また教えないんだ、教えればいいのになあ……ってね。これ、いいタイトルだね」

大倉「ブルー&スカイが「レッスンはどう?」って言ってきて、僕が「じゃあニューはどう?」って言ったので、『ニューレッスン』に」

いとう「いいよね、まったくわけがわからない」

池谷「お客さんはいろんなふうに解釈してくれますから、いいんじゃないでしょうか」

いとう「たまに、やってもいない筋を言う人もいるもんね。「違うよ、教えてないんだよ!」って舞台から降りてって言うわけにもいかないじゃない。1人1人に○×式でアンケートに答えてもらうのもいいかもしれないね。「今、教えたと思いますか?」って」

 

――そのためにアフタートークがあるんですか?

いとう「答え合わせ用にね。でも芝居には4人しか出ないのにアフタートークだけ3人なんだよ」

池谷「私、出る気満々ですよ」

いとう「そでで見切れてる感じとかいいんじゃない?」

大倉「明らかにいるのに声の出演。影だけ」

いとう「アフターシャドーね?」

――アフタートークの話題だけでもこれだけ広がるとなると、本番が楽しみです。

大倉「とにかく限界までくだらなくしていきたい。なんのためにもならないものになると思います」

 

――そういえばケラリーノ・サンドロヴィッチさんが、ジョンソン&ジャクソンでの大倉さんのことを「すごい生き生きしてる」っておっしゃってましたね。

大倉「そうですよ、僕は別に、まじめなお芝居なんか一切やりたくない。ただなりゆき上、まじめなお芝居もやってるだけなんで。そりゃいきいきしますよ」

 

――できればずっとお二人でやっていたい?

大倉「……それは辛いですね」

ブルー&スカイ「僕はまじめな芝居に出てみたいですけど」

いとう「出てみたいほうなんだ」

大倉「書きたいんじゃないんですよ。彼ね、役者志望なんですよ、いまだに」

ブルー&スカイ「まじめなのを書くのはできないんですけど」

池谷「私はわりとまじめなお芝居が好きなんですけどね。なぜか、こういう場に引き寄せられがちで不思議なんですよね」

 

――話が戻りますが、池谷さんから見たブルー&スカイさんの俳優としての実力ってどうなんでしょう?

池谷「だんだん上手くなってきちゃって、そこがちょっと私的には懸念事項なんですけど。もっと下手だったころのほうがすてきだったのに」

いとう「でも芝居としては、相手役の人とはまったくコミュニケーションしてないよね。突然“今のはちょっと声が大きすぎるんじゃないか”って思ったり、そういうとこの面白さはあるから。それだけはなくさないでほしい」

大倉「それはいつも出演者の人に怒られるよね」

ブルー&スカイ「前回言われましたね。演技が理解できてないって」

いとう「ああ、よかったわー。だって上手くなっちゃうもん」

大倉「ブルー&スカイは稽古させないとか」

池谷「それくらいがちょうどいいかも」

ブルー&スカイ「個人的には上手くなりたいですけど」

大倉「こういうとこ、かたくなというか頑固なんですよね」

 

――ブルー&スカイさんご自身はどういう俳優になりたいんですか?

ブルー&スカイ「なんでもできる……山田孝之さんとか」

いとう「すごいとこいったね。狂った世界を持った人だからね」

大倉「マイケル・J・フォックスも好きなんですよ」

いとう「一場面くらいマイケル・J・フォックスやっていいよ」

――ドクとマイケルのレッスン、みたいな?

いとう「レッスン失敗ということだからね。ヘンな時代に行っちゃって」

大倉「タイトルは『レッスン失敗』のほうがよかったですね。もうチラシ作っちゃったけど」

 

――(笑)。では最後に、読者へのお誘いのメッセージをお願いできればと。

大倉「いつもジョンソン&ジャクソンでは心がけているんですけど、本当にくだらないものをめざしているんで、今回もそこにブレはないですから。よりぶっ壊れていきたいなと思ってます。あと、先入観なしにいろんな方に観てもらいたいと思っているんですよ。演劇アレルギー的なものをお持ちの方にも、想像している演劇とはまったく違うものだと思うので、ぜひ試しに観にきてほしいです」

池谷「大人になってから、まさかこんな実験ができるとは思ってもみなかったです。だから私たちもまだわからないですけど、新しいくだらなさを絶対見つけたいなと思うので、それを観に来ていただければと」

いとう「笑いを舞台でやるに際して、ものすごく尖った人たちが集まっているのは確実なので、自分でも噴き出さないようにするのに精いっぱい…みたいな場面がいっぱい作れるといいなって思うんですよ。そういう、いろんな種類の笑いができそうな人たちですから。僕がもし学生だったら「これは絶対観なきゃいけないやつだ」と思ってたと思うんですよね。「僕が楽しみなんだから、君たちも楽しみなはずだ!」って論理ですね」

ブルー&スカイ「ファイトファイトで、全力のファイトで頑張るんで。僕たちのファイトをどうか見に来てください」

大倉「……大丈夫?やり直す?」

いとう「大丈夫でしょう。頑張りましょう」

 

取材・文/古知屋ジュン

 

【プロフィール】
大倉孝二
■オオクラコウジ ’74年、東京都出身。’95年ナイロン100℃に入団。ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)、映画『HERO』『ロマンス』『秘密 THE TOP SECRET-』など、映像分野での活躍も目覚ましい。劇団公演『百年の秘密』が4月7日より開幕。

ブルー&スカイ
■ブルーアンドスカイ ’73年、東京都出身。’94年に劇団猫ニャー(のちの演劇弁当猫ニャー)を旗揚げし、’04年の解散まで全作品の作・演出を手がけた。2012年にブルースカイからブルー&スカイに改名。舞台のほか映像作品やラジオドラマ等の放送作家としても活動している。

いとうせいこう 
■イトウセイコウ ’61年、東京都出身。タレントとしてはもちろん、俳優、小説家、お笑い芸人、作詞家、ラッパー、ベランダー等幅広く活動するクリエイター。『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)などでもおなじみ。

池谷のぶえ
■イケタニノブエ ’71年、茨城県出身。’94年、ブルー&スカイ(当時ブルースカイ)らとともに劇団猫ニャー(のちの演劇弁当猫ニャー)を旗揚げし、’04年の解散まで看板女優をつとめる。また映像作品へも活動の場を広げ、4月から連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)に出演を控えている。