ONWARD presents 劇団☆新感線『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』 Produced by TBS 古田新太 インタビュー

5/31(木)まで絶賛上演中の話題作、劇団☆新感線『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』。東京・豊洲に2017年春に開場した、観客席が360°回転するという画期的な機構を持つ劇場、IHIステージアラウンド東京でロングラン公演を行ってきた『髑髏城の七人』も、とうとうこれが最終章となる。フィナーレを華やかに飾るこの“新作”は、天海祐希演じる<極楽太夫>と古田新太演じる<天魔王>を中心にした“大人の愛憎劇”として紡がれる、もうひとつの『髑髏城の七人』だ。1990年の初演から、1997年版、2004年版『アカドクロ』、そして2017年のIHIステージアラウンド東京版“Season花”まで、過去に4パターンの『髑髏城~』に出演してきた古田に、『修羅天魔』や劇場について、そして<天魔王>というキャラクターについて、思うところを語ってもらった。

 

――IHIステージアラウンド東京では“花・鳥・風・月”とやってきた『髑髏城~』も、いよいよ“Season極”ですが。

古田「おいらとしては本当のところは「<天魔王>も『髑髏城~』も、もういいよ~」なんて思っていたんですけど(笑)」

 

――今回、久しぶりに天海祐希さんと舞台をご一緒できることに関してはいかがですか。

古田「それはもちろん、楽しいですよ。だからこそ、せっかくゆりちゃん(天海)が新感線に出てくれるんだから、それだったらご一緒しましょうということになったんですから」

 

――それが今回のオファーを引き受ける大きなポイントに。

古田「はい。それしかないです、それオンリーです(笑)」

――改めて、古田さんが考える<天魔王>のイメージとは。

古田「クールな偏執狂だと思っています。こだわるところが<捨之介>や<蘭兵衛>とは違って、戦国時代そのものが好きなんだけれども、そこにアツく燃え上がるわけでもなく、あくまでクール。そうでないと、イギリスを仲間にして8年がかりで準備した大坂城攻めの計画を、そいつらが来られなくなったからって即やめたりしないと思うんですよ。そこまでのカロリー、熱量のない男なんです。こだわりはありそうだから、そこが偏執狂なところなんだろうけど。実際はクールで臆病な人間だとオイラは捉えているので、そういう意味では(“Season花”の)成河や(“Season鳥”の森山)未來がやった<天魔王>とは解釈が違う。あそこまでエキセントリックにやってしまうと、とても臆病者には見えませんからね」

 

――“Season花”で実際に舞台に立ってみて、観客席が360°回転する劇場というのはどう思われましたか?

古田「“花”の時は開幕前に少し多めに舞台稽古ができたし、そのあとのシーズンは要領を得たウチの劇団のスタッフや劇団員、パーマネントなアンサンブル、アクションの連中が何人かずつカンパニーに入っているのでなんとかなっていますが、そうでないと初日までに間に合わなかったのではないかと思いますね。オイラも劇場に入って2週間くらいは、360°の中で自分の位置がどこかというのを瞬時に把握できませんでしたから。次のシーンはどっち側に行けば近いのかとか、持ち道具をどこらへんで取らなきゃいけないのかとか、ステージドリンクをどこに置けば一番ラクかというのは、慣れるまでの間は大変苦労しました。だけど、観客側の立場から考えれば、とても楽しい劇場だと思います。ちょっとしたアトラクション気分になれますしね。スクリーンを開けたらだだっぴろいステージになるし、回っているという体感もそれほどキツいものではないし。お客さんとしては、舞台転換が実際よりもとてもスピーディに感じられるのではないでしょうか」

 

――お客様へ向けて、古田さんからお誘いのメッセージをいただけますか。

古田「『髑髏城~』も、ついに最終回です。“Season極”、『修羅天魔』はこれまでの『髑髏城~』の世界観と同じながら、もうひとつの新しい物語になっていると思います。面白い作品にしますので、ぜひ安心して観に来てください!」

 

インタビュー・文/田中里津子
Photo/村上宗一郎

 

【プロフィール】
古田新太
■フルタアラタ 1965年12月3日生まれ、兵庫県出身。大阪芸術大学在学中の1984年から劇団☆新感線に参加以降、看板俳優として圧倒的な存在感を発揮し、人気を博す。劇団公演以外にも映画『パディントン2(日本語吹き替え版)』(2018年)、『DESTINY 鎌倉ものがたり(声の出演)』(2017年)、ドラマ『民衆の敵~世の中おかしくないですか!?~』『僕たちがやりました』(2017年)、舞台『ロッキー・ホラーショー』NODA・MAP『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』(2017年)などのほか、雑誌にコラムを連載するなど、ジャンルを問わず幅広く活躍している。現在WOWOWドラマ「闇の伴走者~編集長の条件」が放映中、バラエティ番組『関ジャム~完全燃SHOW~』にレギュラー出演中。