8/3(金)シアターサンモールにて上演 舞台「大きな虹のあとで」
市川知宏×瀬戸利樹×入江甚儀×上杉柊平インタビュー(後編)

皆さんの心の中に何かを残せるような作品にすること、
それが僕らの役割だと思っています。

 

昨年好評を博した舞台「大きな虹のあとで」の再演が決定。それほど遠くない昔、この国がまだ戦争で戦っていた時代の仲の良い四兄弟の物語。
「今は平和と言われているこの日本でも、ほんの数十年前には”戦争“をしていた事実があったこと、その時代の中で一生懸命生きた若者たちがいたこと。この作品を通して少しでも多くの方の記憶に残るよう演じることが僕らの役割だと思っています。(市川)」
市川知宏、入江甚儀、そして新たに上杉柊平、瀬戸利樹を迎え、今年も8月の暑い夏がやってくる。

 

――この作品には大きな役割がありますね。

市川「最初は戦争のこと、特攻隊のこと、その時代背景について簡単な知識しかありませんでした。そんな僕らが本作を理解し演じることができるのか、観てくださる方に伝えることができるのか不安もありました。まずは僕ら自身が勉強することから始めました。実際に鹿児島の知覧に行ったり、資料を見て改めて知ることばかりで、「後世に伝える役割を担えるならば、これはしっかりやらないと」と思いました」
上杉「僕もこの国の歴史を詳しく知ることができて良かったと思います。知らないまま過ごしてしまうより、知っていたほうが絶対に良い。世界を見渡せば今もまだ戦争をしているところもあって、当時の日本と同じように悲しい想いをしている人たちがいるのは決して他人事ではないと思ってしまいます」
入江「前回は皆さんからのアンケートを読むとそういうことが「ちゃんと伝わっているんだ」と手ごたえもありました。客席が笑ってくれたり、すすり泣く声が聞こえてきたり、手ごたえを一つ一つ感じながら「やり切った」という印象が強かったですね。今年もまた4人で全力で演じたいと思っています」

 

――読者の方にメッセージをお願いします。

市川「こうして再演ができるのは本当に嬉しいです。昨年は何もかも初めてで手探りでしたが、今作では(上杉)柊平と(瀬戸)利樹を迎え新たな不動四兄弟を作るのが今から楽しみです。前回ご覧頂いた方も、今回初めてご覧頂く方も、どうぞ構えずに気楽にお越しください。この作品に触れて頂いたことで、皆さんの心に何か残るように僕らが一生懸命演じさせて頂きます」
上杉「戦争の時代からいえば明治・大正・昭和・平成と時代が移り変わり、いよいよ平成が終わりを告げ、また新しい時代を迎えようとしています。日本は幸いにも戦争が起こる国ではなくなりましたが、今の世界情勢を見るといつ何時どうなってもおかしくない状況も見られます。嫌な記憶は忘れていく、というのは人間の特技かもしれないけれど、戦争の記憶を忘れてしまったら、そして若い世代がその事実を知らないまま大人になったら、人間はまた同じことを繰り返してしまうかもしれない。そうならないことを願って今の僕らにしかできないことを一生懸命、気合い入れて演じますので、肌で体感して頂いて「遠くない昔の出来事」に心を向けるきっかけになってくれたらと思います」

入江「繰り返しになりますが、“戦争”がテーマとなると重たい印象を受けるかもしれませんが、演出家の秦秀明さんは今作を笑いあり、涙あり、恋愛もあり、とその時代に生きていた4兄弟をはじめ登場人物たちの青春を等身大に明るく表現しています。それは現実とは違うかもしれないけれど、僕たち若い役者を通して少しでも日本の歴史の中に”戦争“という事実があったことを忘れないよう、伝わるように僕らも精一杯表現しますので、ぜひ劇場に足を運んで欲しいです。僕たちは毎公演全力で頑張ります。楽しみにしていて下さい」
瀬戸「舞台の内容に関してしっかり者の熱い兄3人が思いを伝えてくれたので、僕自身今作に参加できるのは光栄なことだと思っています。自分らしく、ナチュラルにしっかりと最後まで演じ切りたいと思います。この夏、全力で頑張ります!劇場でお待ちしております!」

≫前編をよむ

 

【プロフィール】
市川知宏  
■イチカワトモヒロ 読売テレビ・日本テレビ系木曜ドラマF 『ラブリラン』、NHK BS時代劇 『鳴門秘帖』など出演多数。

上杉柊平
■ウエスギシュウヘイ ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」第5シリーズ、行定勲監督作品「リバーズ・エッジ」など出演多数。

入江甚儀
■イリエジンギ EX「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」に氷怪人ザミーゴ・デルマ役で出演中。

瀬戸利樹
■セトトシキ 映画「仮面ライダーブレイブ&スナイプ」、東海テレビ・フジテレビ系「いつまでも白い羽根」などなど出演多数。