7/6(金)ついに開幕!『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』

2018.07.06

左から陰山 泰・葛山信吾・南沢奈央・尾上右近・村川絵梨・篠井英介・鈴木壮麻

尾上右近初挑戦となる翻訳現代劇『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』の初日公演に先駆け、公開ゲネプロと囲み取材が開催されました。

 

『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』は、キアラ・アレグリア・ヒュディスにより執筆され、2012年にピューリッツァー賞戯曲部門賞を受賞した作品で、この度G2の翻訳・演出にて日本初上演となります。本作で、翻訳現代劇に初挑戦する尾上右近は、実母からネグレクトを受けて育ったトラウマを持ち、イラク戦争での負傷が原因で薬物依存になった過去を持つ青年・エリオットという難役に挑みます。

 

【コメント】
≪尾上右近≫
初めての翻訳現代劇、さらに公開ゲネプロというのもほぼ初めての経験だったので、緊張でいっぱいいっぱいになってしまいました(笑)。歌舞伎は型に守られている部分があるので先輩に習って演じることもありますが、今回は自分で一から考えて、皆さんとすり合わせて創ってきたので、すごく難しかったです。エリオットは、もがいて見えないものと戦っていますが、僕はお客様の心に向かって真っ直ぐ飛び込んでいきたいと思います!第一線で活躍している百戦錬磨の皆さんと、稽古で創り上げてきたものに、もっと感情を乗せていって、明日の初日を迎えたいと思います。そして大千穐楽まで、もがき続けながら走り続けます!



【STORY】
ヴァーチャルな空間で出会った、様々な問題を抱えた人たち。
サイトを通じて心を通わせながら、それぞれが自分の人生を取り戻していく愛と希望の物語。

オデッサは特殊なサイトを運営しているサイト管理人。そのサイトは、何千マイルも離れてまったく異なる職業につきながら、ヘロイン、コカインといった依存性のあるドラッグ中毒者たちが集まるサイトだった。
管理人のオデッサ自らも元薬物中毒者であり、かつて幼い娘と息子を依存症のために見殺しにしかけ、娘を失った過去を持っていた。
生き残ったオデッサの息子エリオットは、伯母のジニーに引き取られて青年に成長すると、やがてイラク戦争に出兵して肉体的に負傷すると共に、帰還してからはあるトラウマに悩まされていた。また、エリオットのいとこで彼の良き理解者である大学非常勤講師のヤズミンは、現在離婚調停中で人生に行き詰まっていた。
すべての登場人物が、人生の行方を探そうとしてあらがい彷徨う中、エリオットの育ての母であり伯母だったジニーの死をきっかけに、オンラインとオフライン、それぞれの人間関係がリアルな世界の繋がりの中へとくっきりと浮かび上がり、少しずつ変化していく。
ドラッグを契機に身内も含めた「社会」から疎外されてしまった人々。改めて他者とつながりたいという願望を募らせつつも、うまくいくはずがないと葛藤する彼ら彼女らのありようは、現代社会の闇であると共に、ネット社会こその一筋の希望を照らし出す。