ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 月 Produced by TBS <下弦の月>天魔王役 鈴木拡樹 インタビュー

劇団☆新感線に初参加にして『髑髏城の七人』の<天魔王>役に挑むことになったのは、舞台『刀剣乱舞』などで知られる人気役者の鈴木拡樹。間もなく開幕する第4弾“Season月”の、“下弦の月”チームの一員として果たしてどんな想いを抱いているのか、ヴィジュアル撮影が終了した直後の時点で、話を聞いた。

 

――そもそも、今回のオファーが来た時は、どう思われましたか。
鈴木「単純に、驚きました。どうして自分を呼んでいただけたんだろうと。もちろん、劇団☆新感線といえばやっぱり演劇界のトップのイメージがありますから「ああ、呼んでいただけたんだ!」と感激しつつ、でもなかなか信じられなかったですね。」

 

――じゃ、出ることを想像したこともなかったですか。
鈴木「いつか出れるかな、なんてことも思っていなかったです。よく出ていらっしゃる方々にもしどこかで関われたら、自分の持っていないスキルを盗みたいな!なんてひそかに思ったことはありましたけど。まさか、こういうチャンスをいただけるなんて。今回はぜひ自分らしいアプローチをしたいと思いつつ、さらに敏感に周りのキャストやスタッフさんの動きを見て、吸収できるものをたくさん吸収したいなとも思っています。」

 

――初めての現場でもありますし、吸収しがいがありそうですよね。天魔王という役を演じることについてはどうですか。
鈴木「特にやりかたというかアプローチの仕方が一番分かれそうな役なのかな、という風に感じています。」

 

――そうですね、これまでの天魔王を並べたらみんなそれぞれ表現の仕方からヴィジュアルから、だいぶ違いますし。
鈴木「“花・鳥・風・月”で、それぞれ作品自体もすごくテイストを変えていますしね。今回の“Season月”も新たな天魔王として、自分を選んでいただいた理由ということも含めて、考えていきたいです。“下弦の月”チームの『髑髏城~』という作品に自分がどうフィットできるか、探していきたいなと思っています。」

――“上弦”と“下弦”に分かれたダブルチームというのも、あまり経験できないことなのかなと思いますが。新感線にとっても初めての挑戦なので、期待値も大きいです。
鈴木「そうですねえ。でも、なにしろ“上弦の月”のほうの天魔王は早乙女太一さんなので。既に何度も新感線に出られていて、きっとふだんからよくご覧になっている新感線ファンのみなさんならすぐ「おお、太一さんがやるんだ!」となるでしょうけど、僕は今回初めて関わらせていただくので「誰だ?」ってところからのスタートですからね。でもそこをうまく乗り切ることができたら、大きな衝撃を与えられるかもしれない。そこに賭けて、がんばりたいなと思っています。」

 

――いのうえさんの演出については、噂とかで聞いていますか?
鈴木「すごく細かくつけてくださるというのは聞いています。とても、作品の構造を精密に作られている方なのかなって、これは勝手にイメージしていることですけど。客席から見たイメージだと、いのうえさんってすべてをエンターテインメントにしてくれる方なんだなあって思うんですよね。そこが一番、僕が魅かれたポイントでした。それと「わあ、どうなっているんだろう?」っていうワクワク感。ボーっとする暇がないというか。暗転というものもないし、ずっとストーリーが流れているというか、続いているあの感覚が素晴らしいなと。」

 

――その分、やる側は大変になるかもしれませんけど(笑)。
鈴木「でも今回、少しその仕組みを知れるのかなと思うと、そこも楽しみです。」

 

――裏側がどうなっているのか。
鈴木「ですよね。僕、そこにもすごく興味があるんですよ(笑)。そして、今回はせっかくのダブルチームですからね。これはぜひぜひ両方のチームを観比べていただけたらと。これまでは同時期に作品を観比べるなんてDVDが出てからじゃないと難しかったけれど、今だとナマでこのふたつを観比べられるというのも大きな魅力だと思います。他ではありえない経験でしょうから、ぜひとも劇場へ足をお運びください。」

インタビュー・文/田中里津子
Photo /村上宗一郎

 

【プロフィール】
鈴木拡樹
■スズキヒロキ 1985年6月4日生まれ。大阪府出身。2007年のドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー、その翌年に舞台『最遊記歌劇伝―Go to the West―』で初主演を果たす。以降、数々の話題作で主演を務めており、主な出演作はドラマ『狙撃』(16、EX)、『弱虫ペダル』(16、BSスカパー!)、映画『青春ディスカバリーフィルム』シリーズ(16、15)、舞台『煉獄に笑う』(17)、『刀剣乱舞』シリーズ(17、16)、『あずみ~戦国編』(16)など。劇団☆新感線には今回初参加。