役者同士の駆け引きみたいなものを生々しく表現したい
今年3月末に開場したIHIステージアラウンド東京にて、6月27日[火]からは第2弾『髑髏城の七人』Season鳥が開幕! 歌あり踊りありで、“Season花”とはガラッと雰囲気が変わるこの“Season鳥”で、天魔王を演じるのは森山未來だ。劇団☆新感線への参加は4回目、『髑髏城の七人』も2011年版で同じ天魔王役を経験済み。とはいえ座組も演出も違ってくるため、役へのアプローチは確実に変わりそうだという。
森山「前回は稽古を重ねてそれぞれの関係性から生まれ出たキャラクターだったので、そう考えると今回はあれほど押せ押せな感じの天魔王にはならないのかも。役として一番関わるのは阿部(サダヲ)さんと(早乙女)太一で、太一との関係も6年経って変わったところもあるし、そこに捨之介役で阿部さんが加わることでバランスがかなり違ってきそう。前回は“ワカドクロ”という通称にふさわしく、有無を言わせず突破して駆け抜けなきゃと思っていたんですが、今回はその必要はない平均年齢の高さですからね!(笑) 突き抜けるというよりもっと駆け引きみたいなものを生々しく表現してみたい。だけどアドリブとか多くなりそうですよね、下北沢の飲み屋で居合わせる人たちばかりで」
と、森山が笑うように“鳥”のキャストには阿部、早乙女のほか、松雪泰子、粟根まこと、福田転球、少路勇介、清水葉月、梶原善、池田成志という、演劇ファン垂涎のクセモノばかりが顔を揃えることになった。この顔ぶれから森山が予想するに「新感線のいわゆる“ネタもの”に近い作品になる気がする」とのこと。
森山「必然的に歌と踊りが入り、太一の立ち回りが飛び道具的にパーンと入ったり、笑いは笑いでグズグズになったりして、相当エッジの効いた作品になりそう。それこそ劇団員はいつもより少なめですが、今回は特に何度も新感線に出ている劇団と相性のいい人が揃うから、むしろ純度が高い新感線作品と言えるんじゃないかな。まさに新感線にはお誂え向きの劇場で、“花”を経てさらにいのうえ(ひでのり)さんの演出もグレードアップするはず。ま、踊らにゃソン、遊ばにゃソン!という気分です(笑)」
インタビュー・文/田中里津子
Photo /村上宗一郎
ヘアメイク/須賀元子
スタイリスト/杉山まゆみ
※構成/月刊ローチケHMV編集部 6月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
森山未來
■モリヤマ ミライ ’84年、兵庫県出身。演劇、ダンスといったカテゴライズに縛られない表現者として活躍。