
突然「親子」になった
父と娘の物語
演劇ユニット「山本試験紙」からの派生ユニット「試験紙プロデュース」の第1弾作品、『some day』が2月20日よりシアターサンモールにて上演される。2019年に劇団オーストラ・マコンドー本公演で上演され好評を得た作品を、生みの親である倉本朋幸が設定や内容をブラッシュアップして、令和版の『some day』に完全リメイク。舞台上に再現した一軒家を舞台に「親と子」をテーマにしたヒューマンドラマが描かれる。オーディションで選ばれ今作が初舞台で初主演となる朝日奈まおと演出の杉本達に、ヒロイン誕生の裏話や見どころなどを聞いた。
杉本 受かると思った?
朝日奈 そんな、思うわけないじゃないですか!受かったときはビックリして、本当の話なのかマネージャーさんを問い詰めました(笑)。
昨年4月に芸能界入りし、ほとんど芝居経験のない朝日奈を、ヒロイン・あめに選んだ理由は圧倒的な存在感。
杉本 扉を開けて入ってきた瞬間、他の方とはちょっと違ったかな。脚本の倉本とも共通認識で“朝日奈さんだよね”という感じでした。その存在感を活かして、できるだけ台詞を減らして喋らない説得力をつけていきたいなと考えてます。
今作は、一軒家に一人で住んでいる元アイドルで現在はあまり仕事がない西村朋ノ介範(横尾渉/Kis-My-Ft2)が、突然訪ねてきた彼の実の娘らしい17歳のあめと、共に生活することになって巻き起こる人間ドラマ。どこがユーモラスで切ない親子(?)のやり取りが見どころだ。
朝日奈 あめは、思春期の多感な時期に今まで知らなかった父親という存在に出会って、すごく複雑な気持ちだろうし、自分だったらどうするのとか、脚本を読んでいていろいろ想像しました。
杉本 朝日奈さんも横尾さんも、どちらかというと人見知りなので、よーいドンで喋れるタイプの人ではないと思います。現在のどう話せばいいのかな?という感覚は、あめと朋ノ介範が最初に出会うシーンのイメージなので。突然、父親と娘になったふたりが、お話の後半で、“同じ血が流れているからこそ”みたいな展開になるので、その感覚が稽古の中で培われればいいなと思っています。
音楽活動もしている朝日奈は、ギターの弾き語りも披露する。
杉本 そのシーンは見どころなので、ぜひ耳をそばだてていただいて(笑)。
朝日奈 そこは楽しみに観ていただきたいです。興味のあることに真っすぐに進むあめを、自分なりに伝えられたらいいなと思っています。
杉本 気張らなくていいので、等身大でお願いできれば。
朝日奈 はい、等身大でがんばります!
インタビュー&文/井ノ口裕子
Photo/矢野寿明
※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
杉本達
■スギモト トオル
「カノッサの屈辱」「ウンナンのホントコ!」など多数のバラエティー番組を演出するほか、映画、ドラマ、演劇の演出も手掛ける。
朝日奈まお
■アサヒナ マオ
被写体モデルなどを経て、2024年4月より本格的に芸能活動を開始。TOKYO MX「きみの継ぐ香りは」でドラマデビュー。