舞台『刀剣乱舞』士伝 真贋見極める眼|後藤大 インタビュー

©NITRO PLUS・EXNOA LLC/舞台『刀剣乱舞』製作委員会

舞台は“今”を生きられる場所!

2016年から続く舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)シリーズの最新作が、今年7月から上演される。タイトルは舞台『刀剣乱舞』士伝 真贋見極める眼。原案ゲーム内のイベント【特命調査 天保江戸】を題材に、「天保の改革」が起こった江戸時代へ赴く刀剣男士たちの活躍を描く。
中心となる刀剣男士・蜂須賀虎徹は、2023年に開催された「七周年感謝祭 -夢語刀宴會-」の千秋楽にて初お披露目。蜂須賀虎徹を演じる後藤大は、いよいよとなる出陣に
「2年間、待ちわびてきました」と胸を高鳴らせる。

「感謝祭で登場した時は蜂須賀虎徹の装いに体が慣れていなかったものの、新鮮な経験をさせていただきました。その時からたくさんの反響や応援の声をいただいていたので、早く皆様の前に立ちたいという気持ちでいっぱいです」

蜂須賀虎徹は江戸時代中期に活躍した刀工、虎徹作の打刀。贋作が多いことで有名な虎徹の真刀である。原案ゲームでは最初に選べる“始まりの五振り”の内の一振りで、刀ステでも登場を期待されていた刀剣男士だ。

「僕が思う蜂須賀虎徹は、内側の魂も外側である見た目も気品があり、聖なる美しさを持った刀剣男士。真作であることを誇りとしているので、虎徹の贋作と言われている長曽祢虎徹に対しては抵抗があるけれど、決して嫌いなわけではないんですよね。蜂須賀虎徹が抱く感情も感受性の美しさであり、生命を感じる愛おしい部分であると捉えています」

出演が発表されてから「心伝 つけたり奇譚の走馬灯」を劇場で観劇した。

「歴史を守る責任感や仲間への信頼、受け継がれていく意志。それに“愛”が描かれていて、とても感銘を受けました。観劇後に脚本・演出の末満健一さんから『次は君が真ん中に立つんだよ』というお言葉をいただき、あらためて身が引き締まりました。末満さんの作品に出るのは初めてなのですが、先日出演したトークイベントの裏側で、お弁当を一緒に食べるタイミングがありまして(笑)。そこで今作に向けてのお話はもちろん、どうやって舞台を作っているのかであったり、プライベートの他愛もない話まで伺うことができました。とても貴重な時間をいただきましたね。共演者も初めましての方が多いのですが、事前の殺陣稽古で打ち解けられました」

刀ステシリーズは、重厚な物語と共に見応えのある立ち回りも魅力のひとつ。殺陣は初挑戦になるという。

「まだ語れるに至らないですが、殺陣には芸術としての所作や美しさがあると感じています。自分なりに解釈して、研究していくことがすごく楽しいです!それと僕は瞑想を日課にしているので、自分自身の体調や心と向き合っていくところに通じるものを感じます。精神力や忍耐力も鍛えられますね」

『仮面ライダーシリーズ』への出演でも注目を集め、特技の絵を活かして海外でも個展を開くなど多方面で活躍する後藤だが、俳優デビューはミュージカル。舞台の魅力を「物語は同じだけれど人のコンディションは毎日違う。その瞬間にしかないものがステージにはあるので、舞台は“今”を生きられる場所です」と語り、今作への意気込みを見せた。

「自分がやってきた全てが舞台『刀剣乱舞』に結び付くところがあって。出会うべきところで出会えたような、今この役を演じることができるという誇りと喜びがあります。先人たちが紡いできた刀ステの物語と、世界中で愛されているコンテンツを背負って、しっかりと作品に向き合っていきたいと思っています」

インタビュー・文/片桐ユウ

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:劇場や稽古場ではみんな頭を使っているので糖分は大事かなと思っています。僕は和菓子が好きなので、家の近くにある美味しい和菓子屋さんのどら焼きやいろいろな種類のみたらし団子などを差し入れします。

※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

後藤大
■ゴトウ ダイ
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで俳優デビュー。テレビ朝日「仮面ライダーギーツ」などの出演で注目を集める。