
『受取人不明 ADDRESS UNKNOWN』は1938年、アメリカのストーリー誌に発表された往復書簡による小説『ADDRESS UNKNOWN』の舞台版。原作小説は、『届かなかった手紙』のタイトルで日本でも翻訳出版されている。舞台版は2004年、フランク・ダンロップが脚色しオフ・ブロードウェイで初演。その後世界各地で上演されている。
アメリカで親友同士だったマックスとマルティン。マルティンが母国ドイツに帰国、手紙のやりとりを始めます。しかし、ドイツにはナチスが台頭しはじめ…。往復書簡でつづる、世界のそして時代の大きなうねりの物語だ。
マックスとマルティンは、大石継太×天宮良、青柳尊哉×須賀貴匡、水田航生×鯨井康介の世代の異なる3チームで上演。
開幕にあたり、キャストコメントをお届けする。
Aチーム(大石継太×天宮良)


マックス 役 / 大石継太(おおいし けいた)
Aチームのマックス役・大石継太です。既にBチーム、Cチームは幕を開けてニコニコしている中、やっとAチームが開幕しました。ワクワクしながらこの日を待っていました。時代という波に呑まれて行く男達の苦悩、息遣いを、劇場で感じて頂けたら嬉しいです。年代の違う3チーム、面白い位に別物です。その世界を是非観て頂きたく、カンパニー一同劇場でお待ちしています。
マルティン 役 / 天宮良(あまみや りょう)
激動の時代に翻弄されたマックスとマルティン。書簡形式で進むこの物語は、幸せだった筈の2人にとんでもない結末をもたらします。約100年近く前の出来事ですが、残念ながら我が人類は相変わらず同じ事を繰り返しています…。今回は3チームで演じますが、我々年配チームはよりリアルにそしてより痛々しく演じたいと思っています。相手役は古くからの友人であり大好きな俳優・大石継太!おじさん2人が紡ぐ切ないストーリーを、どうぞお楽しみ下さい。
Bチーム(青柳尊哉×須賀貴匡)


マックス 役 / 青柳尊哉(あおやぎ たかや)
舞台上には二人しかいません。しかし、その向こうには沢山の素敵な仲間がいます。《僕らの創り出したその空間には、嘘のつけ入る隙がない》劇中のある台詞です。力強い愛情が、友情が、届きますように。そして、舞台上に残ったものが皆様の心に響き渡りますように。劇場でチーム一同お待ちしています。
マルティン 役 / 須賀貴匡(すが たかまさ)
マルティンを演じる須賀貴匡です。ナチス政権の台頭という激動の時代の中、友情も失っていく男の苦悩を往復書簡を通して描きます。私自身、3度目の出演となる今回は、余計なものを削ぎ落とし、より丁寧に毎公演を演じたいと思います。様々な年代の3チームでお届けする今作。 当然ですが、人が違えばまるで違う世界が立ち上がっています。1チームを観たら他の組合わせも気になるはず!何度も劇場に足を運んで頂けたら幸いです。
Cチーム(水田航生×鯨井康介)


マックス 役 / 水田航生(みずた こうき)
幕が開きました!あの時代に想いを馳せ、役者としてだけではなく、一人の人間としても学びや気付きが沢山あった稽古期間でした。過去から何を感じて、今を生き、そして未来へ進んでいけるのか。あの時代を生きた人を今日お客様の前で体現出来た事により、改めて感じました。Cチームは全9回!自分の核の部分からの言葉を誠心誠意発し、マックスという役の力を借り、この作品を日々生きていきます。劇場でお待ちしております!
マルティン 役 / 鯨井康介(くじらい こうすけ)
舞台『受取人不明』の幕がいよいよ開きました。稽古場から、演出家の大河内さんを中心に、偉大な先輩たちの背中を追いながらも、最高の相棒・水田航生と共に悩み苦しみ、時に大爆笑をしながらこの作品の渦に飲み込まれておりました。二人芝居という濃密な時間。皆様とこの作品を共有することで、お互いの心に“何か”が生まれるのではないかと。そう願っています。千秋楽まで、コウキマックスと共に駆け抜けますので、是非劇場に足をお運びください。ご来場心よりお待ちしております。
本作は7/21(月・祝)まで赤坂RED/THEATERで上演される。現代の日本にも強く響き、ふたりの人間ドラマが胸に深く刺さる本作。舞台美術や照明、効果的な音響・映像演出にも注目したい。
写真:友澤綾乃