youyo Birthday Live 2025|youyo インタビュー

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」穂波氷雨役、舞台「鬼滅の刃」胡蝶しのぶ役、超実写版「ライオン・キング」ヒロイン・ナラ役などで注目を集める門山葉子。彼女はオリジナル曲からカバー曲まで、さまざまなジャンルの曲を歌いこなすアーティストでもある。アーティストとしての活動名をyouyoと改めて約1年。落ち着いた空間でバラエティに富んだ楽曲を披露する『youyo Birthday Live 2025』を8月2日(土)に控える彼女に、アーティストとしての変化やライブの見どころを聞いた。

──これまで、俳優の時と同じ「門山葉子」名義で音楽活動も行っていらっしゃいましたが、昨年「youyo」名義に変更されました。そのきっかけから教えてください。

youyo 本名で俳優活動もアーティスト活動もさせていただいていましたが、役を演じる自分と、等身大で歌う自分を別の存在として分けて歌えたらいいなと思ったのがきっかけです。youyoという名前は小さい頃、祖母や母から呼ばれていたあだ名なんですよ。私は本当に小さい頃から歌うことが好きだったので、そんな原点を忘れないようにしたいなと「youyo」という名前をつけました。

──youyoとしてアーティスト活動をはじめてから約1年、変化は感じますか?

youyo 役を背負わず歌うことが増えたなと思います。先日出演したミュージカル『呼吸する島』でも、演出の浅井さやかさんから「葉子は歌っている時が一番自由だね」と言ってもらえて。これは自分のままで歌うyouyoという活動をしてきたからこそ得られた自由なのかなと思いました。作品によってはもちろん役の中で歌うことも必要なんですが、youyoで得た自由を活かすことでよりよくなる場面もあって。逆に舞台で身につけた表現力をyouyoとしての歌に活かすことも少しずつできるようになったと思います。

──俳優としての活動と、ミュージシャンとしての活動とのバランスがいい具合になってきているわけですね?

youyo そうですね。アーティストとして歌うときは、聞き手に委ねることを大事にしているんです。自分の気持ちを乗せすぎず、聞く人の思いを大切にする。でも俳優の時は役として気持ちを乗せる。そのバランスが楽しめるようになってきたかもしれません。youyoとして歌うときは、あえてテクニックを削ぎ落とすみたいなこともあるんです。

──今年も8月に「youyo Birthday Live 2025」が控えていますね。

youyo 昨年、JZ Bratというおしゃれな空間でyouyoとして初めてのライブを開催したんです。30歳という節目の歳に、ちょっとおめかしして行くような特別な空間でライブができて、本当に嬉しかったです。「youyoとしてこういう空間を味わっていただきたい」というものが表現できましたし、初めてご一緒するピアノ、パーカッション、コーラスの皆さんと一緒にできたことも嬉しくて。今年も同じJZ Bratで、信頼できるバンドメンバーと一緒にライブを作れるのが楽しみです。昨年に引き続きゲストの一人として大好きな野本ほたるちゃんも来てくれます。彼女は私にはない魅力を持った人。一緒に歌うことでさらに表現が広がるので、観てくださる方にも楽しんでいただけると思います。

──どんな歌を歌うかは決まっていますか?

youyo 春から「Birthday of J-POP」として、過去の名曲がリリースされた日にカバー曲をリリースしていくという企画を始めました。まだ披露していない楽曲もあるので、それを聴いていただけるのが楽しみです。今年はほたるちゃんの他に七木奏音ちゃんと佃井皆美さんという大好きな役者さんもゲストできてくださるので、三人と一緒に歌えるのも楽しみです。昼と夜の公演で何曲か変えようと思っているので、両方観てくださる方も楽しめると思います。

──youyoさんは、ミュージカルナンバーから昭和の名曲、現代のJ-POPまで、時代も国も性別も問わず、さまざまなジャンルの曲を歌われていますね。

youyo 歌であれば本当になんでも好きなんです。最初は母の影響で宝塚が好きになり、J-POPを経て中学生でアニメ文化に触れて主題歌をカラオケで歌い、高校生で洋楽に出会ってQUEENやWhitney Houstonの曲をずっと練習したり……。難しい歌ほど燃えるんですよね。だからライブでも、オリジナル曲はもちろん、いろんなジャンルを歌うので、飽きさせない自信があります! アップテンポの曲からスローなバラードまで、私なりの表現で聴いていただけるような構成にしているので、特定のジャンルしか好きじゃないという方にも、必ずどこかに引っ掛かっていただけるポイントがあるんじゃないかと。

──youyoさんにとって30歳という節目の歳が間もなく終わりますが、どんな1年でしたか?

youyo この1年、いい出会いがたくさんありました。去年の4月から今の事務所に所属したんですが、信頼できる方たちとたくさん出会えた気がします。みなさん、これまで自信のなかった部分を肯定してくれる人たちで、味方ってこんなにいるんだと思えるようになりました。ライブをしていても、私のやりたいことを一緒に楽しみながら応援してくださる方が少しずつ増えてくださっているのを感じます。長くやっていると、一度離れて戻ってきてくださるファンの方とかもいらっしゃるんですよ。私は一生、歌をやめることはないので、アーティストとして「youyoは歌い続けているんだな」とホッとできるような、変わらない場所になれたらなと思います。

──最後に、Birthday Liveにかける思いと、興味を持った方に一言をお願いします。

youyo バースデーライブのたびに一年を振り返って新たな気持ちでステージに立つことができます。自分を受け入れられるようになった30歳を経て、今年は31歳を楽しみに立ちたいと思います。私を知らなかった方も含めて、来ていただいた皆さんに「来てよかったな」と思っていただけるように準備していますので、ぜひ熱い夜を一緒に過ごしませんか。

インタビュー・文/釣木文恵