ミュージカル「Fate/Zero」~A Hero of Justice~|北園涼 インタビュー

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ミュージカル「Fate/Zero」の
後編が遂に上演!

人気ゲームの前日譚を描いた小説を原作とする舞台化作品の後編『ミュージカル「Fate/Zero」~ A Hero of Justice ~』が、9月より上演される。どんな願いも叶えるという聖杯をめぐり、命がけの戦いを繰り広げていく物語で、前編から言峰綺礼役で出演する北園涼は、本作に大きな手応えを感じているという。

「期待値の高い作品だと感じていたのでプレッシャーもありましたが、なんとか皆でそれを超えられたのではないかと。ご覧になった方からは、それぞれの役作りがかなり深いという感想もいただいたりして、とても嬉しかったですね」

Fateシリーズはさまざまなメディアミックスがなされているが、本作のミュージカルならではの魅力は音楽だと話す。

「坂部剛さんが作られた楽曲がすごく物語の世界観に合っていて、原作の世界にさらに広がりを持たせるような重厚感が表現されています。生演奏も入っているし、ミュージカルならではのショー的な要素もあって、そういう場面の一体感や生の音の響きは、劇場でしか体験できないモノだと感じています」

そしてもちろん虚淵玄が描いたストーリーも、多くの人々を惹きつける。

「僕は初めにアニメを見てから小説を読みました。一人一人にフォーカスする群像劇で、マスター側にも、サーヴァント側にもそれぞれのストーリーがあるから、どの人物にも感情移入出来る。聖杯を求める理由も、そこに至る過程もそれぞれなので、マスターとサーヴァントの間にもある種の対立があったりして、展開が気になりながら見続けました」

脚本、演出、作詞を務める西森英行とは、かなり細部まで丁寧に言葉を交わし、理解を深めながら稽古をしていったという。

「会話や気持ちの部分をすごく大事に作られる方ですし、照明の当たり方や奥行き感まで、客席からどう見えたら作品の世界を表現できるか、とても丁寧にビジョンを描いていらっしゃると感じましたね。稽古では、シーンごとに各キャラクターの立場や思惑を全員で把握して、コミュニケーションを取りながら作っていって。皆で共通の認識を持って、この「Fate/Zero」という一つの灯を大切に、誰一人間違って消すことなく最後まで繋ごう、というようなピンとした空気がありました」

北園が演じる言峰綺礼は、主人公の衛宮切嗣を追い詰めていく役どころ。聖職者でありながらも、らしからぬ本質を内面には秘めており、後編ではその本質に向き合っていくことになる。

「綺礼は、普通の人間とはかけ離れた人物に思えますが、僕自身はあまりそう感じていないんです。幸せの感じ方が多くの人と違っているだけで、すごく人間らしい。自分の中の許しがたい一面って誰しも少なからず持っているものだと思いますし、綺礼は正しくあるべき聖職者だからこそ、その面を強く否定していますけど、隠し通すことも出来たんじゃないかと。前編では異質さや歪さを感じさせるように演じたんですが、今は、もっと普通の人として演じてもよかったな、と思っています。後編では、ずっと自分を探し求めて苦しんでいた彼が、内面にあるものをさらけ出していく。ようやく解放できるので、綺礼が楽しそうに見えたらいいですね」

物語を完結まで描く本作。前編からさらに加速度を増していく物語に、北園本人も大きな期待を寄せている。

「切嗣との対決シーンはとても楽しみだし、会話劇としての魅力など前作の世界観は引き続き持ち続けながらも、さらに派手なアクションや強者同士の対決が待っています。どんな音楽とともにその世界が作りあげられるのか、ぜひ楽しみに待っていてください」

インタビュー・文/宮崎新之

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:2パターンあって、鹿児島の名産品が手に入る時は鹿児島の名産品。用意できない時はバターサンド一択です。バターサンドが嫌いという人はほとんどいないと思うので、すごく喜ばれることが多いです。

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

北園涼
■キタゾノ リョウ
ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの小狐丸役などで人気を博し、数多くの舞台作品に出演する。