シエナ・ウインド・オーケストラが2024年から開催しているニュー・イヤー・コンサート。2026年1月5日(月)に開催する「シエナ・ウインド・オーケストラ めっっっちゃ楽しい!!ニュー・イヤー・コンサート 2026」では、MC兼ソリスト・MARIA-E、パイプオルガン・石丸由佳を迎え、“福袋感”溢れるプログラムを届ける。「ブラバン・ディズニー」でもシエナ・ウインド・オーケストラと共演している、ミュージカル俳優・歌手のMARIA-Eに、コンサートの見どころや楽しみなことを聞いた。
――シエナ・ウインド・オーケストラという楽団やコンサートにどんな印象をお持ちですか?
ミュージカルに出演しているとオーケストラの方々とお仕事する機会は多いんですが、シエナさんは公演チラシの写真からもわかるように、すごく親近感が湧きます。客席との距離が近いというか、一緒に楽しんでいる感じがありますね。私自身、客席から見ていても、一緒に歌っていても、シエナの皆さんが本当に楽しそうなのがすごく印象的です。今回も絶対に楽しいだろうなと想像できます。
あとは、皆さんがすごく気にかけてくれて、フランクに話しかけてくださるのが嬉しいです。オーケストラの方って少し堅くて話しかけづらいイメージもあると思いますが、そんなことなくて。その中でもシエナさんは特に気さくで大好きです。
チラシの「イェーイ!」みたいな感じも最高ですし、タイトルの「めっっっちゃ楽しい!」もピッタリ。演奏しているときの表情も本当に楽しそうで、それがすごく印象深いです。
――ミュージカルやコンサートではオーケストラやバンドなど、いろんな編成で歌われています。吹奏楽に乗せて歌う楽しさについても教えてください
楽器にあまり詳しくないんですが、金管楽器が多いのが特徴ですよね。私は小さい頃からピアノやギターなどの経験はあるんですが、自分が触れたことのない楽器は遠い存在だったので、吹いている姿も音も珍しいです。でも、歌と同じように身体から繋がって音になっているので、似ている気がして興味はあります。じっと見ていると皆さん「触ってみる?」と言ってくれるんですが、吐いた息があんなにきれいな音になるってすごく不思議ですよね。
――今回はMCと歌で参加されます。何を歌うかお聞きしてもいいでしょうか?
MISIAさんの「君の願いが世界を輝かす」と「Melodies Of Life〜FINAL FANTASY」で、どちらもすごくいい曲です。
――その2曲の歌としての魅力はどこに感じますか?
「君の願いが世界を輝かす」は、ディズニー好きはもちろん、ディズニーに興味がなくても誰もが知っている曲ですよね。とても感動的な曲なので、バシッと決めたいなと思っています。「Melodies Of Life~FINAL FANTASY」については、私はゲーマーでFINAL FANTASY世代なんです。一番好きなのはFF10で、今回歌うのは9の曲なので、改めてゲームをプレイしています。ミュージカルでも、作品に挑む前に作品の歴史や背景をしっかり調べてから役作りするんです。「Melodies Of Life」はすごく世界観があって、聞いていると心が洗われるような曲なんですが、どうしてこういう曲になったのか理解するためには(ゲームを)プレイしなきゃと思って、すぐダウンロードしました。歌う頃にはこの作品をプレイし終えて、曲をしっかり表現できるようになっているんじゃないかと思います。
――個人的に楽しみにしている曲はありますか?
全部楽しみですが、『ライオン・キング:ムファサ』でヒロイン・サラビを演じさせていただいたこともあって、ライオン・キング・メドレーはやっぱり楽しみですね。(ライオン・キングは)小さい頃から好きな作品でしたが、演じたことでさらに好きになりました。今回はメドレーなので、どの曲が組み込まれるのかすごく楽しみです。「ウエスト・サイド・ストーリー」などのミュージカル曲、「モンスターハンター」も楽しみ。あとは石丸(由佳)さんがパイプオルガンを演奏してくださるんですが、生でパイプオルガンの演奏をしっかり聴いた経験もあまりないので楽しみです。本当にいいプログラムですよね。
――確かに、お子さんから祖父母世代まで楽しめそうなラインナップです
絶対ご家族で楽しめますよね。だからこその「めっっっちゃ楽しい!」なんですよね。ニューイヤーにふさわしい幕開けですし、2026年がいい年になりそうな選曲です。
――初めての方に向けて、吹奏楽のコンサートやご自身のアピールポイントはどこですか?
「コンサート」とか「オーケストラ」と聞くと、格式高くてピシッとしたイメージを抱いて不安になる方もいると思います。私もそうで、ちょっとドキドキします。でも、「大丈夫です」ということをまず言いたいです。
チラシに載っているみなさんの笑顔とタイトルの「めっっっちゃ楽しい!」から受ける印象の通り、みなさん本当に明るくて、「一緒に楽しもうよ!」という雰囲気です。それは私も同じで、喋っている様子を見ればわかると思いますが、ピシッとした感じでもなく(笑)、楽しいことが大好きで歌が大好きな人間です。最初は緊張すると思いますが、ぜひ気軽に来ていただきたいです。
――フィナーレではお客様も参加できる曲があるんですよね?
毎回思いますが、すごいですよね。観客のみなさんも「きたきた!待ってました!」って感じでやる気満々に参加されているので、可愛いなあと思います(笑)。「ブラバン・ディズニー」でMCと歌を担当させていただいた時、緊張していたのを忘れてしまうくらい楽しかった印象があるので、今回もさらに楽しいものになるんじゃないかと思っています。
――ちなみに、手拍子や家にあるちょっとした楽器での参加でも問題ないでしょうか?
もちろんです!身体も楽器ですし。手拍子でもいいし、指揮棒を持ってくる方もいるそうです(笑)。人数によってはステージ上ではなく客席や通路下などのスペースを使うそうですが、客席でも演奏できるので、あまり自信がなくても気軽に参加できちゃいます。普段は「音を出してはいけません」と言われるのに、みんなで盛り上がれるなんて最高ですよね。
――コンサートの話から少し離れますが、ご自身の活動についてもお伺いしてよろしいでしょうか。今年1年の振り返りについても教えてください
今年の予定としては12月末、TipTapさんの音楽劇『A Civil War Christmas』に出演します。南北戦争が題材のクリスマスの時期にぴったりな公演です。60人以上の登場人物を、少ないキャストで性別や年齢を超えて演じ分けるのですが、新しいMARIA-Eをお見せできるのではないか!?と思ってます。
私は音楽が大好きで、音楽がないと生きていけない人間なので、今年も音楽とすごく向き合った1年でした。
去年の12月に公開されたディズニー映画『ライオン・キング:ムファサ』のヒロインに選ばれて、そこからテレビに出演させていただく機会も増え、色々な場所でたくさん歌を届けることができました。自分の固定イメージがいい意味で変わったかなと思っています。
映画公開日にちょうど30歳になったので、今までの元気一杯なイメージから、少しお姉さんになった姿をファンの皆さんにも見ていただきたいなと。すぐに変わるのは難しくて、喋ると相変わらず元気で愉快な感じになってしまいますが、そのギャップも楽しんでほしいです(笑)。映画『ライオン・キング:ムファサ』やテレビ『ミュージカル合唱団(オールスター合唱バトル)』などのおかげでミュージカルファンの方以外にも知っていただけるようになったので、活動の場は今後も広げていきたいですね。ストレートプレイにも挑戦してみたいですし、声優ももっと経験を重ねていきたいです。あとはちょっと敷居が高いと思われているミュージカルや、今回のコンサートにあるようなクラシックも、身近に感じてもらえる懸け橋になれたらいいな、と思っています。
――ニュー・イヤー・コンサートが2026年最初のお仕事ということで、改めて意気込みや来年の目標を教えてください
まずはニュー・イヤー・コンサートをめっっっちゃ楽しんでいただけるよう、私自身も全力で楽しみながら、心を込めて一生懸命歌いたいです。
前回MCをした時は、昼公演に「こんばんは!」って言いながら入ってしまい、お客様が笑ってくれて救われました(笑)。今回はそんな失敗もないように。でも、同じようにあたたかいお客様ばかりだと思うので、緊張しすぎずに努めたいと思います。ほとんどの方が仕事始めの日だと思いますから、初日の仕事を終えてからシエナさんのコンサートに来て、一緒にギアを上げていきましょう!
目標としては、今年が種まきの時期だったので、少しずつ芽になって花が開くよう、コツコツ努力を続けたいです。でもやっぱり、大きな役やお仕事は掴みたい。そのためにオーディションなども頑張っています。お芝居はどうしても役に適した年齢があり、30歳というのは難しい年代なんですが、ガッツはある方なのでとにかく足掻いて、でも楽しみつつ、大好きな音楽と向き合いつつ、ストレートのお芝居にも力を入れてきたいなと思っています。あとはMARIA-Eという存在をもっとたくさんの人に知っていただくのが毎年の目標です。
――最後に、楽しみにいている皆さんや、コンサートが気になっている方へのメッセージをお願いします
年末年始って、「ちょっと食べ過ぎたな」とか、「仕事や学校に行くのが嫌だなぁ」と感じる時期だと思いますが、逆にどんどんギアを上げて、楽しい気持ちになれるコンサートです。2026年を一緒に、さらに楽しんでいこうという気持ちで来てほしいですね。
クラシックだけじゃなく映画音楽にミュージカル曲、ゲーム音楽やポップスもあって、音楽好きな方なら絶対に楽しめると思います。ご家族で来ていただいても、知っている曲が必ず出てくるので、ぜひ楽しみにしていてください。

取材・文・撮影/吉田沙奈
