想像を超える、
誰も予想できない一人芝居!
NHK連続テレビ小説『おむすび』や『しあわせな結婚』などの話題ドラマをはじめ、映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』では自ら監督を務めるなど、近年ますます多彩な活躍を見せる俳優・辻凪子。
次なる舞台出演作が待望される中発表されたのは、1月15日(木)にプーク人形劇場にて開幕する『辻凪子生誕30周年記念一人芝居公演「ドルフィ田イル香の偏屈なダンス」』(作・演出:長久允)だ。
30歳という人生の一つの節目で、俳優としての勝負作となる本公演。映画やドラマなど他の方面で活躍する彼女が、一人芝居を選んだ背景には、どんな思いがあったのか?
「やっぱり原点が演劇だからだと思います。中学生の時から母に劇場に連れて行ってもらっていたのですが、ある時に大阪のマウスピースリーという劇団の公演を観て……。おじさん三人が全力でふざけていて、めちゃくちゃ面白くてかっこよかったんですよ。そこから舞台に憧れてこの世界に入ったのが俳優として始まりだったので、30歳という節目に改めて原点に立ち返って、嘘をつけない舞台の上に生身の人間として一人で立とう、と思ったんです。“いつかは一人芝居をやってみたい”と思っていたので、勇気を出してこの挑戦を決めました」
本公演の作・演出は映画監督である長久允が手掛ける。辻は以前から長久とともに演劇を作ってみたいという思いがあったという。
「“誰もやったことのないことがやりたい”。そう思った時に真っ先に長久さんが思い浮かびました。以前から長久さんの映画が大好きで、ご一緒したいと願っていたんですよね。自分でも想像がつかない作品にして下さる予感がすごくあって…。なので、断られることも覚悟で思い切ってお願いしました。当初は既存戯曲の演出をお願いしようと思っていたのですが、なんとありがたいことに長久さん自ら『書きたい』と言って下さって。まさか書き下ろしまでしていただけるなんて思っていなかったので、本当に嬉しかったです。“長久さんの物語の中に入りたい”とずっと思ってきたので、その夢をよりよい形で叶えられたらと思います」
長久の書き下ろしとなる本作は、予想もつかない一人芝居となりそうだ。
「水族館から抜け出したイルカが人間の世界に行く話です。もちろんイルカの役なんて初めて!(笑)。もうこのあらすじの段階で私の想像をはるかに越えていて、誰も予想できない一人芝居になりそうで、稽古がすごく楽しみです。劇場は普段は子ども向けの人形劇などをやっているプーク人形劇場というところなのですが、外観からすごくワクワクする場所なんですよ。そこに行くだけでテンションが上がる場所ってなかなかないし、ふと子どもに戻ったような心地になる不思議な劇場です。お芝居と空間の化学反応も含めて楽しんでいただけたら!」
最後にこれまでの俳優生活を振り返ってもらい、今後の俳優生活への思いを聞いた。
「ミスタービーンに憧れて喜劇俳優を目指し、お芝居のことばかりを考え続けてここまできたのですが、理想はまだ遠くて…。でも、おばあちゃんになってでも必ず叶えたいと思っていますし、舞台は死ぬまで続けていきたい。一人で言葉に向かい、言葉を語って表現する。それは私にとって初めての挑戦で、正直怖さもあります。でも、今ここでこれをやらないと、“今の自分はこれだ”というものを見てもらわないと、この先の俳優活動で迷ってしまうのではないか、と思ったんですよね。30歳以降も俳優の道をしっかりと歩んでいけるように、まずは真っ直ぐこのお芝居に挑もうと思います」
インタビュー・文/丘田ミイ子
Photo/篠塚ようこ
【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:相手の人が驚くものをあげたいという気持ちがありますね。もう一つは自分が欲しいと思っているものや、もらって嬉しいものを渡すというのもありますね。それから実用性を考えて消耗品ということもありますし、見た目の可愛さも選ぶときは大事なポイントですね。
※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】
辻凪子
■ツジ ナギコ
映画、テレビドラマ、舞台と数多くの作品に出演。自身で監督・脚本・主演を務めるなどマルチな才能を発揮する。
