シアタートラム・ネクストジェネレーションvol.17-フィジカル- MWMW『どこにもない場所』上演決定!

独自のオルタナティブダンスで注目を集めるMWMWが 「シアタートラム・ネクストジェネレーション」に登場!

若い才能の発掘と育成を目的に、世田谷パブリックシアターで2008年から始まった「シアタートラム・ネクストジェネレーション」。17回目となる今回、ダンサー・振付家の高橋萌登が主宰するMWMWモウィモウィ)が、新作『どこにもない場所』を上演する。
高橋萌登は、幼少期よりクラシックバレエを学び、東京ELECTROCK STAIRSへの参加を経て、2013年に本格的にソロ活動をスタートした。パリやフィレンツェなど多くの海外フェスティバルからの招聘や、横浜ダンスコレクションEX2016のファイナリストに選ばれるなど頭角をあらわし、2017年にダンスカンパニー・MWMWを設立。クラシックバレエで培った身体性と、ストリートダンスの自由なムーブメントを自在に融合して独自のスタイルを追求し、MWMWならではのオルタナティブなダンス作品を発表している。時間や感情、身体表現の境界を軽やかに飛び越える多層的な世界観が国内外で注目を集め、2024年にはアメリカ・ニューヨークとチャタムの2都市でカンパニー初の海外ツアーを成功させるなど、今後のさらなる飛躍が期待されている。

ちょっと奇抜で、ちょっとユーモラスで、たぶん少し懐かしい——
“バキバキに踊る”新作公演!
ネット文化から広まった〈リミナルスペース〉の概念を軸に、 「ここでもない、あそこでもない」曖昧な場所と人とのつながりを描く

今回上演する『どこにもない場所』は、人の気配のない空間でありながら、妙な懐かしさや不安を感じる場所としてSNSなどで注目を集めている〈リミナルスペース〉をテーマに、「ここでもない、あそこでもない」曖昧な場所と人とのつながりを描く。 今作の上演にあたって、二度にわたるワークショップオーディションを開催。高橋をはじめとするMWMWのメンバーに加えて、ストリートダンサー、ジャグラー、俳優ら多彩な出演者が揃った。新しい才能の出会いと交錯が、観客を新たな世界へと導く。

人は未知のものに不安を覚えるという。
でも誰だって、最初は未知。 スクロールしているうちに忘れてしまうような現代に、身体を通じて「考える・感じる」豊かさを投げかける。
ちょっと奇抜で、ちょっとユーモラスで、たぶん少し懐かしい。
でもバキバキに踊ります。
ぜひ、ざぶんと飛び込んでみてほしい。

「シアタートラム・ネクストジェネレーション」とは

2008年から始まった、世田谷パブリックシアターが主催する若い才能の発掘と育成のための事業。公募により選出されたアーティストにシアタートラムでの上演機会を提供し、劇場が作品創作のサポートを行う。 これまでに、快快、ミナモザ、てがみ座、泥棒対策ライト、to R mansion、女屋理音(room. Onaya Rion)など数多くの才能を輩出し、若手アーティストの登竜門的存在ともなっている。2022年からは、多様な表現の中でより幅広い才能と出会うため、「フィジカル」と「演劇」という二つの視点で募集を行っている。

世田谷パブリックシアター芸術監督 白井晃:選出コメント

25年度に上演を行う「シアタートラム・ネクストジェネレーションvol.17-フィジカル-」に、高橋萌登さんが主宰するMWMWを選出した。
MWMWは、これからの身体表現の道筋を探しているように思える。ダンスの系譜の中で、クラシック、コンテンポラリー、ヒップホップの先にあるオルタナティブな表現を、自分たちの身体の中から掘り起こそうとしている。探り出そうとしているのは、身体の可能性ではなく、表現を求める心の可能性と言っても良いのかもしれない。だからこそ、実体がそこにあるのに、私たちが見ているのは、あたかも魂の動きのように思えてくるのだ。魂の揺れは劇場という閉じた空間の中に限定することなく、さまざまな場所を彷徨する。その浮遊感に私たちの心は導かれ、いつしか共に漂う感触を覚える。
振付、空間構成のみならず、音楽、映像まで手がける高橋萌登さんが、シアタートラムという空間の中で、MWMWの表現をどのように浮かび上がらせるか楽しみでならない。