演劇ユニットunrato(アンラト)は2026年8月、東京・東京芸術劇場シアターウエストにて、清水邦夫氏の『夢去りて、オルフェ』を上演する。
『夢去りて、オルフェ』は1986年、木冬社結成10周年・紀伊国屋書店創業60周年記念提携公演として上演され、松本典子氏が芸術選奨文部大臣賞を受賞した清水邦夫氏の代表作のひとつ。
昭和14年、北陸の酔ケ浜。火事で廃墟となった遊園地を舞台に、二・二六事件で逮捕され刑死した北一輝が生きていると信じる桂木一機と血の繋がらない妹・ぎん、その家族や友人たちをめぐる、戦争の記憶と幻想を、演劇ならではの文体でつづる美しい物語だ。
今回は1988年の木冬社での再演以来上演されていない幻の名作に、実績と実力を兼ねそろえた俳優が集った。桂木一機役に大石継太、ぎん役に朝海ひかるがダブル主演。ほかに、加納幸和、田野聖子、久保田秀敏、舞羽美海、平体まひろ、佐奈宏紀、小柳喬らが出演する。
上演決定に伴い、演出・大河内直子、大石継太、朝海ひかるからコメントが到着した。
コメント
大河内直子
幻の北一輝、父親への狂おしいほどの憧憬、敗れ去る夢、
第二次大戦に足を踏み入れ始めた1939年という時代。
生命を燃やした人々の焼け焦げた記憶。
ヒリヒリとした言葉の一つ一つがわたしたちに生きる覚悟を問う。
『夢去りて、オルフェ』、清水邦夫さんが刻む鎮魂歌。
敬愛する大石継太さん、朝海ひかるさんと共に新たな挑戦です。
信頼するスタッフ、キャスト総力戦で挑みます。
大石継太
僕の初舞台は、清水邦夫さんの『タンゴ冬の終わりに』です。この歳になって再び清水さんの作品に出会えた事とても感慨深い思いです。僕が20代の時紀伊國屋ホールで『夢去りて、オルフェ』を観た事を思い出します。清水邦夫さんの熱狂的かつ美しい詩的な台詞を飲み込み、平幹二朗さん松本典子さんの芝居に圧倒され、そして舞台上にある木馬が今も頭の中にあります。40年近く上演されていない名作『夢去りて、オルフェ』という高い山に登るのは、僕にとってとてつもないチャレンジですが、フルパワーで頂上を目指します。
ノスタルジックではなく今の僕達が演じるリアリティを探し、生命力を注ぎ込めるようキャスト、スタッフで稽古して行くのがとても楽しみです。
朝海ひかる
この度、桂木ぎん役を演じさせていただきます。ぎんは少々強がりな女性ですが、その奥には人恋しさや優しさがある人物なのだと、今の時点で感じています。
義兄・一機とのニ人の会話には、言葉に出来ない想いが行き交います。
温かくて切ない時間が表現されていて、清水邦夫さんの繊細な戯曲に心が動かされます。
大河内さんの優しくて確かな演出に身を委ね、皆さまに楽しんでいただける作品を丁寧に作ってまいりたいと思います。
劇場でお待ちしております!
あらすじ
舞台は昭和14年、北一輝を生んだ佐渡の対岸、北陸の酔ヶ浜。ここにはかつて遊園地があったが、昭和10年の大火後、放置され焼跡となっている。
中学の国語教師、桂木一機は北一輝を信奉していたが、彼が二・二六事件で死んだ後も未だに生きていると信じている。一機には父の再婚相手の連れ子・ぎんと、後に生まれた新子という妹がふたりいる。ぎんは東京で大部屋女優をしていたが、一機から『助けてほしい』という電報を受け取り故郷に帰ってきたのだった。
一方、陸軍少尉・中原紘市は上官の小桜大尉の夫人・夢野が一機と姦通しているという噂を知る。紘一の叔父で一機の親友だった巡査部長・中原源三は、夢野の家族らとともに一機を問い詰めにやってくるのだが。
一機とぎん、ぎんと夢野、夢野と鉄平と、それぞれの関係が絡み合っていき…。
チケットに関する詳細は、決まり次第ローチケ(webサイト)内でお知らせいたします。
