「お芝居を思い切り楽しみたい」
安達祐実がマギー演出で魅せる新境地
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の名だたる戯曲を、才気あふれる演出家が異なる味わいで新たに創り上げる〈KERA CROSS〉シリーズ。その最新作となる第7弾は、KERAの半自伝的な作品だという『シャープさんフラットさん』だ。
この戯曲を再び創りあげるのが、初演時には俳優として出演していたマギー。北アルプスを背にして建てられたサナトリウムを舞台に、悲喜こもごもの人間模様が繰り広げられる。そんな中にあって、元お笑い芸人役のマキタスポーツとのおしどり夫婦を演じるのが、安達祐実。彼女は近年、舞台でも大いに活躍している。
安達 演劇は、向いているかは分からないけど、好きだな、とは思っています。演劇は目の前のお客様と同じ空間である程度の緊張感を持ちながら、何時間も一緒に過ごす。その面白さに惹かれます。ちょっとずつ稽古を積み重ねて、みんなでひとつの作品を一緒に作るという楽しさもすごく感じていますね

安達が挑む『シャープさんフラットさん』はコメディ・タッチで、ひとクセもふたクセある人物が多数登場する。彼ら/彼女らのてんやわんやが話の要となっている。
安達 笑わせる演技、難しいですよね。今までの舞台でも、私がセリフを言ったらお客様が笑ってくれた経験はあるんですけど、それが、笑わせようと思って意図的にやっていることではなかったので不安で。今回、笑いを誘う台詞が散りばめられているから、ヒヤヒヤですね(笑)。そこは演出のマギーさんに委ねようかなと
マキタスポーツとの夫婦に関して、安達はどのようなイメージを抱いているのだろう?
安達 マキタスポーツさんのことを思い浮かべながら脚本を読んでいたんですけど、すごく愛おしい、ピュアな愛に満ち溢れた夫婦だと思いました。じんわりと夫婦愛が伝わってくる。気持ちがあったかくなっちゃう物語、涙が出てくるなあと思いながら脚本を読んでいました
キャスティングはマギーの意向もあり、マキタスポーツと安達の夫婦はかなり早い段階から決まっていたとのこと。確かに、絶妙な組み合わせと言えるだろう。ちなみに、演出家のマギーから見て、俳優・安達祐実の個性とか魅力はどのようなところにあるのだろうか。
マギー 安達さんが舞台で近年、主演としてだけではなく作品に対して彩りとか奥行きを与えているのを見て、いいなと思ったんです。あと、KERAさんの台本って、ここに来る前に登場人物が何をしていたかとか、数ヶ月経った後に何があったかをあえて省略して書かれることが多いんです。だけど、安達さんがその省略されてる部分を舞台に立つだけで感じさせてくれると思います。期待でいっぱいですね

初演との違いも気になるところだが、マギーは、初演と同じハードルを超えるつもりはまったくないという。
マギー よく、KERAさんの作品のハードルを超えるのは難しいですか?みたいなことを言われるんですけど、僕は前の作品とは違うハードルを超えるつもりでやるので、目指すものは別のところにあると思っています
安達 初演がとても好評だったとのことなので頑張らなければというのはあるけど、そこから解き放たれて演技してみたいです。もちろんプレッシャーもあるけど、こんな素敵な脚本と、マギーさんの演出を思い切り楽しみたいです。その渦の中に巻き込まれていって、自分がどうなるかが楽しみです
インタビュー・文/土佐有明
Photo/中田智章(安達祐実)
【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:
安達 差し入れですと「食べやすさ」です。皆さんが時間がない間でもちょっとつまめるような個包装のものを選びます。食べにくいものとかこぼれやすいものは避けるようにしています。私はお団子が好きなのでお団子があると嬉しいです。
※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】
安達祐実
■アダチ ユミ
大ヒットドラマ「家なき子」をはじめ、子役時代から数多くのドラマ、映画、舞台に出演する人気俳優。
マギー
■マギー
俳優、脚本家、演出家。多くのドラマや映画、舞台の演出、脚本を手掛けるほか、俳優としても活動する。
