写真左より)立道梨緒奈、唐橋充、川尻恵太、今立進、サツマカワRPG
脚本・ 演出家の川尻恵太が率いるMASHIKAKUによる約3年ぶりの新作コントライブ、MASHIKAKU CONTE LIVE Vol.4「ポイントバックキャンペーン」が4月に上演される。
“日常的によく目にする言葉三部作”の第一弾と位置づけられた本作。出演には川尻のほか、浅沼晋太郎、唐橋 充、サツマカワRPG、今立 進、立道梨緒奈、種﨑敦美と、おなじみの顔ぶれから初参加の面々まで、今回も多岐にわたるジャンルで活躍する出演者陣がそろった。
果たして今回はどんな“川尻ワールド”が生まれるのか。絶賛稽古中のカンパニーにインタビューを実施。MASHIKAKUの代表を務める川尻恵太のほか、皆勤賞の今立 進、初参加の唐橋 充、サツマカワRPG、立道梨緒奈に、稽古での手応えや意気込みを聞いた。
――稽古の進捗はいかがですか?
川尻 いまのところ、まだ雑談しかしてない。
今立 否定できない。
一同 (笑)。
川尻 こんな予定じゃなかったんだけどなぁ(笑)。僕が最初に「こんなのどうですか?」とテーマみたいなものを持ってきて、それをもとに雑談をしてまとめていくという形で進めていて、ようやく輪郭が見えてきたところですね。
唐橋 一応、川尻さんの沽券に関わるから言っておくと、雑談といってもネタの根拠を固めるための雑談で。例えば、「カラオケ」というネタだったら、「カラオケでバイトしたことある人、バックヤードのこと教えて」みたいな。
川尻 まあ、キャストは誰もカラオケで働いたことなかったんだけど。
一同 (爆笑)。
――完成形を100%として、今は何%くらいですか?
川尻 今は55%ぐらいかな?
今立 え、もう半分以上いってるの!?
川尻 いってるいってる。今日は「カラオケ」っていうネタを書いてきたんですけど、これが長いんです。今のままだとこのネタだけで30分あるんですが、あとは稽古しながら削ったり増やしたりしていきたいなと。

――どんなネタをやるのか、公演が決まった時点である程度決まっているんですか?
川尻 いや、何にもないです。
今立 そこは「ある」って言いなさいよ(笑)。
川尻 まだ作ってないんですが、タイトルの「ポイントバックキャンペーン」というネタはやろうと思っているので、そこは安心してください。ここ数日「カラオケ」に時間を取られちゃっていて。
唐橋 なんで「カラオケ」って思いつかれたんでしたっけ。
川尻 MASHIKAKUにはあらいふとしくんっていう音楽家がいるので、歌ネタをやりたくて。彼は呼んでなくても稽古場にくるので(笑)、歌を入れなきゃなと。
唐橋 そもそも、SUGARBOYとMASHIKAKUの違いってどこなんですか?
川尻 SUGARBOYはお芝居をやる企画、MASHIKAKUはコントをやる企画っていう軸です。
サツマカワ 作り方の違いとかはあるんです?
川尻 どっちも最初は雑談から始まるんだけど、こっちはみんながポロっと言ったことをネタに入れるようにしているかな。この前のサツマカワくんの「橋」にまつわる話も「カラオケ」のネタに入れたしね。
サツマカワ あの橋の!? 嬉しいっす。
川尻 橋って名前が書いてあるじゃないですか。同じ橋でも、漢字だと「橋(ばし)」なのに、ひらがなだと「はし」って書いてあって、それはなんでかっていう。
サツマカワ これ、言っていいですか。ひらがなでなぜ「ばし」と書かないかというと、濁らないようにするため、なんです。川だけに! ここ、ぜひ僕のアップ画像と一緒に記事のリード文で使ってくださいね。
今立 そこは編集部にお任せしなさいよ。
一同 (笑)。
川尻 これ、実はこのネタの結構重要なとこで。
今立 じゃあ、言う前に止めとけばよかったのに。言っちゃったじゃん。
川尻 まあ本番までに残ってるかわからないんで。これ読んで会場にいらっしゃって、橋のくだりがあって「あっ!」と思った人は立ち上がっていただいて。ローチケさんの記事を読んでくれた人たちだなと思っておきますので。
今立 斬新すぎる。
――今回また新たな3部作シリーズが始まるとのこと。前シリーズとの違いはありますか?
川尻 今までよりも変幻自在にやりたいですね。以前、サツマカワくんのイベント見に行ったら、60分間コントかイベントか、よくわからないのをやっていたんですよ。
サツマカワ やってますね。フリートークのイベント。
――そこからヒントを得た?
川尻 そうですね。ちょっとパクろうかなと。
今立 せっかくヒントって言ってくれたのに、パクるって言っちゃった。
川尻 パクってます。
サツマカワ まあ本人がパクるって言うならしょうがないか。
一同 (笑)。

――サツマカワさんのイベントがヒントになっているそうですが、初めてMASHIKAKUに参加してみていかがですか?
サツマカワ 普段ピンでやってるんですが、35歳を迎えて新しく演劇とかやってみたいなという気持ちがあって、1年くらい前に川尻さんにコンタクトを取らせてもらったんです。「出られそうな作品あったら声かけてください!」と言っていたら、本当に声をかけてくださって。で、やってきてみたら、どうやら演劇ではなさそうだなと(笑)。前提として、こういった作品づくりのスタンダードがわかっていないので、ただただ毎日楽しい思いをしています。
――唐橋さん、立道さんは普段は役者として活躍されていますが、初参加の感想をお聞かせください。
川尻 ここまで沈黙を守ってきた立道さん、どうですか?
立道 (笑)。こんな感じで、私は皆さんの雑談を聞いてることが多いんですが、本当に面白くて。半月後には本番が始まっているという想像はまだできないんですが、これだけ面白いから、なんとかなるだろうなという気持ちです。この前も、稽古が終わってから1時間半くらい雑談が終わらない日があって。
川尻 あった、あった! あの日ね。みんな帰るに帰れなくてぐったりしてたもんね。
立道 本当に全然、話が途切れる気配がなくて、途中からお菓子とか食べだして(笑)。でも、こうやってネタって生まれていくのかなと。普段の舞台作品ではできない経験をさせてもらっています。
――唐橋さんはいかがですか。
唐橋 お笑いのプロの方もいらっしゃるなかでのコントライブなので、怖いですね。稽古をしていても、皆さんのセリフを聞いていて「この人なら言いそう」って思うんですよ。いざ、自分の番になると「何、この説得力のなさ……」となっていて(苦笑)。プロに揉まれながら、49歳、頑張ります!
立道 いや、本当に超怖いです。マジで。
唐橋 そうだよね、怖いよね。
立道 ついさっきもらったネタも、正直「まじか……」ってなっていて。出た瞬間、捌けたいです(苦笑)。
川尻 多分、そのシーンは毎日、大喜利とかになるかも。
立道 舞台での日替わりシーンって本当に一言二言なので、こんなふうにスケッチブックを持って出るなんてことはないんですよ。なので、どうしようと思っています。
川尻 ダチさん(今立)は大喜利で「答えない」という逃げを許してくれないからね。
今立 実際は浮かんでなくても「あ、今浮かんだ顔しましたね」と振るんで。
立道 うわぁ~。怖い……。
川尻 本当は今回、大喜利やらないつもりでいたんだけど、やる流れになってますね。今回はサツマカワくんがずば抜けて強いです。
サツマカワ まあそうですね。月に何度も大喜利ライブとかやるので強いです。
川尻 なので、このバランスで最終的にどうなるのか楽しみです。
――今立さんはMASHIKAKU皆勤賞です。今作ならではだと感じるところはありますか?
今立 今回は日数を考えると、いつもより切羽詰まっているんじゃないですかね。まだキャストも全員揃って稽古できていませんし。でも、そこを皆で「どうにかしなきゃ」とやっていくのが、川尻の舞台のおもしろさなのかなと。
川尻 いろいろ決まってないけど、発注の締め切りが先にくるので、発注だけ終わってます。
一同 (笑)。
今立 まあ、これもいつも通りっちゃいつも通りですけどね(笑)。
――完成形が見えてくるのはこれからとのことですが、最後に川尻さんから公演を楽しみにしている読者へのメッセージをお願いします。
川尻 観終わった後に、「よくわかんなかったけど面白かった」と言ってもらえるような、カテゴライズできない形容しがたいものになればいいかなと思っています。ちょっと変わったものが観たいなって方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ遊びに来てください。
取材・文・撮影/双海しお
