舞台『ガチアクタ』│立花裕大&福澤 侑 インタビュー

アニメも大きな話題となった原作『ガチアクタ』が、2026年5・6月に東京・京都で舞台化される。

本作は、無実の罪で奈落へ落とされたスラム街生まれの少年・ルドの成長と戦いを描くバトルアクション。ルドを演じるのは今牧輝琉、奈落でルドが出会う掃除屋のエンジンを立花裕大、ザンカを福澤 侑が演じる。演出は植木 豪。

今回は立花と福澤にインタビュー。互いをよく知る2人だからこそ語れる、相手の見どころや作品の魅力、そして稽古での手応えを聞いた。

――稽古が始まって約1週間とのこと。手応えはいかがですか?

立花 まだ全貌は見えていないんですが、ここから面白くなりそうだなという予感しかありません。もちろんまだ探り探りですが、カンパニーの皆さんも気さくな人ばかりで、楽しくやらせてもらっています。

福澤 今回、ザンカは戦いが多くて、まだ苦戦しています(苦笑)。ザンカに限らず、原作やアニメでもアクションの描写が凄まじいじゃないですか。舞台版でも(植木)豪さんが忠実かつ迫力ある演出をつけてくださっているんですが、それを自分たちで表現するというのがなかなか難しいなと日々感じているところです。

――ルド役の今牧輝琉さんやリヨウ役の星波さんを含めたチームアクタはどんな雰囲気ですか?

立花 才能に溢れているし、稽古場でずっと努力している姿を見ているので応援したくなる2人ですね。現場で与えられている役割がそれぞれ違うので、チームで一緒にというより、それぞれが各々の目的に向かって日々頑張っているような雰囲気かな。

福澤 そうだね。話し合おうというより、それぞれが明確にやりたいものがあって、それを体現していく感じで。それがいい空気感になっているし、やりやすい現場です。

立花 原作の4人にもそういうところがあると思うので、すごくハマっていますね。

――お二人はこれまでもよく共演されていますが、今回、エンジンとザンカとしての共演が決まっての心境を改めてお聞かせください。

立花 侑がいてくれることに安心感しかないですね。あと、田中涼星と。本当に二人がいてくれてよかった。これ本心です。

福澤 まんま同じ気持ちです。

立花 侑とは何度も共演していますが、エンジンとザンカみたいな関係性の役を演じるのは初めてなので新鮮ですね。稽古していても、思わずちょっと笑ってしまいそうなこともあるくらい、楽しいです(笑)。

――立花さんから見て、エンジンはザンカのことをどう思っていると感じますか?

立花 エンジンは掃除屋の中でもザンカにかなり信頼を置いているので、頼れるやつだと感じているんじゃないかなと思います。なにかとザンカを立てたり、ルドの教育係に任命したり、かなり任せている感覚なので、本当に後輩として信頼しているんでしょうね。

――立花さんが福澤さんに向ける感情に近しい部分はありますか?

立花 似ているものがあるし、エンジンがザンカに置いている信頼以上に頼っているかもしれない(笑)。

福澤 いやいやいや(笑)。

立花 侑は飛び抜けた才能を持っているんです。稽古でも最近ダンスの振り入れがあったんですが、侑に相談することも多いし。本当に芝居だけでなく、ダンスも含め、頼もしい存在です。

――逆に福澤さんから見て、ザンカにとってエンジンはどんな存在だと思いますか?

福澤 ザンカにとっては、自分が挫折とかいろんな経験があった時に手を差し伸べてくれた人。プラス自分の能力を信じてくれた人なので、圧倒的な信頼感をエンジンに対して向けているんだと思います。僕自身としても、そんなエンジンを信頼している裕大くんがやっているからこそ、すんなりとザンカの気持ちになれるなと演じながら感じていますね。

――実際に演じてみて、ご自身の役への新たな発見はありましたか?

立花 稽古が始まる前から研究して持っていたイメージは基本的にそのままなんですが、実際に演じてみると、想像以上にエンジンは広く物事を見ているし、実はまだまだ思っていることがあるのかなという気づきが出てきて。それをどれくらい反映させるのかはこれから詰めていきますが、深みがどんどん増していきそうでワクワクしています。

福澤 とにかくエンジンへの信頼ありきで、嫌いだと感じたルドの教育係もやっていて。でもルドと一緒に過ごすうちに、彼の考え方も受け入れていく。そういうことも全部わかったうえで、エンジンはザンカに任せているんだろうなと感じています。しっかりとザンカの成長を感じながらやれていますね。

――では、お互いの芝居で意外な部分や新たな発見があれば教えてください。

福澤 エンジン役が裕大くんって知った瞬間から、自分のなかでイメージしていたものがあって、稽古でもそれがそのまま出てきたので「そうだよな」とすごく納得すると同時に「ありがとうございます」と(笑)。原作やアニメのエンジンを見たうえで、やっぱりぴったりだなと思いますし、裕大くんの存在感とエンジンの生き方がドハマりしているので、これはぜひ皆さんも舞台ならではのエンジンに期待していてもらえればなと思います。

立花 侑のザンカも本当に素敵です。侑の美しい所作がザンカにぴったりで。あと個人的に好きなのが、ザンカの方言!

福澤 (笑)

立花 かなり難しい方言だと思うんですが、それを侑がハツラツと発している姿がすごく楽しくて、劇場でもぜひ注目してほしいポイントです。

――植木さんが作り上げる舞台『ガチアクタ』の世界観は、どんなものになりそうですか?

立花 植木さんの言葉を借りるなら、まさに「総合芸術」が、日々できあがりつつあるなと感じています。

福澤 豪さんの作品の特徴なんですが、やりたいこと、見せたい絵は明確に決まっているんですよね。僕らがそれを理解して落とし込むまでに時間がかかるだけで。

立花 そうだね(笑)

福澤 セットや照明、映像が重なった瞬間、それこそ初日直前のゲネプロで、気づいたら100点の世界に自分がいるっていう状況が多くて、それまでは本当にハテナな部分もあるんですよ。でも、豪さんの言うとおりやれば、本番では最高にかっこいい自分になっているというマジックにかかる。今回も作品の世界観と豪さんの相性は最高だし、豪さんのやりたいことを実現できるメンバーが揃っていると思うので、今はまだ3割くらいしか全体像が見えていませんが完成形になんの心配もありません。

――お二人のお芝居の部分で注目してほしいポイントを教えてください。

立花 原作の一コマやアニメの画面に映っていないところでのやりとりは、僕らも楽しみながら作っているので、そこは演劇ならではの面白さとして注目してもらいたいですね。

福澤 僕は方言、頑張ります(笑)。

立花 そこになるよね(笑)。でも本当に侑の方言いいんですよ!

福澤 声優さんってすごいなと思いながら、ザンカとして生きるためにそこはしっかりとやっていきたいですね。あとは人器がそれぞれ個性的なので、そこの扱い方や戦い方含めて楽しんでもらいたいです。

立花 稽古では稽古用の人器を用意してくださっているんですが、稽古場にも続々と本番用の小道具が持ち込まれていて。クオリティがすごいです。

福澤 本当にすごいよね。

立花 なのでそこもぜひ楽しみにしていてほしいです!

――最後に公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。

立花 僕自身、稽古場で次々と新しい表現に出会ってびっくりしているので、きっと皆さんにもびっくりしていただける作品になるんじゃないかなと。原作を知っている方も知らない方も楽しめる、僕が本当に大好きなエンターテイメントな作品になっています。それがすごく嬉しいですし、これを皆さんに届けられる瞬間がすごく楽しみです。

福澤 豪さんの作る世界観はアトラクションみたいだなと思っていて、本当に僕は好きで。なので、遊びにきていただければ、舞台を観終わった頃には「いいものを観たな」とか「とにかくすごい乗り物だったな」といった感覚を味わってもらえると思います。原作ファンの方にも「よかった」と言ってもらえるクオリティに持っていくので、ぜひとも楽しみにしていただけたら嬉しいなと思います。

取材・文/双海しお

※稽古開始1週間後の取材となります。