稽古場レポ―ト|劇団スーパー・エキセントリック・シアター 創立40周年記念・第57回本公演 ミュージカル・アクション・コメディー「ピースフルタウンへようこそ」

2019.10.09

三宅裕司が座長を務める劇団スーパー・エキセントリック・シアターが今年、創立40周年を迎える。作品名は『ピースフルタウンへようこそ』。開幕が近づく稽古場に潜入。

東京都巷区(ちまたく)にある高級住宅街・青金台(あおがねだい)。治安が良く、オシャレな店が建ち並ぶ人気エリア。ある日、この街に小倉久寛演じる志賀内吹京(しがないふきょう)が、妻や子供たちを連れて引っ越してくる。彼らは青金台を参考にして、寂れた故郷・素裸無町(すらむちょう)を再興しようと目論んでいた。一方、三宅裕司演じる超富裕層(ことみゆうぞう)は巷区の区長。彼をはじめとするセレブな住民たちは、そんな志賀内一家を快く受け入れる。

小倉と三宅の冒頭のかけあいは、三宅の『幸せですか?』というセリフから始まる。この一言が、のちに物語がどのように展開されていくのかを想像させる。裕福な街と寂れた街の対立。40名強の団員たちはそれぞれの強烈なキャラクターを演じ、劇団の層の厚さを感じさせる。ダンス場面は圧巻。青金台VS素裸無町の若者同士の踊りの対決の場面は、様々なジャンルの踊りが次から次へと展開され、日頃の鍛錬のほどが伺える。男性・女性関係なく、ハードなアクションも多く含まれ、名のとおり、ミュージカル・アクション・コメディーが満載。

座長三宅裕司とそれを長らく支える小倉久寛のいつもの掛け合いも健在。彼らがスーパー・エキセントリック・シアターという船で私たち観客をどこに連れていってくれるのか、これは船に乗ったものにしかわからない。