東京・豊洲にオープンしたIHIステージアラウンド東京で上演中の劇団☆新感線『髑髏城の七人』、この秋9/15(金)からはいよいよ第3弾“Season風”が開幕する。豪華キャストが顔を揃える中で、<極楽太夫>を演じるのは、劇団☆新感線には初参加の田中麗奈だ。ビジュアル撮影を無事に終えた直後、作品への想いや、劇団☆新感線に感じる魅力などを語ってくれた。
――劇団☆新感線にはどんなイメージをお持ちでしたか。
田中「笑って泣けて感動して、いつも観に行くたびに最初から最後までずっとワクワクさせられっぱなしです。エンターテインメントのど真ん中をストレートで突き進んでいて、音楽も楽しいし、あのスピード感も大好きです。セリフも際どい面白さっていうか、「えっ、こんなこと言っちゃっていいの?」みたいなことでも思いっ切り言っちゃうから、それもまた楽しいし。出演されている役者さんも、ひとりひとりが本当に個性爆発って感じなので、観ていて本当に楽しいですね。」
――『髑髏城の七人』という作品については、いかがですか。
田中「これまで『髑髏城~』は映像でしか観たことがなかったんです。2004年版の『アカドクロ』と『アオドクロ』、あと2011年版の『ワカドクロ』。でも先日“Season花”の舞台を観ることができました。まずはあの、観客席がまわるという新しい劇場がすごかった! 最初は自分がまわっているのか、ステージがまわっているのか、よくわからなかったんですよ。自分たちがまわっているからといって、舞台の役者さんが止まっているわけではなくて、走っていたり動いていたりするし、その上スクリーンの映像も動いているから錯覚を起こしちゃうんですよね。行く前は、客席がぐるぐるまわっちゃったら芝居は観にくくならないのかな、大丈夫なのかな?なんてドキドキしていたんですけど、意外なほど自然にまわっていたので、その点は安心しました(笑)。」
――一回経験してみないと、あの感覚はわかりにくいですよね。
田中「本当にそうですよね。だけどやっぱり、ナマで観た『髑髏城~』は本当にカッコ良かったです!
――そういう時って、その次の次は自分もあそこに立つんだと思いながら観るわけですか、それとももう単純に観客として観るんでしょうか。
田中「私の場合はもう完全に、「あの太夫を自分がやるんだ」と思いながら観ていました。でも、あの裏側は果たしてどんなことになっているかは、客席からではわからないですけどね。こちらは優雅にまわっているけど、たぶん裏では相当バタバタ走りまわって大変なことになっているんだろうなあって思っていました。だって、さっきあそこにいた人がもうこっちにいるってことは、裏をギューンって走ってきたんだってこと?って(笑)。そういうことも考えながら観たので、より、役者さんたちを思いやりたい気持ちにもなりましたね。」
――今回の“Season風”のカンパニーも面白い顔合わせになりました。共演されたことのある方はいらっしゃいますか?
田中「松山ケンイチくんとは、NHKの大河ドラマ『平清盛』の時にご一緒しているんですが、同じシーンはなかったんですよね。撮影所で偶然会った時には、もうこの作品に出ることが決まっていたのでお話させてもらったりはしましたけど。向井理くんとは、まさに今、他の作品で共演中なんです。先に『髑髏城~』のほうが決まっていたんですけど、ドラマのほうでも向井くんと一緒になるなんて、ちょっと不思議でした。実は奥様とも仲良くさせていただいているので、本当にご縁があるなと思います。あとは、生瀬勝久さんとも以前にドラマで共演させていただいたことがありますね。」
――特に稽古、本番に向けて楽しみなことは。
田中「まずはやはり、初めていのうえひでのりさんの演出を受けられることですね。前からご一緒させていただきたいと思っていたので、本当に楽しみなんです。役者同士で情報交換をしているので、いのうえさんがどういう風に演出をされるのかという噂はいろいろ聞いてはいますけど(笑)。だけど、つまるところはお客様を喜ばせるということに全力をかけるのが劇団☆新感線だと私は思っていますので、そこに自分も参加することができ、お客様に喜んでいただけるお芝居ができたらきっとものすごくうれしいと思うんです。それが、一番の楽しみですね。」
インタビュー・文/田中里津子
Photo /村上宗一郎
【プロフィール】
田中麗奈 タナカレナ
1980年5月22日生まれ。福岡県出身。1998年に映画『がんばっていきまっしょい』で初主演。日本アカデミー賞新人俳優賞など、多数受賞。以降、『アキラとあきら』『真昼の悪魔』(2017年)などのテレビドラマ、『幼な子われらに生まれ』(2017年)『葛城事件』(2016年)などの映画、『きりきり舞い』(2014年)などの舞台等、数多くの作品で活躍中。劇団☆新感線には今回が初めての出演となる。