左:糠信泰州 右:山﨑晶吾
役者たちが本気で走り抜く!“ペダステ”の新インターハイ篇、遂に完結。
遂に勝者が決まる。舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇が完結を迎える。渡辺航によるロードレース漫画を原作に、西田シャトナーが演出・脚本を手掛ける舞台シリーズ。今作で14作目となる。主人公・小野田坂道を演じる糠信泰州は前作からシリーズに参加。初舞台にして初主演を務めた。
糠信「楽しかったです!でも大千穐楽の後は、アドレナリンが切れたのか体が動かなくなるほどでした。筋肉痛で階段が登れなくて、真波山岳役の杉山真宏くんに助けてもらいました(笑)」
小野田のチームメイトでエース・今泉俊輔を演じるのは初参加の山﨑晶吾。
山﨑「スポーツモノの舞台に出たことはあるのですが、試合シーンがなかったんです。この作品で、ようやくその先の風景を見られると思って、すごく楽しみにしています。“弱虫ペダル”はアニメにハマっていました。好きなキャラクターがレースから落ちていく時は辛くて……。箱根学園の荒北靖友と誕生日が一緒で、応援していました」
それぞれが演じる小野田と今泉は高校2年生。ふたりの属する総北高校・自転車競技部は、前年度優勝校というプレッシャーと戦いながらインターハイを必死に駆けてきた。今作では総合優勝が決まる3日目のレースが描かれる。
糠信「小野田が最も走る日なので、覚悟はしておかねばと思っています。不安もありますけど、今から体作りはしているので、最高の走りを見せたいと思います!」
2012年の初演から、ロードレースを体現する独自の演出が大きな話題となった“ペダステ”。多くの若手俳優がこの作品で全力疾走を見せ、次の世代にバトンを繋いできた。山﨑は同役を演じた経験のある和田雅成に「自分の限界が分かるようになる舞台」だと教わったという。
山﨑「先輩や後輩にも“ペダステ”経験者がいるので、色々アドバイスをもらっています。歴代の方から良いところはいただき、自分の解釈も深めていけたらと思います。僕は今までママチャリにしか乗ったことがないですけど(笑)、精神面も肉体面も今泉に近付けていけたら」
糠信も前任者や演出家との結びつきを明かす。
糠信「今だから言える話ですが、最初の頃は稽古場でなかなか上手くいかなくて。シャトナーさんからも“これじゃ小野田を任せられない”と言われていたんです。そんな時、前に小野田役を演じていた小越勇輝さんがスタッフさんを通じて応援メッセージの動画をくださったことがあって。本当に救われました!それから徐々にシャトナーさんとの絆も生まれ、最後にはお褒めの言葉もいただくことができました。うれしかったです!」
山﨑「話を聞く度に稽古が楽しみになっています。ちょっとドキドキはしていますけど、僕らはパズルのピースで、それをはめていくのが演出家さんの仕事なので、何かを言われるとしても当たり前。考えることもセッションも良いことだと思うので、今からやりがいを感じます」
糠信「前回、僕は何もかもが初めてで余裕がなかったので、今度はもっと“弱虫ペダル”という作品全体に目を向けられるように、ということを自分の中の課題としています。器用な方ではないので、掲げた目標に向かって頑張っていきます!」
レースシーンは役者が本気で走り抜く。西田シャトナーの演出と役者たちの汗がロードレースの疾走感を浮かび上がらせていく瞬間は鳥肌モノだ。ぜひ、このゴールを多くの人に見届けてほしい。
インタビュー・文/片桐ユウ
※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
糠信泰州
■ヌカノブ タイシュウ
’98年、東京都出身。舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~制・限・解・除(リミットブレイカー)~が初舞台、初主演作。
山﨑晶吾
■ヤマザキ ショウゴ
’92年、大阪府出身。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンの滝萩之介役、’20年4月にはミュージカル『薄桜鬼 真改』に沖田総司で出演が決まっている。
※初掲出時、糠信泰州さんと山﨑晶吾さんのプロフィールに誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。