ミュージカル『薄桜鬼 真改』相馬主計 篇 梅津瑞樹&松崎莉沙 インタビュー

【左】松崎莉沙【右】梅津瑞樹

熱い気持ちとともに“新たなる「薄ミュ」”が動き出す

 

待ちわびた桜が咲く。2021年春、ミュージカル『薄桜鬼 真改』相馬主計 篇の上演が決定した。 シリーズ累計100万本を超える歴史&恋愛ゲーム『薄桜鬼』を原作としたミュージカル=通称「薄ミュ」は、2012年から続く人気シリーズ。昨年4月、同ゲームのリメイク『薄桜鬼 真改』を原作に“新たなる「薄ミュ」”として披露される予定だった公演は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となった。 主演の梅津瑞樹は、中止の知らせを受けた当時を「全員、呆然としていました」と振り返る。

梅津「ですが、いつかはやれると信じていました。いろいろな方から“必ず、いつかやりましょう”と、お言葉をいただいていたので。これで終わるわけではないと思えてからは、目の前にあること、すべきことに集中していこうと。自分のスキルが磨かれれば、またこの作品を上演できるとなったときに還元できるとも思っていました」

蕾の状態で機会をうかがっていた今作。咲かせられる喜びに、雪村千鶴役・松崎莉沙は「とにかく嬉しいです!」と目を輝かせた。

松崎「自粛期間にも、お稽古場の動画を何度も見返していました。お稽古は約一ヶ月間、みっちりやっていたので、作品への想いや愛は消えようがなかったんですよね」

梅津「僕も気がつくと、お風呂で歌を口ずさんだりしていました(笑)。昨年の稽古時期は状況も不安定になっていく中で、歌とダンス、そして殺陣……と必死に詰め込む日々でした。夢の中でも刀を振っていたぐらいだったので、今回は落ち着きを持って稽古に臨めるのではないかと思います」

松崎「さらに深めていけるという嬉しさと、深めていかなければ……というプレッシャーがあります。演じるキャラクターとはまた一からの気持ちで向き合いつつ、周りの方々から発せられる熱をしっかり受け取って、関係性を深めていければ」

相馬主計は、新選組の最後の局長として知られる人物。今作ではヒロイン・雪村千鶴とともに、激動の幕末を駆け抜けていく。

梅津「この物語では、相馬主計は新選組の一人ひとりからバトンを受け取っていく意志の担い手。ただ受け取るばかりではなく、信念も持っている人物です。僕もこの仕事でいろいろなことを知って、それが己の価値観に上乗せされていっているので、自分自身と相通ずるものがありました」

松崎「今作の千鶴ちゃんは、主役に対してシリーズ初となる“先輩”の立ち場。本来の人柄と新しい一面の両方を上手く出していきたいです」


梅津は「虚構の劇団」で経験を積んできた注目の若手俳優。松崎は抜群の歌唱力を誇り、コーラスグループ「Roys」として活動してきた(現在休止中)。稽古では互いの長所を学び合い、芝居を作り上げてきたという。培われた信頼に、新たな意気込みが重なる。

松崎「全員がさらに熱い気持ちでこの作品に臨むと思いますので、カンパニーのパワーを感じ取っていただきたいです。“新たなる「薄ミュ」”を楽しみにしていただけたらと思います」

梅津「どこか止まっていたような時間と想いが、ようやく動き出した心地です。キャストが変わった役もありますが、勝手に気持ちを背負ってやりたいなと。懐かしく思い出す感覚も芝居に還元できればと考えていますし、その上で変化を純粋に楽しめればと思います。待ってくださっていた方々の期待に応えられるように頑張ります!」

 

インタビュー・文/片桐ユウ
Photo/山本倫子

 

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
梅津瑞樹
■ウメツ ミズキ ’92年生まれ。舞台『刀剣乱舞』シリーズをはじめ多くの舞台に出演。’20年には1st写真集『その丸木舟の行く先』を発売。

松崎莉沙
■マツザキ リサ ’96年生まれ。’21年、ミュージカル『薄桜鬼 真改』相馬主計 篇に雪村千鶴役で出演。