『抜け穴の会議室 ~Room No.002~』以来11年越しで佐々木蔵之介が主宰する“Team 申”の本公演がついに始動!!
朗読劇で上演した番外公演を除いて、2010年にPARCO劇場で前川知大が作・演出した第4回本公演『抜け穴の会議室 ~Room No.002~』以来、11年ぶりの本公演となる本作。20年に放送されたテレビドキュメンタリー番組「中国王朝 英雄たちの伝説」の第三章“過労に倒れた専制君主・雍正帝”の佐々木蔵之介による中国ロケが発端となっている。
清の第五代皇帝で、玉座に座ることなく執務室で毎日20時間働くほど勤勉で、最期は過労死との仮説が有力視される“雍正帝”。彼の埋もれた皇帝のユニークさに触れた佐々木蔵之介が、皇帝として規格外れなこの男の生涯を掘り起こし、光を当てて物語を紡いでいく。
脚本には、同ドキュメンタリー番組を制作し、“雍正帝”について詳細を調べ尽くした阿部修英。演出には、劇団桟敷童子の主宰で、テレビドラマ『めんたいぴりり』の脚本でも注目された東憲司。共演には中村蒼、奥田達士、石原由宇、河内大和ら実力派俳優が勢揃い!
<Team申(ちーむ・さる)とは>
お客様と緊密な距離で、息遣いまでも互いに感じられるような舞台を、今までご一緒したことのなかった新しい才能と共に創りたい、との思いから俳優の佐々木蔵之介が立ち上げた演劇ユニットが「Team 申」。
第一回公演『時には父のない子のように』(05)では、モダンスイマーズの蓬莱竜太を作・演出に、共演は佐藤隆太。翌06年の第二回公演は、作・演出に劇団イキウメの前川知大、共演に仲村トオルを迎えて『抜け穴の会議室』を上演。共に大好評を博した。比較的小規模だった第一回、第二回の本公演による大好評を受けて、第三回目は再び作・演出に前川知大を迎え、PARCO劇場にて『狭き門より入れ』を上演して、前川知大が09年の読売演劇賞優秀演出家賞、佐々木蔵之介が優秀男優賞を受賞するなど、さらに高い評価を得ている。
第4回公演は、やはりPARCO劇場にて前川知大作・演出の『抜け穴の会議室 ~Room No.002~』を、父と子と題材を変化させて故・大杉漣さんを迎えて公演を行った。その後Team申の番外公演として、東北大震災の起きた11年から市川猿之助や佐藤隆太ととも朗読劇を行ってきましたが、今回は久しぶりとなる第五回本公演として、中国皇帝という壮大なテーマに挑戦する。
コメント
《東 憲司》
「君子無朋」…孤独な暴君を描いた物語である。恐ろしき独裁者・雍正帝の血と涙の物語。この物語は三百年前の中国の話でありながら、現代日本に通じる人間の孤独と葛藤を浮き彫りにした戯曲だ。この演出の仕事を受けて身震いしている。
佐々木蔵之介さん、中村蒼さん、他三名の精鋭の俳優と組める喜び、きっとスリリングな稽古になるに違いない。孤独な男の狂気とロマン…ぞくぞくする舞台になる筈だ。そんな気がしてならない。
《佐々木蔵之介》
ドキュメンタリー番組での中国ロケがきっかけでした。
企画書には、「一国の頂点にありながら、大臣や高官をすっ飛ばし、223の地方末端役人と直接手紙で1日20時間、罵詈雑言のパワハラ指示を出し続け過労死した、中国歴代 00人の皇帝の中でも究極の独裁君主、雍正帝」肖像画は、くるくるパーマのカツラを被ったフランス国王ルイ14世風気取り。他にも数々のヘンテコ趣味のコスプレ画像あり。
撮影が進み、その「謎」「真相」に迫っていくうちに…この生き様を舞台にしたらオモロいかも??となり、旅の最後に阿部ディレクターに戯曲のオファーを。そのままの勢いで、桟敷童子の東憲司さんに演出をお願いしたところ、そのままの勢いで快諾してくださいました。そしたら、、、世界中が、こんなことに。
座右の銘に『君子無朋』と記した雍正帝。
己ひとり、覚悟と責任を背負い、国の未来を導いたユニークすぎる孤独なリーダーのお話です。
11年ぶりの自主企画本公演、無事に安全に愉快な公演であることを願うばかりです。
劇場で皆様にお目にかかるのを楽しみにしております!
Team申 佐々木蔵之介
《中村 蒼》
雍正帝。初めてその名前を聞いて歴史を見てみるとこの人の政治が無ければ今の中国は存在しなかったと言っても過言では無いのかもと思いました。しかし統治期間はわずか13年という短すぎる時間のせいで陰に隠れてきましたが今回雍正帝の人生が舞台化される事で、このとても人間的な皇帝の名が少しでも世に広まれば良いなと思います。暴君雍正帝と言われますがその人が本当は何を思い生きていたのか。是非劇場でご覧下さい。
あらすじ
18世紀の中国。主人公は歴代約200人の皇帝の中で最も勤勉、4時起床、24時まで1日20時間働き続け、「過労死」したと言われる清の雍正帝(1678-1735、在位1723-1735)。その駆け抜けた13年の治世、紫禁城に暮らした皇帝で唯一玉座に座ろうとせず、執務室に籠って、中央のエリート役人を無視して、地方の末端役人223人と2万通におよぶ手紙をやり取りし続けた。手紙にあふれる、およそ皇帝には相応しく無い罵詈雑言と叱咤激励の嵐。パワハラなどという概念を吹き飛ばすユーモア。
彼ほど生々しく国を導いた皇帝はいない。彼と役人とのスリリングでスピード感あるやりとりを再現し、さらになぜ雍正帝は過労死するほど働いたのか、人生の鎖となった「謎」も解き明かしていく。