新国立劇場の演劇『反応工程』幻の舞台稽古写真&演出・千葉哲也メッセージ到着!

2021.05.26

2020年4月の公演中止を乗り越え、2021年7月に上演!
フルオーディション企画第二弾。軍需指定工場で働く人々の葛藤を描く。

劇作家・宮本研が自身の経験をもとに、終戦前夜の軍需工場で生きる人々を鮮やかに描いた『反応工程』。フルオーディション企画・第2弾として2020年4月上演予定をしていたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発令のため、公演中止になった。できる限り遠くない時期での上演を目指し、調整をかさねたが、この度、全キャスト、全スタッフが再集結し、2021年7月の上演が決定!

小川絵梨子が芸術監督就任の際に掲げた支柱の一つ、「演劇システムの実験と開拓」として、毎シーズンに一本、全キャストをオーディションで選考し、作り手が新しい俳優と、俳優が新しい演出家と、劇場が新しい作り手たちと出会い、作品を立ち上げていく企画。

演出には、俳優としても演出家としても新国立劇場で多くの作品に携わってきた千葉哲也を迎え、2018年10月末より12月中旬まで6週間に及ぶオーディションを開催、多数の応募者の中から、14人の俳優が出演する。

あらすじ

太平洋戦争の敗色濃い1945年8月、九州中部にある軍需指定工場。戦前は染料を製造するためだった工場も、今ではロケット砲の推進薬を作り出す”反応工程”の現場となっている。 田宮、林、影山らの動員学徒も配属され、日夜、古株の工員らと共に汗を流している。勝利を信じる田宮だったが、勤労課の職員である太宰に戦争の本質を説かれ、禁書となっている本を渡される。そんな中、影山に召集命令が下り……。

 

演出・千葉哲也からのメッセージ

『反応工程』……そこにあるのは敗戦数日前の軍需工場という閉鎖された場所で、戦争に巻き込まれた人々の生活です。市井の人々には如何ともし難く、先の見えない大きな出来事に飲み込まれた時、人はどう変わり、行動を起こしていくのか。
この作品を上演するはずだった時から1年を経ても、世界は依然として混沌の中にあります。この事態に僕らはどう立ち向かい、どう考え、どう行動すべきなのか。
あの時よりもいっそう強い思いで、この作品に向かいたいと思います。

【2020年4月舞台稽古風景 撮影:宮川舞子】