『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST』キャスト・スタッフコメント、チラシビジュアル到着!

2021.11.02

2021年シーズン「冒」の掉尾を飾る、神奈川県内ツアープロジェクト

誰もが親しむアジアの古典『西遊記』をベースに、長塚圭史が書き下ろし演出する、神奈川県内の伝説を巡る冒険譚。劇場を飛び出し、神奈川県内6都市を巡演。

2021年度よりKAAT 神奈川芸術劇場では、新芸術監督・長塚圭史のもと、シーズン制を導入。春から夏をプレシーズン、秋からをメインシーズンと位置づけ、劇場に季節感とリズムを取り入れる。一年目のシーズンテーマは「冒」(ぼう)。飛び出す。はみ出す。突き進む。未知なる世界へと踏み出す勇気、既成概念を打ち壊す芸術の原点、「冒」。劇場の新たな船出にふさわしいテーマ「冒」のもと、多様なプログラムが届けられる。

シーズンの掉尾を飾る作品は、KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』。芸術監督就任後、長塚の初の書き下ろし新作です。<ひらかれた劇場>を目指して、劇場を飛び出し、より多くの神奈川県民の方々、これまで劇場に足を運んだことのない方々と出会うために、KAATで創作した作品を携え、神奈川県内6都市を巡演する。

「観客のイマジネーションを自由に広げることができる劇場は、どのような状況でも癒しや楽しみ、共感を得ることができる、人間の持つ原始的な能力が育まれる場だと思っています。一人でも多くの方にそのことを知ってもらいたい。」という長塚。芸術監督の任期5年間を通じて、KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクトに継続的に取り組んでいく予定。

また、公演と合わせて、長塚圭史と仲間たちによる演劇の魅力を伝えるワークショップや、各地の皆さんと街について語り合うトークイベント、レクチャーなどのアウトリーチ活動も積極的に行う予定だ。

 

『西遊記』に想を得た、時空を超えた冒険譚!

アジアが生んだエンターテイメント、古典中の古典として知られ、また多くのドラマ、映画、アニメ、漫画の源となり親しまれてきた『西遊記』の登場人物達(三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、馬)に見立てた一行が、天竺に向かう途中で、時空を超えて幕末の頃の横浜の港町に紛れ込んでしまう。行方不明になった猪八戒を探し、神奈川県を、西へ、あるいは北へ南へと辿りながら、天竺に戻る道を探す冒険譚を、長塚圭史が書き下ろし演出する。

 

独特の個性が光る俳優・アーティストが集結。

個性豊かで魅力的な出演者が集うのも本作の見どころの一つ。三蔵法師には、独自の存在感と確かな演技力で活躍する柄本時生、孫悟空には、ミステリアスな雰囲気で小劇場からミュージカルまで幅広く活躍する菅原永二、敵役は、圧倒的な身体と発声で数々の舞台・映画で多彩な役柄を演じている成河。そして馬役には、自然体な演技が注目を浴び、活動の幅を広げている佐々木春香。上演台本と演出を務める長塚圭史も沙悟浄役で出演し、フリーの演出家として近年活動の場を広げ、長塚からの信頼も厚い大澤遊が共同演出として参加。
さらに、自身の声や打楽器、言葉を用いて自由かつ繊細な音楽を紡ぐ角銅真実が作品に彩りを与える。

 

登場人物と設定

猪八戒
一刻を争うときにも関わらず、猪八戒は呑気でグルメなSNSを上げています。

 

三蔵法師(演:柄本時生)
思いがけず死の運命を背負った三蔵法師はセンチメンタルになり、何かと詩的に芝居がかります。
あるいはメソメソ、あるいは死ぬ人間に優しくしろとわがままを言います。また日本酒が好きになったこともあって、やたらと日本酒を所望します。

 

孫悟空(演:菅原永二)
師匠に死なれては叶わないので、県内の神様やら化け物に、蛇の名を求めて会いに行きまくります。悟空は三蔵法師のためならどんなことでもしますが、大きな悩みもあります。ほとんど最強の孫悟空はこの先のつまらない人生に怯えているのです。この冒険が終わることが何よりも怖いのです。
このスリルな旅が終わったら自分はどうなってしまうのか。師匠に死なれては旅も終結してしまいます。そうはいきません。

 

沙悟浄(演:長塚圭史)
沙悟浄は現代の利器である携帯電話に夢中です。やがて使いこなせるようになりますと、各地の情報を収集する貴重な情報源となります。時折電波が入らない時もありますが、その時にはいつも「こんなものに頼っていては妖力が下がる一方だ」と自覚するのです。

 

馬(玉龍)(演:佐々木春香)
玉龍(馬)は三蔵法師の寵愛を受けています。各地で直感的な感想を口にし、県内の様々な魅力を堪能します。少々ぼやんとしているので、一行が移動するときにいつも全体が待たされます。また時折、姿を消して三蔵法師を心配させます。

 

県内の人々・神々・妖怪ども(演:成河)
まずは田中平八、次に鉄砲塾の近隣住民など一行が出合う人々、各所の神々、妖怪など。日本と神奈川県そのものの役です。

 

長塚圭史 コメント

『冒険者たち 〜JOURNEY TO THE WEST〜』は、メインシーズン<冒>の「飛び出す、はみ出す、突き進む」の言葉通り、KAAT 神奈川芸術劇場を飛び出して、神奈川県内を巡演します。その名も<KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト>。

KAATはこの10年の間にたくさんのお客様にご来場頂き、演劇界に於いてはもはや誰もが知る劇場の一つとなりました。さらにここからは県の劇場として、もっともっとたくさんのお客様と出会いたい。まだ演劇と出会っていないお客様とも出会いたい。そういう強い思いを携えて県内各地にある劇場で上演を重ね、交流を深めていこうという、今年度より始まる目玉企画です。今回がこのプロジェクトの第一弾。今後も第二弾、第三弾と継続していきます。

『冒険者たち 〜JOURNEY TO THE WEST〜』の原作はあの『西遊記』。天竺へ向けて旅を続ける三蔵法師と孫悟空の一行は、どういうわけか道を誤り、時空までも超えて、神奈川県内に紛れ込んでしまいます。さらに困ったことには猪八戒は行方不明。どうやら県内各地で飲み食いに明け暮れているらしい。どうにか猪八戒を見つけ出し、天竺への道へ戻ろうと、一行は県内の昔話や言い伝え、そして神々や魑魅魍魎を相手どりながら西へ西へと進んでいきます。果たして無事に天竺への道のりに戻ることが出来るのか。KAAT がいよいよ新しい出会いを探して出発します。

今年度は、KAAT 神奈川芸術劇場を皮切りに川崎、相模原、大和、厚木、小田原、横須賀と県内6都市を廻ります。劇場でお会いしましょう。

 

大澤遊 コメント

「冒」の名に相応しく、神奈川県内を駆け巡るとても魅力的な旅の一行に入れてもらえたことがまず何よりも幸せです。一緒に旅をするにはどうも心許ない仲間達ですが、お釈迦さまにはならず、仲間と同じ目線で歩み天竺を目指せたらと思っています。あらすじはありますが、あらすじ通りいくなんて思っていません、旅ですから。何が起こるかわからない。どんな旅になるのか、僕も楽しみです。皆さまもどうぞ楽しみにしていてください。

 

角銅真実 コメント

冒険ってなんでしょう。

私はいつもソワソワ動いてしまいます。
手がソワソワ、足がソワソワ、目がソワソワ
自分でも気が付かないうちにソワソワ、ソワソワ
もしかして、心のどこかでいつも何かを待っていて、だから動かずにはいられないのかも。なんて思ったりします。
そしてそれは私にとっては十分冒険なのです。

これから始まるこの冒険を、そしてその先で出会うことすべてを、目一杯楽しみたいと思っています!

 

柄本時生 コメント

圭史さんに喫茶店でお会いして喋った時に芝居の話をしたのを覚えています。まさか呼んでもらえるとは思っていませんでした。かなり緊張していますが、頑張りたいと思います。

 

菅原永二 コメント

西遊記の一行が時空を超えて神奈川県各地を旅する話です。天竺になかなか着かないのはそういうことか。好奇心に満ち溢れ、謎や伝説に目がなく、困っているひとを見過ごせない愛すべきひとたちの寄り道を是非観にいらしてください。ひとではないか。終着したくないのかな?
神奈川の居心地がよほど良いのかもしれません。

 

佐々木春香 コメント

西遊記の話だと聞いて、私は女の妖怪役かななんて考えていたら馬役で、人じゃなくてびっくりしました(笑)。
また舞台は神奈川県と想像もつかない西遊記にワクワクしています。と同時に大きな舞台、共演者の方々、そこに自分が出ることに今から緊張をしています。
どんな三蔵一行なのか、馬はどんなことを考えているのか、稽古の中で探していけたらと思っています。

 

成河 コメント

長塚さんの作品には、15年前初めて出演させて頂いて以来ここまでなかなかタイミングが合わず、悔しい思いを募らせてきました。念願叶っての今回、新作書き下ろしと、劇場から街に染み出していくような多彩な試みに胸を踊らせています。頂いた資料には、日本と神奈川県そのものの役、と書いてありました。大好きな役どころです。頭と身体を研ぎ澄ませて、怪演揃いの共演者の皆さんと全力で、神奈川を、遊びたいと思います。