約1年ぶりとなる“ヒプステ”の新作、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.5- が、2022年1月7日に幕を開ける。今作で、舞台オリジナルキャラクターとして新たに登場するのが、通称“D4”。メンバーは、谷ケ崎 伊吹役・高橋駿一、有馬 正弦役・福澤 侑、阿久根 燐童役・岡野海斗、時空院 丞武役・後藤 大。稽古初日を終えたばかりの4人を直撃してみた。
──稽古がまだ始まったばかりということですが、稽古をしてみての感想はいかがですか?
高橋 今日は(ダンスの)振り入れも行いました。芝居の延長でやってみたりもしたんですけど、まだちょっと始まったばかりというのもあるので、正直これからどうなるのかな……という感じですね。ただ、かっこいい振りが入ったので、ワクワクしてます。
岡野 めちゃめちゃかっこいいですよね。とにかくすごく現場が楽しいです。全員で稽古するのはもちろんですけど、各自で練習している人もいて、すごく雰囲気がいいと思いました。僕は今日すごく不安だったんですけど、すぐに溶け込めて、安心感がある稽古場です。
後藤 本当に振付がものすごくかっこいいんですよ。役者ももちろんですが、ステージを盛り上げてくれるD.D.Bのみなさんが本当にかっこいい。ヒプステのダンスパフォーマンスを生で観られて、気分が上がりました(笑)。
福澤 (高野)洸が、ヒプステで「ここまで踊ることは今までなかった」と言ってたんですけど、それぐらいハイクオリティなダンスを立て続けに踊る……というパフォーマンスになりそうです。そういった意味でも、ダンスとラップ含めて、とんでもないものが出来るんじゃないかなという楽しみが増えました。やっぱり、D.D.Bのみなさんのレベルが違うんですよ。その方々と一緒にやれているのがうれしいですね。
高橋 世界レベルの方々はやっぱり違いますね。みなさんが作ってきてくださった振りを最初僕らに見せてくれたんですけど、見終わって自然に「ウェーイ」って拳が上がりましたもん。だからこそ、そのダンサーを引き連れて、エネルギーを全力で出さなくちゃいけない。すごく心地良いものを感じたと同時に、プレッシャーと言うか、気が引き締まった一日でもありました。
──岡野さん以外のみなさんは、他の舞台で共演されています。最初に会った時の印象はいかがでしたか?
岡野 一番年下なので、みなさんが包み込んでくれるんじゃないかな……って勝手に(笑)。僕はみなさんについていくぞって感じなので、いろいろ教えていただきたいですし、教えていただけるように頑張らなきゃって気持ちでいます。
高橋 確かに海斗と共演は初めてですけど、普通にスンって輪の中に入って来てましたね。すごく人見知りをする若い役者さんもいるけど、そんなことはまったくなく、人懐っこく来てくれるから僕も接しやすいし、可愛がれますね(笑)。
岡野 実は、“話しかけられ待ち”で、最初はちょっと待っちゃったんですけど、これは自分からいかないとダメなやつだって気づいて、話しかけました(笑)。
福澤 海斗は、お客様の前でお芝居をするのがほぼ初めてという話を聞いたので、僕らとはまた違う世界から飛び込んできた感じもあって新鮮です。新しい色が入ってくれることで、日常的だったものが一気に変わるから。今後、お芝居とか動きとかの作り込みも楽しみですね。
──みなさんそれぞれの役の魅力を教えてください。
高橋 谷ケ崎 伊吹(やがさき いぶき)は“D4”のリーダーではあるけれど、ある目的のために、群れているだけというか。バトルなどのパフォーマンスでは一体感があるけれど、各々持っている目的が違うので、協調性がある4人ではない。その微妙な関係性を上手く表現できればなと思っています。
福澤 僕は、なんですかね……(笑)。どう話していいか難しいんですけど、有馬 正弦(ありま せいげん)は一番ストレートなやつだなって思いました。ムカついたらぶっ飛ばしに行く。フットワークが軽いというのかな。そのへんを台詞にのせながら表現できたらなって。ただ、親分肌じゃないんですよね。どっちかというと特攻隊長的なタイプなのかなと(笑)。でも、熱量を持ってお芝居できるキャラクターだと思います。
岡野 僕が演じる阿久根 燐童(あくね りんどう)は、見た目に反して、実は一番悪いやつなんじゃないかって感じています。ほかの3人は見た目がすごくかっこいいけど、僕のビジュアルはめちゃくちゃ可愛くて、一人だけ雰囲気が違う感じもするけど、ヒプマイの世界を知っているファンの方のなかには、「実は、このキャラクターが一番やばいんじゃない?」と思っている方もいるのかなって。服装は可愛いけど、中身はヤバイやつ……というこのギャップをしっかり出していきたいです。
後藤 僕が演じる時空院 丞武(じくういん じょうぶ)は、「糖分」を摂取する部分……が一番見せどころかな(笑)。
高橋 そこが魅力です!(笑)。
後藤 全員脱獄犯で、何らかの理由で捕まったんだと思いますが、なぜ糖分を摂るのか……という背景も想像しながら観てくださったら、と。4人とも、それぞれキャラ付けするための“何か”をもっているので、そこはオリジナルキャラクターが可愛がってもらえるポイントにもなるかなと思っています。
──最初に脚本を読んで、どんなことを感じましたか?
福澤 (植木)豪さんの演出って毎回そうなんですけど、劇場に入ってみてわかることも多くて。稽古場で、豪さんの思い描く映像や構成を説明していただくんですけど、すごすぎてイメージしきれない。「こうなるんだろうな」と思っていざ舞台に立つと、その想像を超えてくる。それを知っているので、脚本を読んでみて、さらに楽しみになりました。豪さんへの信頼感もありますし今回の作品で、新しいヒプステをみせることができるんじゃないかなと思います。
──本番に向けて体調管理も欠かせないと思います。健康のために特別にやっている習慣などあれば教えていただけますか?
後藤 コロナ禍になってからいろいろ対策をしているので、風邪を引くこともなくなったから、このまま気をつけていけば大丈夫かなって。稽古場もしっかり感染対策が出来ていて、安心して芝居に集中できています。
高橋 僕は普段からアクロバットをやっているんですが、そのために特別筋トレをしているわけでもなく、稽古や本番がトレーニングになってます(笑)。舞台上の動きに演出がつくことで、体に負荷がつくので、それで自然に鍛えられていくって感じ。でも、稽古場ではマスクをして動くので、心肺機能は上がってるような気がしますね。
後藤 運動と言えば、僕は、毎朝ランニングしてます。5~10キロぐらい。以前はたまに走る程度だったけど、最近は毎日。走った後は頭がリフレッシュされて、すごく気持ちいいんですよ。
福澤 すげえ。5~10キロって何分かかるの?
後藤 ストレッチとかも含めて、だいたい30~50分ぐらい。朝8時ぐらいにランニングを始めて、その後、絵を模写して、お風呂に入って、稽古場に向かうっていうルーティンです。
福澤 いや、そのあと絶対寝ちゃうルーティンじゃん(笑)。
後藤 (笑)。だから確実に22時には眠くなる。質の高い睡眠は取れてると思います(笑)。
福澤 僕は昔からそういうルーティンがなくて。唯一、お水は毎日2リットル飲むようにしてます。体調もすごくいいんですよ。めちゃくちゃジュースとかお酒も好きだったんですけど、お水をたくさん飲むようになってから全然飲まなくなりましたね。だから、たまにファストフードで飲むジュースがめっちゃ美味しい(笑)。
高橋 それはわかる。僕もけっこうお酒が好きだったんですけど、コロナ禍でお酒を飲まなくなりました。そのおかげか、朝起きるのが楽だし、パフォーマンス後の身体のキツさも減った気がします。前は、稽古終わりにお酒を飲んで帰るなんてこともよくやってたけど、今はもう考えられない(笑)。海斗もすっごい何かやってんでしょ?
岡野 ……何もやってないです(笑)。僕はやっと、『ミロ』を飲み始めました。
後藤 やっとなの(笑)。
岡野 中学の時に『ミロ』が流行ったんですよ。周りの友だちとかスポーツやってる人がみんな飲んでて、「『ミロ』いいよ」って。それを、20歳になってやっと飲み始めました(笑)。
後藤 そういえば僕、完全食を始めたんです。プロテインみたいなタイプで、朝一杯飲めば、一日に必要な栄養素が摂れるっていうやつ。料理が苦手な方にもおすすめです!
福澤 いや、これなんの取材!(笑)
後藤 やばい、やばい。お酒飲みながらずっと話し続けちゃうやつ(笑)。
──脱獄犯のイメージからちょっと離れた内容になってしまいましたが(笑)、貴重なお話ありがとうございます。それでは最後に、みなさんへのメッセージをお願いします。
高橋 間違いなく、かっこよくて、面白くて、驚くような作品になると思います。“D4”のメンバーは、役者としても突出した特技をそれぞれが持っているので、それを役にのせて、舞台をかき乱してやりたいと思っているので、ぜひ観ていただきたいです。
福澤 僕たち4人、それぞれ得意分野があるチームなので、それを全面に出せたらいいなと思っていますし、個人的にも自分の武器を見せられるところでは全力でぶつけていきたいです。今までのお客様も含めて、このtrack.5で新しいものを感じていただけるように頑張りますので、楽しみにしていてください。
岡野 “ディビジョン”が付かない、“D4”という名前が個人的にはかっこいいなと思っています。アニメや漫画でよくある、悪役だけど人気がある“ダークヒーロー”を目指して頑張ります。
後藤 これまでも舞台オリジナルキャラクターとして、いろいろなディビジョンが登場してきましたが、今回の4人は個性も強く、ヒプステの世界にどう影響していくかというところに注目していただきたいです。そして、豪さんが面白い演出や見せ方を考えていらっしゃると思うので、track.5にも期待していただけたらうれしいです。
インタビュー・文/佐藤則子