舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世の徒花 伊崎龍次郎&大見拓土 インタビュー

【左】伊崎龍次郎【右】大見拓土

「圧倒的な美しさを伝える」(伊崎)
「演劇界にみんなで光を灯したい」(大見)

 

舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世の徒花の上演が2022年春に決定した。2020年夏に上演されるはずだったが、COVID-19の影響により新形態での上演に変更された演目である。当時、公開された「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花の記憶」は、ソーシャル・ディスタンスを保つために様々な対策と大胆な演出が凝らされ、役者たちが“しぐさ(=科)”と“せりふ(=白)”を尽くして熱演。コロナ禍での舞台作りを模索する演劇界の中で先駆けて披露された“科白劇”は、意欲あふれる傑作となった。獅子王役の伊崎龍次郎と篭手切江役の大見拓土は、前作をこう振り返る。

大見「向かい合っての芝居はほとんど無く、いつもだったら目を見れば伝わるところも相手の声から汲み取っていかなければならなかった。苦戦しましたが、いただく感想は有り難いことにとても好評で。気付かされたことも多かったです」

伊崎「脚本・演出の末満健一さんが考え出した方法はとても画期的でした。いろんな方を納得させる演出を生み出されていてすごかったですね。声の出し方、伝わり方などを再認識しましたし、当たり前だと思っていた芝居のあり方や、いろいろなもののありがたみを強く感じた公演でした」


名だたる刀剣が戦士の姿となった刀剣男士たちが歴史を守るために戦う『刀剣乱舞』の世界。今作の二振りは共に行動することが多く、演じているふたりも互いに対して強い信頼を寄せていたという。

伊崎「拓土はみんなを笑顔にしてくれるんです。おそらく本人は盛り上げようとしているわけではないんですけど(笑)。存在そのものが明るくて楽しくて、救いになっていました」

大見「僕も龍さん(伊崎)に何度も助けていただきました。誰もが下を向けない状況でしたが、龍さんは本当に一瞬も落ち込まなかった。その姿勢にすごく力をもらいました。限られた時間の中でも快く稽古に付き合ってくださいましたし……それと、獅子王が肩に乗せている鵺!公演後に別のお仕事でご一緒した時、龍さんが毎日スクワットされていたんです。理由を聞いたら“次回、鵺に耐えられるようにするため”だと」

伊崎「鵺、腰にクるんです(笑)」

大見「公演中はひと言も“重い”なんて言わなかったんですよ。一切弱音を吐かない上に、ちゃんと次に備える意識。カッコイイです!」


約2年越しに本来の形での上演が叶うとあって意気込みは充分。しかも当初より登場人物が増えるなど、さらなる見応えが期待される。

大見「“天伝”(「天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」)で太閤左文字が華やかに踊っていた場面が羨ましかったので、篭手切江や天正遣欧少年使節団の方々が踊るシーンがあったらな?と期待しています(笑)。“科白劇”以来、ずっと篭手切江のことを考えているので、その答えを舞台上で出せたらいいなと思っています。演劇界も明るくなった、とは言い切れない状況なので、あらためてみんなで光を灯したい。応援よろしくお願いします!」

伊崎「必ず前作を大きく上回ります!生身の僕が演じるからこその獅子王をお見せしたい。そして今作は“圧倒的な美しさ”を伝えることが使命なのではないかと思っています。細川ガラシャや刀剣男士の眼差し、つながり、想い。全ての美しさを“綺伝”のみんなで作り上げていきたいです」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
伊崎龍次郎
■イザキ リュウジロウ ’94年生まれ。大阪府出身。ミュージカル『テニスの王子様』3rd シーズンをはじめ、舞台やミュージカルを中心に活躍。

大見拓土
■オオミ タクト ’94年生まれ。青森県出身。近作は『終末のワルキューレ』~TheSTAGE of Ragnarok ~、ミラクルステージ『サンリオ男子~KAWAII Evolution ~』など。