主演のアダム・クーパーほか、英国のカンパニー53名による待望の来日公演!
約2年ぶりのミュージカル作品の招聘公演開幕に、大興奮の初日レポートも!!
2020年8月に英国の名門劇場、サドラーズ・ウェルズ劇場、9月に日本の東急シアターオーブで上演予定だった『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』が新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりを受けて中止となった。それから一年越しとなる2021年8月のサドラーズ・ウェルズ劇場公演を経て、遂に2022年2月2日(水)より、ようやく日本公演が開幕することができた。初演からの主演キャストで、はまり役でもあった主演のアダム・クーパーはこれが最後のドン・ロックウッド役となる。
スタッフ・キャストが十分な隔離期間を経て、万全の防疫対策を実施した上で実現した来日公演。東京公演は2022年2月2日(水)~2月13日(日)東急シアターオーブにて、大阪公演は2月18日(金)~2月21日(月)オリックス劇場にて上演する。
初日公演レポート
シアターオーブで、海外カンパニーを招聘したミュージカル公演が行われるのは、2020年1~2月の『ドリームガールズ』以来。この2年間、いくつもの来日公演が延期や中止を繰り返してきただけに、客席に着いても、まだちょっと信じがたい気分だった。実際、開演直前に陽性者が確認されて公演が中止になるケースも、内外で起きている。オーバーチュアが始まり、雨が降るカーテンコールまで、幸せすぎる時間が終わり帰途に着いたいま、「やっぱりあれは夢だったのでは」と心細くなってくる。そんな奇蹟のような公演だ。
客席でまず目に留まるのは、最前列から5列目までの黄色いレインウエア集団。アダム・クーパーらキャストが飛ばす水しぶきを浴びる観客のための、特製ポンチョ付きの席だ。防疫対策も兼ねた特等席で、真っ先に完売したという。
2月2日は、1月中の公演が中止になったため図らずも初日になったもので、初日を目指してやって来る気合い万全の観客層とは異なることを予想していた。が、主人公ドン(アダム・クーパー)、相棒のコズモ(ロス・マクラーレン)、新人女優キャシー(シャーロット・グーチ)3人による息がピッタリ合った変化に富む鮮やかなタップダンス・シーン「グッド・モーニング」が終わると、3人への拍手が止まらなくなった。あの表題曲場面を前にして、すでにショー・ストッパーの興奮。このすぐ後に雷鳴がとどろき、「いよいよくるな、14トンの雨が!」と気づかせワクワクさせる演出の流れも心憎い。雨のなか歌い踊るアダムが跳ね上げる水しぶきは、実に美しい弧を描き、まるで水芸のようだ。ただバシャバシャするのではない、計算し尽くされた水とのダンスに惚れ惚れする。
このアダムのドンを見られるのも今回が最後と思うと、一抹の淋しさに襲われるけれど、そもそも、ほとんど諦めていた公演が実現した事実の方が尊い。
醒めない夢の時間が明日以降も無事続くことを、心の底から願っている。
演出:ジョナサン・チャーチ 初日終演直後のコメント
日本に来ることができて本当にうれしいです。まさに今公演が終わったとところです。私はこのカンパニーを大変誇らしく思っています。イギリスで隔離をし、日本で隔離をし、日本での移動にはバブル方式を組みました。身体のコンディションを維持するために、大変な努力を強いられましたが、彼らはやってくれたのです。
そんな彼らも我々もこの公演の実現に尽力いただいた政府の皆さん、プロデューサーの皆さんにとてもとても感謝しています。日本で、東京で上演することは特別なことだったからです。心から感謝しています。
アダム・クーパー(ドン・ロックウッド役) 初日終演直後のコメント
(カーテンコールの後)本当に素敵な初日でした。初日を迎えられて、日本のお客様の前に立てて、本当にうれしく泣きたいくらいに感動しています。本当に信じられません。ここまでくるのにとても長い時間がかかりました。そして多くの経験をしながら、カンパニー全員が日本にやって来られました。日本の素晴らしいお客様の前に立つことができ、今、息を飲むほど感動しています。長い時間お待ちいただき、また会場に足を運んでいただきました日本の皆さん、本当にありがとうございます。
シャーロット・グーチ(キャシー・セルデン役) 初日終演直後のコメント
(カーテンコールの後)びしょ濡れです。本当に楽しい初日でした。この作品が再び公演できることが本当にうれしいし、お客様が本当に素晴らしかった。こんなにびしょ濡れになるのが楽しいと感じられる作品だったいうことをすっかり忘れていました。本当に楽しく、うれしい初日でした。ありがとうございます!