『貴婦人の来訪』開幕!舞台写真&演出家・五戸真理枝からのコメント到着!

2022.06.03

(左から) 秋山菜津子、相島一之

新国立劇場の演劇『貴婦人の来訪』は、6月1日(水)に初日を迎えた。

億万長者の貴婦人の「正義」の復讐により、貧しい町人達が全体主義的に仲間を死に追いやる「悲劇的喜劇」。
シリーズ「声 議論,正論, 極論, 批判, 対話…の物語」第三弾は、フリードリッヒ・デュレンマットの代表作『貴婦人の来訪』をお贈りします。1956年に初演された本作は、全体主義へと傾倒していった社会への痛烈なアンチテーゼとして話題を呼び、その後、世界各国で多くの演出家の手によって上演され、舞台のみならず、映画やオペラ、ミュージカルとしても上演され続けている名作。
議論を重ねた上での他者との対話が、人間関係にどのような影響を及ぼし、どのような社会を形成するのか。演出に、新国立劇場では『どん底』での大胆でユニークな演出も記憶に新しい五戸真理枝を迎え、お届けするシリーズ最終作に期待。

演出家・五戸真理枝からのコメント

遊び心であふれかえった『貴婦人の来訪』が出来上がりました。
戯曲に刻まれた人間社会への厳しい批判や絶望感は、舞台の上で、笑いや悲しみや楽しさ、美しさに変換されます。
デュレンマットが、そして今回のキャスト、スタッフの面々が、議論を重ね、正論や極論を超えたところにある解を真摯に探求した結果、人間批判をどんな舞台表現に昇華したのか。お客様に体感していただきたいと思っております。
これは、不安を抱え未来を疑いながら生きる人の心にも、深く共鳴しうる物語。
さて、ここからどこへ行きましょうかと、前進する、あるいはその場にとどまる元気をくれる物語だと感じています。
劇場で繰り広げられる対話に、是非ご参加ください。


 (手前左から) 秋山菜津子、相島一之(奥左から)福本鴻介、高田賢一、山野史人、山本郁子、田村真央

撮影: 宮川舞子