左から藤山扇治郎、渋谷天外、久本雅美
京都・南座では、令和5年1月2日(月・休)~1月9日(月・祝)まで、「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」を上演。11月5日(土)、松竹新喜劇の渋谷天外、藤山扇治郎、そして南座のお正月公演には欠かせない顔となった久本雅美による取材会が行われた。
――今回上演する演目について。
天外「『裏町の友情』は日常でもあるような話を題材にしています。ご近所さん同士で喧嘩して、仲が悪くて……と、どこかで聞いたようなお話。でもその心の根っこあるのは友情で、人情芝居のルーツのひとつでもあると思っています」
扇治郎 「『裏町の友情』は何度もさせていただいていますし、とても印象深い演目です。夢の中で天外さんが(劇中の)倉橋役で出てくるくらい。思い入れが強いので、また演らさせていただけるのがありがたいです」
久本「私が出演する『流れ星ひとつ』は女性が主人公で、今まで(の松竹新喜劇の作品)とは少し違ったお話ですが、根底にあるのは松竹新喜劇らしい人情のお話です。女性の愛らしさや恋の切なさが表現されていて、女性目線で共感できるシーンがあります。そこをユーモアもありつつ、うまく表現できたらなと思います」
――Aプロ、Bプロともに松竹新喜劇を初めて演出する演出家を迎えることについて
天外「以前、製作陣と道頓堀橋で演劇について熱く語りあい、やはり、松竹新喜劇を次の世代につないでいかないとあかんという話になりました。だから、今回は(初めての演出の方に入っていただき、)新しい風を吹かそうと思っています」
――来年がうさぎ年なので、飛び跳ねるうさぎにかけて「来年、飛び越えたいこと」(うさぎ型のパネルで披露)
天外「 「コロナで増えた体重を落として飛び跳ねたい!」コロナを患ってから、すぐ息があがるようになってしまったが、少しずつ回復しているところ。健康第一です」
扇治郎「「松竹新喜劇で日本中を跳び回りたい」今年は(祖父・藤山寛美の)三十三回忌追善でたくさん公演をさせていただきましたが、また地方でも公演できるように、頑張りたいです」
久本「 むしろ誰でもいいので、私のところに飛び込んできてほしい」『流れ星ひとつ』もそういったお話ですが、私もそろそろパートナーがほしいなあと……。(小学生新聞の小学生記者に向かって)でも今日運命の出会いを果たせました。笑」
笑いが絶えない和やかな取材会で、公演が待ち遠しくなるひとときだった。
「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」は来年の令和5年 1月2日から9日まで。Aプロ『裏町の友情』、Bプロ『流れ星ひとつ』を上演。各部とも、お芝居の終演後、渋谷天外・藤山扇治郎・久本雅美による「新春ご挨拶」を行う。