演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續-|太田基裕インタビュー

© CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社 © Nelke Planning co.,ltd.

漂う“何か”を劇場で感じてほしい

演劇調異譚(えんげきちょういたん)「xxxHOLiC」 -續(ゾク)-が4月に上演される。人気創作集団CLAMPによる、シリーズ累計発行部数1,450万部を超える人気作『xxxHOLiC』を原作として、オールメイルで舞台化し話題を呼んだ公演の第二弾だ。続投となる壱原侑子役・太田基裕は「独特な世界観の中で演じていくのは非常に自身の美学を問うたし、その世界に没入できたのは非常に贅沢な経験でした」と前作を振り返る。


「衣裳も和洋様々ありましたので、姿勢や体型維持、ビジュアル面で気を遣う点が多かったです。“壱原侑子”としての説得力の追求や、それを導き出すための内面の構築などは難しくもあり楽しかったですね。衣裳、ヘアメイクチームなどと意見を出し合い、総合芸術として捉え、自分自身も高め合いながら演じたいと心掛けていました」

太田が演じる主人公・壱原侑子は強大な魔力を持ち、願いを叶える代わりに同等の対価をもらう“ミセ”を営む。わがままで気まぐれだが姉御肌の美女だ。


「続編が決まった時は、前作に多くのお客様が足を運んでくださったお陰であることに感謝しつつ、ピリッとした緊張感が生まれました。侑子さんに認めてもらえるように精進しなければと。稽古を重ねて奥行きや味わいを深めていきたいと思っています。すべてのセクションで世界観の構築を追求すれば、きっとさらにステキな作品になると思います!」

アヤカシを惹き寄せる体質を治すために“ミセ”を訪れた高校生・四月一日君尋を演じる阪本奨悟他、多くのキャストが続投。


「四月一日はお客様に寄り添う大切な人物だと思います。人間臭くないとお客様との壁ができてしまうし、繊細でありながらもコミカルさが必要。非常に難しい役どころだなと思いますが、阪本さんは器用なので何でもできてしまう。でも前作の時は、たまに出る不器用さがとてもステキだったんです。今作でもそんな瞬間がたくさん見られるといいなと勝手に思っています(笑)。前作キャストの皆さん全員、緊張感や責任感がしっかりとある方ばかりで、非常に刺激的だったと同時に助けられてばかりでした。今作も引き続きの方、そして新しいキャストの方と作品を共有出来る事が非常に楽しみです」

不思議な魅力があふれる作品。太田は「なんだか人間のお話なんだけど、遠い異次元のような気もする」と原作の感触を述べ、舞台との親和性を語った。


「漂う“何か”を感じる作品だなと思います。“何か”は、読者が各々想像するような……例えば匂い、だったりもするでしょうし。その『xxxHOLiC』が“演劇調異譚”となった時、僕は劇場空間との相性が良かったという感覚がありました。舞台上と客席の広い空間の中で、漂うモノが目に見えたり、見えなかったり。それは劇場に来たお客様が想像し、共有し、感じ取る事ができるモノ。非常に興味深いと感じました。応援してくださり、望んでくださったお客様のお陰で実現した第二弾公演。ぜひ劇場で“何か”を感じていただけたら。お待ちしております」

インタビュー&文/片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載

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【プロフィール】

太田基裕
■オオタ モトヒロ
’87年生まれ。ミュージカルや舞台を中心に活躍。近作にミュージカル「キングアーサー」、舞台『呪術廻戦』など。