東京芸術祭 2023 芸劇オータムセレクション 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』開幕コメント&舞台写真到着

2023.09.05

東京芸術祭 2023 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』 撮影:細野晋司

東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』が、東京芸術劇場 シアターイーストにて、9月1日(金)に開幕した。
開幕にあたり、木ノ下裕一(監修・補綴)、杉原邦生(演出・美術)、出演のリー5世/武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)、坂口涼太郎/富樫左衛門(とがしのさえもん)、高山のえみ/源九郎判官義経(みなもとのくろうほうがんよしつね)のコメントと舞台写真が到着!

開幕コメント

木ノ下裕一/監修・補綴

木ノ下歌舞伎の『勧進帳』は「境界線/ボーダー」をテーマに再構築しています(それは原作中にある「人目の関」というワードが発想の元なのですが)。物語の中では、敵と味方、主人と家来、そして出自の違いなどいくつものボーダーに、登場人物たちは直面します。私たちもまた、実社会の中で思想や属性、性差や経済状態などたくさんのボーダーの中を生きています。そう易々と越えられるものではないこともよく知っています。
舞台上の弁慶や義経や富樫の姿を見ていて、「たとえ越えられなくても、寄り添うことはできるんだな」と思いました。悪しきボーダーは無くなるに越したことはありませんが、その第一歩として、他者との間にあるボーダーをつぶさに診て、寄り添おうとすること。その勇気とやさしさが、皆さんの心に届くといいなと思っています。

杉原邦生[KUNIO]/演出・美術

2023年版『勧進帳』が劇場に立ち現れた様を観て、この作品の持つ〈チカラ〉を再び感じられている自分がいます。2016年初演のリクリエーション版から基本的な演出プランの変更はありません。それでも、今回の上演はいまの僕にとって新たな挑戦です。心から信頼するキャスト、スタッフとともにこの挑戦に挑めていることが誇らしいです。古典の、そして、演劇の〈チカラ〉を劇場で体感してください!皆さまのご来場お待ちしております。

リー5世/武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)

木ノ下歌舞伎の『勧進帳』はとても面白い作品で、忘れられない舞台になることは間違いないです。是非、見に来てください。
舞台上で使われる日本語は現代語なので、安心してください!
『勧進帳』を初めて見る人でも楽しめます!
『勧進帳』を知ってる人は更に楽しめます!
私たちが作り上げた作品をとても誇りに思い、私がこの作品を見るたびに楽しむぐらい、皆さんにもこの作品を楽しんで頂きたいです。
劇場でお会いできるのを楽しみにしています。

坂口涼太郎/富樫左衛門(とがしのさえもん)

生涯やり続けたいと思えるこの作品を同じ仲間と、そして新たな仲間と今お届けできて幸甚です。
『勧進帳』はボーダーラインを挟み、暴力ではなく言葉と知性で戦う物語です。
ボーダーラインを作るか作らないか、越えるか越えないかはいつも自分で決めるもの。
戦争や差別や暴力に対抗する一番の武器は知性と理性とユーモアだという願いと教えが込められたこのキノカブ版『勧進帳』は百年後に古典として受け継がれるような名作だと思っておりますが、私達には今しかございません。
日常というボーダーラインを越えて、是非劇場でボーダレスへの第一歩を目撃しにいらしてください。

高山のえみ/源九郎判官義経(みなもとのくろうほうがんよしつね)

2023年版、開幕しました。
歌舞伎ですし、時代も違えば、身近に起こる出来事でもないのに、キノカブ『勧進帳』の道のりは舞台上の道に乗っかっている気さえする。そんな私たちの”今”を観にきてください。
木ノ下さんの言葉を借りれば、心を込めて臨みます。

舞台写真

尚、本公演は、9月24日(日)まで、東京芸術劇場 シアターイーストにて上演され、その後、沖縄、上田、岡山、山口、水戸、京都と巡演を予定している。

【全国ツアー日程】

[沖縄公演] 9月29日(金)~10月1日(日) 沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場(特設客席)
[上田公演] 10月7日(土)・8日(日) 長野・サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 大ホール(特設客席)
[岡山公演] 10月14日(土)・15日(日) 岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 小劇場
[山口公演] 10月21日(土)・22日(日) 山口・山口情報芸術センター スタジオA
[水戸公演] 10月27日(金)・28日(土) 茨城・水戸芸術館 ACM劇場
[京都公演] 11月4日(土)・5日(日) 京都・京都芸術劇場 春秋座 (特設客席)