2008年4月に初演。コンパクトかつ濃密な劇空間で繰り広げられたロマンティック・ミステリー「レベッカ」。初演から10年の今年、満を持しての3度目の日本版公演が決定。乃木坂46のキャプテンとしてアイドルの活動をしながら、映画や舞台などにも出演する桜井玲香が「わたし」役で出演する。
――「レベッカ」出演について
桜井「今回東宝ミュージカルに初めて出演させていただききます。ミュージカルの発声などまだまだ足りないことはありますが、素敵な機会を頂けたと思っているので、自分なりに頑張りつつ、楽しんで出来たらいいなと思っています」
――前からミュージカルへの出演は希望されていたのですか?
桜井「ミュージカルを観るのはすごく好きなんですが、出演するのは夢のまた夢と感じていて。これから先もお芝居のお仕事をし続けたいという夢があるので、その中で1回くらいはミュージカルに出演できたらいいなと思っていましたが、こんなに早くお話をいただけたので、最初は『準備が整っていない!』と戸惑いました」
――普段の乃木坂46での活動と舞台との違いは?
桜井「アイドルはやっぱり憧れの存在でいなければならないし、常にキラキラ笑顔でかわいらしい姿を見せなければいけない。お芝居になると綺麗なものだけじゃなく、負の感情とか汚い感情も見せないといけない。アイドルだとそういう姿はなかなか見せることがないので、自分の全てを解放出来るという点では、舞台はある意味リラックスして出来るのかも知れません。これまでの舞台では悪役や闇を抱えている役など、普段のキラキラしたアイドルの姿は微塵も感じさせない役が多かったので、ファンの方には毎回『驚いた』『誰を観ているのか分からない』と言われていました。」
――「わたし」に持っているイメージは?
桜井「「わたし」は純粋な中から、どんどん強くなっていく女性です。私自身、小さい頃から強い女性像に憧れがあったので、「これはまさに私の憧れている人だ!」という印象を受けました。小さいころから白雪姫やシンデレラより、ポカホンタスやムーランなど、自ら立ち向かっていく!というプリンセスに憧れていて、今でもドラマや映画を見ていてもそういう女性に憧れます。「わたし」にもそういう前向きな女性というイメージを持っています」
――トリプルキャストということについては?
桜井「トリプルキャストなのはありがたいと思っています。大塚千弘さん・平野綾さんというミュージカルで活躍されているキャストの中に私が入ることになるとは思っていなかったので、最初は焦りの方が大きかったですが、これから一緒にお稽古していく中で、自分の個性は出しつつ、素晴らしいお手本となるお二人の姿から、色んなものを学んでいきたいです」
――桜井さんの個性はどういうところですか?
桜井「普段アイドルとして活動しているので、音楽という、普段やっていることがひとつの武器として使えることが、本業として女優をされているお二人とちょっと違うアプローチで表現出来る部分なのかなと思っています。年齢が一番下なので、バランス的には背伸びした方がいいのかと思いますが、それでも幼さが垣間見えてしまうかと思います。ですが、それが個性としていいスパイスになればと思っています」
――今後どういう風になりたいですか?
桜井「アイドルは色んなジャンルのお仕事をさせていただけるので、どういうものと決めずに色んなことに挑戦させて貰っています。その中で、演技とはまた別に続けられるものがあれば続けていきたいとも思っています。映像の仕事も好きですが、舞台にも魅力を感じているので、どちらかに偏るのではなく、どちらの演技も出来る役者になりたい思います」
――最後にメッセージをお願いします!
桜井「今回出演が決まった時に、色んな方に『レベッカに出るのね』とお声を掛けていただいたり、『初演が好きでした』というファンの方もいらっしゃって、多くの方が期待されていることを感じています。前回から衣裳もキャストも新しくなっているので、初演の頃の魅力も追いつつ、今回の良さを上乗せして、さらにパワーアップした、ミュージカル「レベッカ」をお届けさせていただければと思っています」
インタビュー・文・撮影/ローソンチケット