舞台『モブサイコ100』~裏対裏~が今週9月13日(木)から天王洲 銀河劇場にて幕をあける。本作はWEB漫画界最強の人気を誇る漫画家「ONE」による同名原作を舞台化したサイキック青春グラフィティ。また、本公演は2018年1月に上演された舞台『モブサイコ100』の続編となる。今回は、そんな舞台『モブサイコ100』~裏対裏~の稽古場で行われた通し稽古の模様をレポートする。
超能力者ではあるが、ごく平凡に生きようとする影山茂夫=通称“モブ”の日常と成長、そして怒りの感情が100%を迎えると巻き起こる“覚醒”が醍醐味の本作。影山茂夫(モブ)役を演じるのはテレビアニメ「モブサイコ100」でも同キャラクターの声優をつとめた伊藤節生が前作に続き続投。また、河原田巧也、松本岳、星乃勇太、末永みゆ、なだぎ武、そして馬場良馬も引き続き出演となる。
通し稽古前、各出演者はリラックスした様子でストレッチをしたり、流れを確認。モブ役の伊藤も共演者と場面の展開を確認しながら、ときおり弾けるように笑い合う姿が見られ、リラックスした伊藤の姿が印象的であった。前回公演の出演に際しては、伊藤自身初舞台ということもあり緊張のコメントを残していたが、今回は若干リラックスしているようだ。
本公演では、嫉妬、コンプックスといった負の感情が登場人物を苦しめ、結果、意外な人物が鍵を握る戦いに巻き込まれていく。詳しいことは楽しみにしておいてほしいが、前回公演と同じように、脚本・演出の川尻恵太によるアナログとハイテクのコントラストが光るサイキックな演出には注目だ。
出演者も前回同様にキャラクターの持ち味をふんだんに活かした演技で、稽古場では常にスタッフ、出演者の笑い声が漏れていた。
特にエクボ役のなだぎ武や、霊幻新隆役の馬場良馬、徳川光役の星乃勇太はさすがの場まわしで、キレや独特の間、ギャップのある役の演じ分けで稽古場に笑いの渦を起こしていた。さらに米里イチ役の末永みゆが紅一点、「モブサイコ100」の世界に華をそえ、影山律役の松本岳がまじめでどこか影のある弟役を好演。
本公演で初参加となる鬼瓦天牙役の大海将一郎や郷田武蔵役の兼崎健太郎は役のイメージをそのままに、新たな存在感を放っていた。また、舞台『モブサイコ100』~裏対裏~の新たな人物として出演する神室真司役の平田裕一郎やショウ役の永田聖一朗、桜威役の神里優希、誇山役の和成、密裏賢治役の平尾健蔵は新しい展開の重要な人物であるから要チェックだ。
他にも、脳感電波部や肉体改造部の面々も息のあった仕上がりで、「モブサイコ100」の世界を大いに盛り上げる。伊藤を中心とした座組み一同のグルーヴィーな掛け合いをぜひ劇場で体験していただきたい。また、息を呑むような激しいアクションシーンもあるのでそちらも楽しみにしておいてほしい。
これまでの魅力とこれからの期待に胸が高鳴りっぱなしの通し稽古であった。今回は見ることができなかったが、本番で用いられる映像演出は観客をさらに壮大なスケールの世界へと誘うだろう。
笑い、アクション、感動が詰まった舞台『モブサイコ100』~裏対裏~を見逃さないでほしい!
取材・文/大宮ガスト