喜怒哀楽という人間の感情をフルに使う。テーマは「開放」
望海風斗がドラマティックコンサート第2弾『Hello,』を開催する。昨年はブロードウェイ・ミュージカル『DREAMGIRLS』や『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』などに出演し、圧倒的な表現力で第30回読売演劇大賞優秀女優賞、第48回菊田一夫演劇賞など数々の演劇賞を総なめにした。普段ミュージカルを中心に活躍するからこそ、コンサート開催には特別な思いがあるという。
「望海風斗がどういう人なのか、どんなふうに楽しんでいるのかという姿は、コンサートなどの個人活動でないとお見せできないので、第2弾開催が嬉しいです。信頼するチームで、前回を上回る舞台を作るべく、準備を進めています。私はやはり生で歌うことがすごく好きなので、その日に来てくださったお客様に向けて、その時に感じているものを歌にのせて表現することを大切にお届けします」
望海の様々な表情に目を奪われるメインビジュアルは、喜怒哀楽をテーマに撮影。コンサートのテーマは「開放」だ
「以前に比べ少しずつマスクも外せたり、コロナと共存していく時代になってきましたが、誰しもこの数年で凝り固まってしまっている部分があると思うので、喜怒哀楽という人間の持っている感情をフルに使って、少しでも解放されて息が吸いやすくなったら。客席と舞台の境界線をなくして、開放して、一緒になりたいです」
ミュージカルはもちろん、ポップス、宝塚の曲など、幅広い楽曲で構成される。東京公演には上原理生が、大阪公演には朝夏まなとが、1日ずつゲスト出演する
「上原さんとは『イザボー』で共演しましたが、作中にあまり楽しいことがない関係性なので、楽しい歌を一緒に歌えたらとお願いしました。朝夏さんとは宝塚時代から本当に仲良くしていただいています。舞台女優の先輩でもあり、お互いいろいろなミュージカルにも出演しているので、どういうものをお見せしたら喜んでいただけるか考えています。ゲストの方がいらっしゃらない日も、きっと喜んでいただけるものを用意しているので、どの回も楽しんでください」
作品を重ねるごとに進化を続けている望海は、自身の歌声の変化をこう分析する
「前回はまだまだ到達できないものに対して挑戦していくコンサートでした。昨年の宝塚歌劇雪組 pre100th Anniversary『GreatestDream』のときに男役の歌声に戻ったりもして、頑張って女性に戻らなければと思わなくてもいいのかもしれないと感じたんです。その思いもあり、宝塚時代の曲も増やしました。女性としての歌声、今だから歌える男役時代の歌、どちらもできるのが自分の個性でもあり、その色が強く表れると思います」
様々な楽曲との出会いの中で心が震えた経験を聞くと、『ムーラン・ルージュ』の「YourSong」を挙げた
「ユーミンさんが訳詞されましたが、英語で聞き馴染みがある曲を日本語にしても違和感がなく、そのメッセージが届くことに心が震えました。毎日歌ってもらい、自分も歌うことが幸せで。言葉一つひとつに込めた気持ちが、日本語であることで変わったり、言葉選びがやはりすごいんだなと。先日ユーミンさんのコンサートに伺って、その言葉を浴びてみんなが元気になるんだなと感動しました。私は曲を生み出す人間ではないですが、だからこそ、いろいろな方の曲を使わせていただいて表現できたらと思います」
最後に楽しみにしている方へメッセージを聞いた
「ジャンルレスでいろいろな歌を歌い、踊りもあり、ダンサーさんもたくさん出演してくださいます。楽しい時間になるようにというのが絶対的なテーマなので、ぜひ劇場に足を運んでいただいて、開放する時間になればと思います」
インタビュー・文/岩村美佳
※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
望海風斗
■ノゾミ フウト
宝塚歌劇団雪組トップスターとして活躍。2021年に退団後、舞台やミュージカルを中心に活躍中。