月刊「根本宗子」第16号 愛犬ポリーの死、そして家族の話 根本宗子 インタビュー

結婚、信頼とは?10周年を目前にした集大成

 

根本宗子が主宰を務める劇団、月刊「根本宗子」の最新公演『愛犬ポリーの死、そして家族の話』が12月20日(木)から大晦日の31日(月)まで下北沢・本多劇場で上演される。本作では、信頼という言葉をキーワードに「結婚」にまつわる家族の話が描かれる。

根本「四姉妹のお話で、かわいがっていた愛犬・ポリーの死をキッカケに、青山美郷さん演じる四女が結婚に対して真剣になるところから物語が始まります。私が、結婚を意識する年齢になってきたからか、他人と家族の信頼を築くのって凄いことだなあってつくづく思うんです。それに、信頼関係っていったん崩れるとそれを修復するのがとても大変ですよね。例えば、もし夫の浮気が発覚したら、夫はあの手この手で信頼を取り戻そうと頑張りますよね。一方、妻は、もう一度夫を信じようと努力する。この二者の働きのうち、もう一度信じようとする妻の働きの方がヘビーな気がするんです。だからこそ、夫は必死になって頑張ってほしい、でないとフェアじゃない。今回はそんなお話になると思います(笑)」

出演には青山三郷の相手役として、根本が長年ファンであった「大人計画」そしてパンクコントバンド「グループ魂」のメンバー・村杉蝉之介が出演する。

根本「村杉さんには四女が溺愛してた犬と、結婚相手役の二役を演じていただくのですが、青山さん&村杉さんのカップリングは相当面白いと思います。それと、今回は私が作った演劇史上一番、場の展開が激しい作品になるかもしれません。まあ、蓋を開けてみたらワンシチュエーションの舞台かもしれませんが……(笑)」

来年で劇団発足10周年を迎える根本にとって、本作は節目の作品にもなる。千秋楽の大晦日には、終演後のカウントダウンイベントもあるようだ。

根本「近年は“エンタメ”と“日常劇”の中間を目指して作っているような感覚があって、『愛犬ポリーの死、そして家族の話』はそういったバランス感覚の集大成になると思います。カウントダウンイベントに関してはただのお祭りです(笑)。本編終了後にイベントを開催して『10周年を目前にここまできましたよ』という千秋楽を迎えられればいいなと思っています」

 

インタビュー・文/大宮ガスト
Photo/村上宗一郎

 

※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります


掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

 

【プロフィール】
根本宗子
■ネモト シュウコ 主宰する月刊「根本宗子」では、すべての公演で脚本・演出を務める。また、テレビドラマ・ラジオでも活躍。