6月29日(月) 赤坂大歌舞伎の製作発表が行われた。
登壇した、中村勘九郎さん・中村七之助さんのコメントを一部ご紹介。
中村勘九郎さん
父が残してくれた財産の一つである、赤坂大歌舞伎を今年も上演できるという喜びでいっぱいです。
赤坂という土地、ACTシアターという劇場は、シアターコクーンや、パルコ劇場とは違って、歌舞伎座で上演している演目を演出を変えずにできるという貴重な劇場です。そこで今回『操り三番叟』と「お染の七役』という2つの演目を選びました。歌舞伎の初心者から、また歌舞伎を普段から良く観てくださいっているお客様まで楽しめる演目になっておりますので、どうぞよろしくお願い致します。赤坂という土地柄、初めて歌舞伎をご覧になるお客様も多いと思います。そこで初めてみた演目がつまらなかったら、今後足を運んでもらえません。また、自分自身も古典を大切にしたいという想いを父から受け継いでいますので、その中でもわかりやすいものはないかなと考え『操り三番叟』という演目にしました。この『操り三番叟』はおめでたい舞踊の一つで、五穀豊穣を祈った踊りです。それに「操り」がついていますので、コミカルになっていて、肩の力を抜いて観ることができます。『お染の七役』の前菜のような(笑)存在になればいいなと思っています。
中村七之助さん
また赤坂の地に戻ってこれたこと、本当ににうれしく思っております。今回は、ある意味挑戦だと思っております。これまでも観ていてわかりやすく面白い演目だったんですけど、今回は、古典です。2作品とも古典を選びました。この赤坂大歌舞伎という公演が何をもってして“成功”とするかはわかりませんが、もしこの古典作にご好評をいただけたら、今後「ACTシアターではこんな演目もできるんだ」という可能性が広がる公演だと思っています。ですので、一生懸命千秋楽まで気を引き締めてやらさせていただきます。演目選びはすごく悩みました。皆で集まって話し合って『お染の七役』という演目を選びました。最大の見どころは、早替えではなく、7役の演じ分けです。ストーリーも特にないんです(笑)では何を見せるかといったら、やっぱりその年代や性別の違う役々を自分の中で、どう演じ分けるかというよりも、どうその役になっているかというところが重要だと思っています。今回、この演目を上演することで、ACTシアターに花道を付けられることもわかりましたし、本当に今後の可能性が膨らむ公演になるのではないかと思っています。