『ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉』稽古場レポート

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いよいよ8月7日(金) 東京・パルコ劇場で幕を開ける新キャストでの『ウーマン・イン・ブラック』。昨年の『皆既食-Total Eclipse-』(蜷川幸雄演出・シアターコクーン)で初舞台にもかかわらず高い評価を得た岡田将生と、斎藤晴彦からのオールドキップスのバトンを受け取った実力派・演技派の勝村政信が、オリジナル演出家ロビン・ハーフォードのもとでさらにクオリティを高めて上演する。開幕を間近に控えた稽古場から、さらに本番への期待が高まるレポートが到着。この夏、最も恐ろしい感覚をぜひ『ウーマン・イン・ブラック』で体験してほしい。

 

稽古場での最終稽古を終え、岡田将生と勝村政信を前に「とても良いリハーサルができた」と安堵の表情を浮かべた演出家、ロビン・ハーフォード。実は稽古開始直後、ロビンは不安を抱えていたという。『ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉』の日本語版は1992年の初演以来、6回すべてを斎藤晴彦という名優と作り上げてきた。萩原流行、西島秀俊、上川隆也と共演者を変えてきたものの、斎藤の存在はロビンにとって大きかったのだ。そして7年ぶりとなる日本語版上演はキャストを一新、ロビンが不安に思うのは無理もない。

 

しかし彼の不安はすぐに払拭される。大きな理由は、岡田と勝村のコミュニケーションが取れていること。稽古に入る前から連絡を取り、作品について話し合っていた。稽古に入ってからは、ふたりして稽古開始の約2時間前に稽古場入り。ほぼ毎日、ウォーミングアップを兼ねてボールをパスしながら、台詞を返していた。

 

岡田は舞台2度目、まだ分からないことが多いのは当たり前。それを勝村がフォロー。ロビンの言葉を咀嚼できていない岡田に補足する。演技力に加え、知識と理論を持つ勝村は、ロビンにとって心強い存在になっていくのが分かる。演出を深めていく時、ロビンは「カツ!」とよく声を掛けるようになった。だからといって、大真面目に役をつくる勝村ではない。隙あらば役を遊び、岡田を困らせる。そしてロビンが手を叩いて大笑い、「マサキに同情するよ。こんな共演者、私ならお断りだね」。作品に集中するあまり、煮詰まっていく稽古場を緩めるのも勝村の役目だ。ロビンも一緒になって盛り上げる。そうして新コンビでの作品の色は、ロビンと勝村で構築していった。

 

対して、岡田は純真。稽古初日には台詞を完全に記憶、稽古場ではロビンと勝村はもちろん様々なスタッフの言葉にも耳を傾けて、少しでも何かを得ようとしている。その姿勢は役に反映、日々成長し、台詞に彩りが出てくる。稽古終盤、ロビンがこんなことを言った。「マサキは感覚の俳優。彼が日本語で俳優役、私が英語でキップス役で共演してみると面白いかもしれない」。ロビンは元々俳優。彼の俳優としての欲を掻き立てるほど、岡田は魅力的な俳優なのだ。

 

1987年の世界初演以来、数多くの実力派俳優たちを演出してきたロビンも太鼓判を押す岡田将生&勝村政信コンビ、ついに開幕。東京PARCO劇場、名古屋、大阪での公演を経て、本場ロンドン・ウエストエンドでの上演も夢ではないかもしれない。

 

 

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記事:金田明子
撮影:御堂義乘

 

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≫開幕直前 岡田将生コメントはこちら!

 

岡田将生&勝村政信『ウーマン・イン・ブラック 』予告動画!

 

【公演情報】

パルコ・プロデュース公演
ウ-マン・イン・ブラック <黒い服の女>

[東京公演]
日程:8/7(金)~8/30(日)
会場:パルコ劇場
料金:全席指定 ¥8,500

[名古屋公演]
日程:9/3(木)~9/4(金)
会場:名古屋市青少年文化センター アートピアホール
料金:全席指定 ¥9,000

[新潟公演]
日程:9/6(日)
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
料金:S席¥8,500、A席¥6,000

[大阪公演]
日程:9/8(火)~9/12(土)
会場:森ノ宮ピロティホール
料金:全席指定 ¥8,800

原作:スーザン・ヒル
脚色:スティーブン・マラトレット
演出:ロビン・ハ-フォ-ド
翻訳:小田島恒志
出演:岡田将生/勝村政信

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