「七年ぶりの恋人」伊勢志摩&荒川良々 インタビュー

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キャストはオール大人計画劇団員!
あの“恋人”が七年ぶりに帰って来る!!

 

 大人計画の本公演とは別に、宮藤官九郎が作・演出を手がける舞台「ウーマンリブ」シリーズ。4年ぶりとなる新作(Vol.13)はその名も「七年ぶりの恋人」。2005年「七人の恋人」(Vol.9)、2008年「七人は僕の恋人」(Vol.11)に次ぐ、オムニバスコント集だ。

 

 ——脚本ができあがるのも、稽古もこれからだと思いますが、お二人が今作でいちばん楽しみにしていることは?

伊勢「とにかく脚本を読むのが楽しみ。宮藤くんの脚本って、読むだけでゲラゲラ笑っちゃうようなものなんですよ。でも、稽古をしているうちにどんどん変わっていく。だからまずはいちばん分かりやすくてシンプルな状態を楽しみたい。」

荒川「変化していった結果、本番で宮藤さんしか笑っていないこともありました。僕が楽しみにしているのは村杉(蝉之介)さん。ウーマンリブ初参加なので、すごくうれしそうにしてました。宮藤さん、昔はたまに怖いときがあったんです。でも村杉さんにはよく怒ってるから、久々に怖い姿が見られるかな。」

伊勢「でも宮藤くん、酔ってるときは「(村杉が)好きなんだよ!」って言ってる。大好きだからこそのアプローチだと思う。」

 

 ——宮藤さんには怖いイメージがなかったので、意外です。

伊勢「怖いというか、厳しいんですよ。役者が付け足すものについても、いらないものはいらないとはっきり言う。脚本の面白さや、笑いの部分に関してはとても細かいですね。あ、でも怖いこともあったかも。」

荒川「『熊沢パンキース03』で、扉を閉めなきゃいけないのに何度も忘れている人がいて、演出席から宮藤さんがやって来て「こうやって閉めるんだよ!」って(笑)。あのときは怖かったです。」

伊勢「ずっと前、宮藤さんが親知らずを抜いた直後だかで歯が痛くて熱もあったのに、それでも稽古をやめずにソファに横になって演出してたこともあったらしいですよ。夢中になっちゃうんですかね。役者としては頼もしいですよ、「真剣なんだな」と思えるから。」

 

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 ——今回は作・演出が宮藤さんですが、たとえば「あまちゃん」のように宮藤さんが脚本だけの場合とは、演じる側として違うものですか?

伊勢「たとえば「あまちゃん」で脚本に「フレディ・マーキュリー」と書いてあるのを見たら、宮藤くんと話さなくても私らは「ああ、あれね」って分かる。そこには宮藤くんからの「あんなふうにやってね」というメッセージがあるし、私も「ここにいないあなたを笑わせたい」と思ってやる。それがあのときはうまくドラマに収まったからいいようなものの、そこだけが浮いてしまう可能性は大いにありましたよね(笑)。」

荒川「ドラマと舞台の違いはありますね。ドラマは稽古時間がありませんから本の面白さが際立つ。舞台では、役者たちが宮藤さんに向けてどんどん色んなものを追加していくので、どんどん変わっていきます。「うぬぼれ刑事」(ドラマ)では、宮藤さんの演出した回で「笑わせてやろう」という欲が出てきちゃって、ドラマなのにずいぶんやりすぎてしまったシーンもありました(笑)。宮藤さんの現場は面白いですからね。今回もきっと、面白くなると思います。」

 

 宮藤官九郎の脚本の面白さに役者たちのアドリブが掛け合わされば、その面白さは無限大。人気シリーズの最新作、絶対にお見逃しないように!

 

インタビュー・文/釣木文恵
Photo/関口達
構成/月刊ローソンチケット編集部 8月15日号より転載

 

 

【プロフィール】

伊勢志摩
■イセ シマ(右) ’69年、岩手県出身。’91年「猿ヲ放ツ」より大人計画に参加。主な近作にドラマ「あまちゃん」、映画「紙の月」「ジヌよさらば〜かむろば村へ~」など。

荒川良々
■アラカワ ヨシヨシ(左) ’74年、佐賀県出身。主な近作に映画「予告犯」ドラマ「天使と悪魔−未解決事件匿名交渉課−」など。8月、ドラマ「妻と飛んだ特攻兵」が放送予定。

 

 

【公演情報】

ウーマンリブvol.13 『七年ぶりの恋人』
公演日程・会場:
《東京公演》2015/10/29[木]~11/29[日] 下北沢 本多劇場
《大阪公演》2015/12/2[水]~12/9[水] 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
料金:
前売・当日 ¥6,500(全席指定・税込)

ローソン、ミニストップ店内Loppiで発売日よりお求めいただけます。
東京Lコード:39990
大阪Lコード:59222

プレリク抽選先行:【東京公演】 9/5(土)12:00~9(水)23:59 ※平日公演のみ受付

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