ライブシネマ 演劇+音楽+映画「怪獣の教え」ゲネプロの様子をレポート!

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窪塚洋介、渋川清彦、太田莉菜出演、映画監督として知られる豊田利晃が
初舞台演出を行うライブシネマ 演劇+音楽+映画「怪獣の教え」。
11月19日(木)横浜赤レンガ倉庫にて、開幕直前に行われたゲネプロの様子をレポート!

 

 「怪獣の教え」とは何なのだろう。海を見ながら赤レンガ倉庫へ急ぐ。会場ロビーには「怪獣のお店」にてオリジナルグッズの販売を行っている。今回の怪獣デザインを手掛けたピュ~ぴるさんや、豊田組スタッフデザインのTシャツがとってもお洒落。オリジナル脚本付きの読み応えのあるパンフレットは1,000円。ぜひ手にとっていただきたい。

 バリスタが淹れる薫り高いコーヒーを飲みながら開場を待ち、(これがさわやかな酸味が効いていてとっても美味しい。「GLITCH」というお店だそう)いよいよ会場内へ。

 

 舞台には大きなスクリーン。両端には巨大な岩。客席後方は段差が高く、どこからでも非常に見やすいレイアウトだ。ライブシネマとは?これから何が始まるのだろと胸が高まる。どこからともなく流れてくる波の音、そしてGOMA氏のオーストラリアの先住民の楽器「ディジュリトゥ」の音のハーモニーが会場を包む。

 中村達也の強烈なドラムの音を皮切りに鳴り響くバンドサウンド。TWIN TAIL(中村達也、ヤマジカズヒデ、青木ケイタ)による生演奏だ。赤々と燃える夕日が映し出されたスクリーンの裏側でTWIN TAILが演奏している。姿は見えないにも関わらず、圧倒的な存在感だ。強烈な生音が心にズッシリ突き刺さる。そんなサウンドに乗せた天作(窪塚洋介)が語るプロローグに、「怪獣の教え」のタイトルロゴが出る瞬間は鳥肌モノ。あの興奮は、すぐにでももう一度味わってみたいと思えるほどだ。

 

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 小笠原諸島の綺麗な海や空の映像、波の音、心地良い音楽、表す舞台美術、そしてキャスト。「演劇」というよりも、「リアルな映画」を観ているようだった。むしろ自分が実際に小笠原、「ボニン・アイランド」にいるのかと錯覚する。不思議な感覚を味わった。

 キャストの3人は個性が明確で、役にぴったりだった。クールだが熱い想いを秘めた天作(窪塚)、遊んで暮らすが内心迷いがある大観(渋川)、アイランドホッパーで自由なクッキー(太田)。天作の内なる想いが滲み出す瞬間はドキッとするし、個人的には大観のモノマネに要注目(吹き出してしまうこと必至)。クッキーのすらっとしたスタイルには目が釘付けになってしまう。

 

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 もっと本作について語りたいところであるが、ネタバレになってしまうのでこの辺でやめておこう。だが最後にこの舞台のキーフレーズ、『夢をみることに、あきたことなんてない。』を書かずには終われない。現実と夢の狭間に生きる私たち。私もずっと、夢を見続けながら生きて行きたい。そう「怪獣」に教わった、気がした。五感すべてが研ぎ澄まされ、ボニン・アイランドのパワーを存分に浴びたため、観終わってからもずっと余韻が続いている。

 豊田監督の”ボニン・アイランド愛”がほとばしる作品。小笠原に行きたくなったのは私だけではないはずだ。

 

 公演は11月23日(祝月)まで。若干数だが当日券のある回があるようなので、前売りでチケットを手に入れられなかった方は、ぜひ会場へ足を運んでいただきたい。

 

 

【公演情報】

ライブシネマ 演劇+音楽+映画 「怪獣の教え」

■期間:11月19日(金)~11月23日(祝月)

■会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3F 大ホール