新プロジェクト、旗揚げ公演
ダンス×殺陣( たて)が融合する舞台
松本「僕はEXILEとしてのパフォーマーからは退きますけど、“ここ”でもEXILEらしさが出せればいいなと思って」
と語るのは、2015年いっぱいをもってEXILEのパフォーマーを卒業する松本利夫。
2016年、EXILEのスピリットを舞台を通して伝える劇団EXILEの新企画として、松本率いる劇団EXILE松組が誕生する。
松本「これまで劇団EXILEの公演やひとり舞台のステージに立たせてもらうなかで『劇団EXILEのカラーってなんだろう?』と考えることが多くなったんですよ。これまで誰も脚本を書いたり演出に携わる人間がいなかったこともあって、自分たちの色を付けるためにも自分で演出をしてみたいと思うようになったんです。劇団EXILEには所属の役者たちがいて彼らも頑張っているし、劇団EXILEとは違ってEXILEやEXILE TRIBEの仲間たちではない外部の方とも積極的に組んでみたくて松組を立ち上げることにしたんです」
旗揚げ公演は松本と映像や舞台で活躍の場を広げる早乙女太一がW主演する『刀舞鬼-KABUKI-』。ひとり舞台では落語や女装にも挑戦したりとバラエティーに富んだステージを展開し、EXILEにおいてもライブ構成の役割を担ってきた松本が、このたび取り組むのは“ダンス×殺陣(たて)”による新しいスタイルのエンタテインメントだ。
松本「僕が演出を手がけるにあたって、いきなり全編ストレートプレイの作品というのは説得力に欠けるというのもありましたし、そこでダンスなどのパフォーマンスを含めたエンタメ性の強い舞台を、以前から一度、挑戦してみたいと思っていた侍モノの設定でやってみたくなって。ここで僕の武器であるダンスと、侍モノの見どころである殺陣を組み合わせたら?と考えたときに、殺陣のプロフェッショナルとしていちばん最初に思い浮かんだのが太一くんでした。ド迫力の殺陣を見せるなら彼しかいない!と」
そして松本扮する刀舞鬼一族の鬼・鬼丸と早乙女扮する鬼丸の幼なじみ・数珠丸の間で揺れ動くヒロイン・菜切に扮するのは島袋寛子。
松本「今回のヒロインは、どうしても歌える人にお願いしたくて。歌って踊れて芝居もできる女性って……と悩んでいたとき、たまたまテレビで寛子さんが歌っているのを見かけたんです。彼女ならミュージカルの経験もあるし。」
今作はオリジナル脚本だが、幅広い客層へ物語を伝えるため“誰もが知っている話を別角度から見せる”ことにこだわったのだという。
松本「誰もが知っている話でも、別の角度から見れば興味深いものになる。題材になる作品をいろいろ考えたなかでしっくりきたのが、『桃太郎』でした。ただ桃太郎ではなく鬼の目線でこの話を見ると、自分たちが暮らす島にいきなり人間がやってきて、仲間や家族、愛する人を殺されてしまう。子どもから大人まで誰でも知っているこの話を一度ひっくり返して、単に桃太郎と鬼の戦いではなく“本当の正義とは何か”“悪とは何か”という問いかけもしながら見せていきたい」
先に挙げた2人のほかに、硬軟様々な作品で活躍する丸山敦史、兄の太一同様に切れ味鋭い殺陣に定評のある早乙女友貴、マドンナのツアーへの参加経験もあるダンサーのDa-Yoshi(TRIQSTAR)ら総勢23名が登場。
松本「今作のテーマのひとつに和と洋の融合というのがあって。みんな日本人だし和の要素はもちろん持っているんですが、洋の要素も自分のなかでかみ砕いて表現できる方々に声をかけました」
とのことで、実力派の役者とパフォーマーたちが躍動する新感覚のステージが期待できそうだ。
今後は海外発のコンテンツや海外キャストとのコラボも検討しており、松組独自のエンタテインメントをいずれは世界へ向けて発信していきたいと語る。
松本「例えばライブでもステージに出ている時間というより、構成を練ったりリハーサルしたりといった本番にいたるまでの過程で僕らは成長できるんです。今回は自分で主題歌の作詞もしたりしていて……作詞って、自分が丸裸にされるみたいで本当に恥ずかしいんですけど(笑)、松組ではそういった作品の土台作りからしっかり取り組みながら、自分も学んでいきたいですね。15年分の経験と勘と、度胸を生かしつつ」
取材・文/古知屋ジュン
構成/月刊ローソンチケット編集部 12月15日号より転載
【プロフィール】
松本利夫
■マツモト トシオ ’01年よりEXILEのパフォーマーとして活躍。俳優としても様々な劇団EXILE公演やひとり舞台である松本利夫ワンマンSHOW「MATSUぼっち」などに出演。’15年内をもってEXILEのパフォーマーを卒業し、’16年より自身が組長を務める劇団EXILE松組を始動させる。
【公演情報】
劇団EXILE 松組 第一回旗揚げ公演「刀舞鬼-KABUKI-」
日程・会場:
2016/2/19[金]~28[日] 東京・天王洲 銀河劇場
2016/3/4[金]~~6[日] 大阪・森ノ宮ピロティホール
★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!