★絶賛上演中★ 『放浪記』博多座公演

『放浪記』博多座公演開幕!鏡開き&囲み取材会レポート

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1961年、劇作家・菊田一夫が若い頃に詩人仲間として付き合いのあった林芙美子の生涯(二十歳の頃から晩年まで)を描き、日本演劇界の最高峰作品となった『放浪記』。この名作に、当時初主演で挑んだのが、2012年11月に惜しまれつつ亡くなった名優・森光子だった。初演の41歳から89歳まで、森が演じた公演回数は2009年に国内単独主演記録2017回を達成。昨年、そんな日本が誇る名作『放浪記』が、仲間由紀恵を主演に迎え新たなスタッフ・キャストが集結し、新生『放浪記』として6年ぶりに帰って来た!東京・大阪・名古屋と巡り、現在は全国公演の最終地、博多座で1月31日まで上演中だ。

その1月7日の公演初日を目前にした1月5日、仲間由紀恵・羽場裕一・村田雄浩ら出演者3名が役柄の衣裳のまま登場し、成功を祈願して鏡開きと取材会を行った。


― 新生『放浪記』の魅力は?

仲間「やはり、キャストが一新した点ではないかと思います。森さんの初演時が41歳。私はその時よりも若い30代で演じさせて頂くということもあり、その分出来るだけパワフルに演じようと頑張っています。今回、他のキャストの皆さんも素敵な個性あふれる役者さんばかりですので、新しいキャストのみなさんがこの新生『放浪記』の何よりもの魅力ではないかと思っています」

羽場「いやぁ、まずは座長でしょう! 林芙美子という女性が、作家として“生きる”ということへ注いだエネルギーと同じくらいに、仲間さんの“若さ”が放つエネルギーがこの作品に注がれていますからね。また、新生『放浪記』はキャストの実年齢が役柄と近くなり、ぐっと役と一体化したことで、以前よりも群像劇としての魅力をアップさせているのではないでしょうか」

村田「あの・・・もう言うことがなくなりました(笑)。やはり同じく、キャストの一新が魅力ですよね。確かに『放浪記』は名作で、森さんの頃の『放浪記』を見て勉強させて頂くこともいっぱいあるのですが、そこに気負うことなくキャスト全体が『もっと楽しんで演じよう!』という雰囲気になっています。出演者全員が、以前の『放浪記』の役者の方々とは違った、自分なりの芝居を模索して完成したと思います」

 

― 博多座公演の楽しみは?

仲間「個人的には、福岡は美味しいものがたくさんあると聞いていますので楽しみにしています。博多座公演を経験している役者さんスタッフのみなさんに美味しいお店をたくさん紹介していただこうと思っています。あとは、キャスト全員でボーリング大会など、レクリエーション的なことも出来るといいね!という話も出ていたりします(笑)」

羽場「公演中、村田さんと楽屋でモニターを見ながら、『この人、今日は芝居のテンポが違うね?声のトーンが変わってきたね?』などとよく話をしているのですが、芝居が少しずつ変わっていく様を見るのが楽しみです。(前公演の)名古屋公演の時点でキャスト全員がさらに芝居に変化を見せていたので、博多座の千穐楽に向けて各自どんな風に悶えながら芝居がどう変化していくのかが楽しみです。あとは、屋台ですかね(笑)」

村田「また、言うことがなくなってしまいましたが・・・(笑)。たぶん、我々が東京に帰る頃には、全員5kg近く太っているかもしれませんね(笑)。そんなことよりも、羽場さんが言われていますように芝居が日々変化していますから、東京での初日と博多座の千穐楽とでは、もしかしたら全然違う芝居になっているかもしれませんね。それだけに、1度と言わず何回でも足を運んで観ていただきたいですね。最後に、(仲間さんがあげた楽しみの1つ)ボーリング大会に関しては・・・私が好きだからそんな話が出たんです(笑)。マイ・ボール持参も考えたくらいです(笑)。それくらい仲のいいカンパニーなんです」

 

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↑村田のコメントに会見場には笑いが起きる場面も

 

―森光子が演じた、『放浪記』の代名詞といえる“でんぐり返し”の場面。新生『放浪記』では側転に変わったが・・・

仲間「林芙美子が小説家として認められて喜ぶ場面は、『放浪記』の印象的な場面です。森さんの『放浪記』では、そこで“でんぐり返し”をして喜びを全身で表現されていて、『放浪記』=“でんぐり返し”の印象が皆さまにも強いかと思います。そこを私ならどう表現できるのか?というのが今回演じるうえでの課題でした。何パターンもアイデアを出しあったりして一番しっくり来たのが側転という形になりました。ただ、私にはそれ以前に『放浪記』という“お芝居”を成立させなければいけない!という大きな壁がありました。側転じゃなくても、すごく嬉しいという爆発した気持ちがお客様に伝わればいいなと思っていただけに、名古屋公演の際、その前後の演技を見て泣けてきたとお客様が言ってくださっていたと聞いた時はすごく嬉しかったです」

 

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写真左は仲間由紀恵、右は森光子演じる林芙美子(写真提供:東宝演劇部)

 

― 東京・大阪・名古屋と公演を重ねるうちに何か変化はあったか?

仲間「『放浪記』という作品は、誰もが知っている名作であり、大先輩である森さんが半世紀以上にかけて大事にされてきた作品です。その作品に自分が携わることが決まった時は、プレッシャーや緊張、不安もありましたが、そういった重圧を全て取り去って『前に進まなければ!』という思いだけで最初のうちは演じていたように思います。でも、東京で幕が開き、公演を重ねていくうちに、お芝居に変化が出るのと比例して、お客様の反応も毎日変わってきているなと感じています。とにかくお客様が楽しんでくださっていることが力になっています。まだ自分の中で演技に関していろいろと考えたりもしますが、少しずつ進化していけたらと。とにかく今は楽しんで演じさせていただいていますので、博多座のお客様にも笑顔で帰って頂きたいなと思います」

 

仲間由紀恵が発する言葉の節々に、森光子から『放浪記』という“名作”を受け継いだ彼女の底知れぬ“決意”というものが感じられた。新生『放浪記』のフレッシュな風をこの機会に肌で感じてみては?チケットは好評発売中!

 

「放浪記」宣材サイズ小(色調整していない分)※トリミング不可

 

【公演情報】

『放浪記』

 

期間:上演中~1/31[日]

※公演日時詳細は下記URLよりご確認ください

会場:博多座

料金:A14,000円 B7,000円 C4,000円

Lコード:85401