【稽古場レポート】開幕直前!!「ダイヤのA The LIVE Ⅱ」

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3/17(木)熱い戦いが幕を開ける!
その稽古場風景をお届け!

 

 野球の名門校・青道高校を舞台に、甲子園出場を目指し奮闘する球児たちの青春を描いた「ダイヤのA」。高校野球というスポーツをかつてないほどドラマティックなエンタテインメントとして描き、現在原作コミックスの総発行部数は2500万部を突破&アニメも2ndシーズンが好評オンエア中というこの人気作が、昨夏ついに舞台化され話題を呼んだ。

 そしてその続編となる「ダイヤのA The LIVE II」が3/17より開幕! 先ごろ公開された再現度の高いキャストビジュアルにも期待感を大いに煽られるこの作品だが、先日その熱気溢れる稽古場へとお邪魔した。稽古着に着替えたキャストたちは、大半が赤いTシャツ姿。実はこのTシャツ、脚本・演出の浅沼晋太郎氏がキャスト用にデザインしたものだそうで、キャストたちのチーム感の強さが伝わってくる。

 稽古開始前、オープニングシーンの大事なセリフをトーンを変えながら何度も反復練習していたのが主役・沢村栄純役の小澤廉。ステージのあちこちを歩き回りながらはきはきと言葉を発するその姿とは対照的に、そのライバル・降谷暁役の廣瀬智紀は机に座って抑揚を抑えた声でセリフをつぶやいている。共にエース候補でありながら対照的なキャラクターを演じるこのコンビ、すでに役作りはバッチリな様子だ。「私のホストちゃん THE FINAL~激突・名古屋編~」でNo.1ホスト役と若手ホスト役で共演したばかりの2人が、こうやってまったく違う役どころで絡んでいるのも興味深い。

 そしてこの2人の良き先輩であり、キャッチャーとしても2人を支える御幸一也役の和田琢磨は、周囲のキャストと〝ここは盛り上がるシーンだから、声のトーンも上げて行こう”などと打ち合わせする姿も。他にもリアルな野球経験者でもあるキャプテン・結城哲也役の上田悠介が率先して他のキャストのキャッチボールに付き合う姿なども見られ、徐々に稽古場の空気が温まっていく。

 

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 今回のストーリーは原作コミックスの5~11巻、夏合宿編と台湾からの留学生エース・楊舜臣(和田雅成)率いる明川学園との地区予選ベスト8を賭けた対戦を中心に描かれる。この日は長ゼリフのあるシーンや、複数あるスクリーンに流れる映像とタイミングを合わせなければならないシーンなどを重点的にリハーサル。今回、残念ながら映像での出演となる椎名鯛造演じる小湊亮介の登場シーンは、特に綿密にタイミングなどを調整しながら稽古を重ねていたのだが、葉山昴演じる倉持洋一と映像の亮介がマウンドでじゃれ合うシーンが一発できまると、キャストたちからも思わず歓声が上がった。

 そしてこの映像と共に作品世界を立体的に見せているのが、上下2段構造になったステージでの演技。この舞台ではステージのさまざまな箇所を使ってピッチャーマウンドやバッターボックス、ベンチや観戦席での会話などを見せていくが、楊役の和田雅成が上段ステージに上がると、「(投球シーンで客席から)顔が見えやすいように、グローブを下げてみて」などと演出側からアドバイスが飛ぶ。〝精密機械”とも呼ばれる正確無比なピッチャーらしいドライさを漂わせる和田雅成だが、セリフをトチった和田琢磨に楊のトーンのままで「うるさいぞ。セリフを忘れたんだろう?」とツッコむコントのような一幕も。

 すでに2作目で大半が続投キャストということもあり、しっかりとキャラクター作りが出来ている印象だ。大きくはきはきとした発声やコミカルな動きで場の空気をパッと明るく変える小澤、トーンを極力抑えたセリフ回しと独特の空気感で魅了する廣瀬、そして常に笑みをたやさず上級生らしい余裕をかもし出す和田琢磨。沢村を厳しくも温かく見守る先輩・クリス役の汐崎アイルも、落ち着きのある演技で場を引き締める。また人気キャラの一人である小湊春市役の深澤大河はウィッグで顔が隠れているため表情がわかりにくいのだが、セリフの発し方や仕草でキャラクターの持つ飄々としたニュアンスや愛らしさを存分に発揮していた。

 

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 沢村たち1年生トリオが先輩たちの血のにじむような努力に圧倒されつつも奮起する姿を描く夏合宿、丹波光一郎(NAO-G)の負傷でエース不在のピンチを迎える練習試合など、一試合ごと、というよりも一球ごとにさまざまなドラマが展開される今作だが、最大のハイライトとなるのは沢村らの青道高校ナインと楊率いる明川学園ナインとの対戦シーンだろう。特に楊の最後の甲子園出場を賭けたこの試合の終盤、楊と御幸との対決シーンでは、2チームの緻密な心理戦を含めて思わず息を呑むような白熱した時間を体感できるはずだ。

 また今回は明川学園の監督役で田尻浩章、新人マネージャー・吉川春乃役で遠藤ゆりかという、アニメ版の声優がそのままキャストとして出演していることもポイント。舞台装置や映像、照明などを効果的に使った2.5次元ならではのインパクトのある演出はもちろん、要所要所でアニメ版とのシンクロ感も楽しめるはずなので、〝原作でのあのシーンはどのように再現されるのか?”などなど、期待感MAXで劇場へ足を運んで欲しい。

取材・文 古知屋ジュン

 

【公演情報】

ダイヤのA The LIVE Ⅱ(ダイヤのエースザライブ)

日程・会場:
3/17[木]~21[月・祝] 天王洲 銀河劇場
3/24[木] 名古屋文理大学 文化フォーラム 大ホール
4/1[金]~3[日] 森ノ宮ピロティホール