舞台『曇天に笑う』再演
玉城裕規&植田圭輔&百瀬朔インタビュー
初演舞台写真が到着!
オリジナル・キャラクターと独自の切り口で大ヒットを飛ばした舞台『曇天に笑う』が、アンコールの声に応えて再演される。
原作は、アニメ化もされた唐々煙による人気コミック(マッグガーデン刊)。
明治維新後、混沌とした日本が舞台。
重罪人たちが送り込まれる湖に浮かぶ監獄「獄門処」、そこへ「橋渡し」をする役目を担っている「曇三兄弟」。
彼らが暮らす町に伝わる、人々に災いをもたらすという大蛇(オロチ)をめぐるサスペンスを主軸に、兄弟愛、人間愛が描かれる。
初演に引き続き、「曇三兄弟」の長男・曇 天火(くもう てんか)を演じる玉城裕規、三男・曇 宙太郎(くもう ちゅうたろう)を演じる百瀬 朔、そして新キャストとなる次男・曇 空丸(くもう そらまる)役の植田圭輔に話を聞いた。
――初演を振り返ってみて、いかがでしたか?
玉城 怒涛でしたね、すごく。スケジュール的にも過密でしたし、舞台としても僕は一幕ほぼ出ていたので。二幕は途中からですけど、登場シーンまでずっとメイクをしていたので、ひと息つく間もなかったです。
百瀬 昼公演と夜公演の合間も、メイクがある人たちは大変でしたよね。
玉城 うん。初演だと空丸を(佐野)岳ちゃんがやっていたんですけど、二人揃って大変でした。余裕で痩せましたし、もう当時の細かい記憶がないくらい。ある意味「無」になっていないと出来なかったんだと思います。始まったら止まらないので。
百瀬 僕はみんなと比べると殺陣が多くは無かったので、みんなすごいな~と思って見ていました。
――殺陣に加えて映像や転換の多さもあり、調整なども大変だったのでは?
百瀬 劇場入りは早かったんですけどね。初日までの一週間くらい劇場での稽古時間があったんですけど、それでもゲネ(最終リハーサル)はラストシーンまで行かなかったんです。
植田 えー!
玉城 そう、ゲネでは敵を倒せていない(笑)。
――初演ではチケット即完売に伴い、急遽プレビュー公演が決定していましたね。それも即完売でした。
植田 まさしく幻の公演だったんだね。
百瀬 追加公演もありましたよね。
玉城 そう、結果としてパツパツになった(笑)。だから怒涛だった記憶しかないんだと思う。
百瀬 とにかく喉を保たなくてはいけないって、毎日すごく苦い薬飲んでいた覚えがあります。
植田 すごい声量だなと思った。相当張り上げていたよね?
百瀬 演出の菜月チョビさんに、声の出し方からまず言われたんですよ。「もっと腹から出して!」って。
玉城 腹からは出していたんだけどね。でもそうじゃない、っていうのがあって。
――「劇団鹿殺し」の菜月チョビさんは、エネルギッシュな演出が評判です。
玉城 この再演にあたって、一緒に取材して頂いていた時、「今回、負荷をかけていきたい」と仰っていて…。
百瀬 初演でもまあまあかかっていましたけどね(笑)!
植田 十分ね(笑)。
玉城 「より(更に)」ってことみたいで。
百瀬 チョビさんの「より」は、本当に「より」ってことですね…。
――植田さんは、『曇天に笑う』の初演はご覧になりましたか?
植田 出演が決まってからDVDで観ました。「やれんのか、俺…」って正直思いました。発声もそうですけど、自分がリズムをちゃんと作らないと作品に飲み込まれるな、と。バランスを持っていないとやれないだろうなと思いましたね。
玉城 叫ぶし。
百瀬 戦うし。
玉城 窒息しそうになるよ。
百瀬 最後の方でフラフラになりながら戦っているシーン、演技かと思いきやホンマにフラフラしていますもんね。ホント、ギリギリのところでやっていました。
玉城 ある意味、あれは本当に何かを超えている!
植田 越えなきゃいけないね。前評判や話は色々聞いていたので、まず体の準備はしておかないといけないなと。万全な状態で本番までいって、100%を出し続けられるのかが大事だなと思います。
――兄弟の役ということで、だからこそ知っている相手の意外な一面などがあればぜひ教えて頂きたいのですが。
百瀬 植田くんとは今日の取材が初めましてなんです。なので、意外な一面どころか表面もまだ…(笑)。
植田 そうなんだよね(笑)。ココはこれからですね。
百瀬 玉城くんはホント、裏表がないです。まさしく天真爛漫な天火という感じなので。玉城くんは玉城くんで違う人間ではありますけど、考え方とかはリンクしている気がします。
玉城 朔ちゃんは、宙太郎が末っ子キャラなので可愛らしいイメージの方が多いと思うんですけど、すごくしっかりしているんですよ。ちゃんと周りをみて、袖に誰がスタンバイしていないとかも把握してくれて。
百瀬 コッチも困るので・・・ね。
玉城・植田 (笑)
玉城 見た目から周りが思うイメージより、ずっとしっかりしている人です。植ちゃんもそんな感じ。年上に対しても「こうですよ」ってしっかり引っ張っていけるタイプ。
――全員、ツッコミタイプなのでしょうか?
植田 玉ちゃん(玉城)はボケというわけではないけど、周りがイジリたがるというか。
玉城 フリーですね!
全員 (笑)
植田 でも天然な人に対しては「おかしいやろ!」ってズバンと言うんですよ。気持ちいいくらい。
――正直者な三兄弟。
百瀬 でも植田くんは、さっき自分で自分のことを「ずる賢いところがある」って言っていましたよね。
植田 ずる賢いですね。単純に腹黒いんだと思います。
百瀬 でも腹黒い人は、腹黒いって自分で言わないんじゃないですか?
植田 俺はね、極めていると思う。
玉城・百瀬 (爆笑)
植田 それをね、自分を応援してくれている人も知っているから。こういう風に写れば自分が良く見えることを分かっているとか、そういうところだと思います。ウソは嫌いなんですけど。
――清々しい三兄弟になりそうですね。
玉城 そうですね。作品は清々しくはないですけど(笑)。
植田 混沌としているからね。ズンとくる、見ていて。
玉城 うん、ズンってなるよ。演じていても。
百瀬 悪い人がいないんでしょうね。悪、というと大蛇(オロチ)くらいだから。
玉城 うん。みんな何かのためであったり、理由がある人たちが織り成している。
植田 だからかな。苦しいよりは、うわ…胸が痛いってなるんだよね。
――そんな作品への意気込みをお願い致します。
百瀬 ぜひ観てもらいたい作品です。作品自体が面白いと思いますし、面白いからこそ、みんなの熱量も乗ってくるので。「これは面白いから観に来てください」って役者が言うはおかしいかもしれないですけど、それを言える作品だと思うので。ぜひ、観に来て欲しいです。
植田 初演を観て、自分に出来るのだろうかと思ったところもありますが、チョビさんが仰っていた「負荷」をしっかり受けて、地に足をつけて、与えられた運命や使命、色んなものを背負って世界観を生き抜けたらと思います。
玉城 それぞれが色んなものを背負った上で、その場を生きていくので。チョビさんが仰っていた「負荷」は…かかっているフリをしてみようかなって、一瞬思ってしまいましたけど(笑)。チョビさんとスタッフさんと共に素敵な作品作りをしていくので、お時間がありましたらぜひ劇場に足を運んで頂けたらと思います。
≫4月15日掲載 舞台『曇天に笑う』再演 玉城裕規インタビューはこちら
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【公演情報】
舞台「曇天に笑う」
日程・会場:
2016/5/27[金]~6/5[日] 東京・天王洲 銀河劇場
2016/6/10[金]・11[土] 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!