本当にすごい方々と刺激し合って
挑戦し続ける姿を皆さんに見てほしい
2015年に宝塚歌劇団を退団後も「プリンス・オブ・ブロードウェイ」「お気に召すまま」など舞台を中心に活躍を続けている元星組トップスター柚希礼音。そんな彼女が昨年に行ったソロコンサートの第2弾となる「REON JACK2」の公演がこの春に決定した。今回は前回とはガラリと雰囲気を変え、音楽プロデューサーには本間昭光を起用。各界の実力派を迎えて、よりクールに、よりアーティスティックに変貌を遂げたステージを展開していく。東京と大阪の公演では、TV番組での共演で意気投合したという東京バレエ団のプリンシパル上野水香が出演する。初めて同じステージに立つ2人は、どのような想いで「REON JACK2」に臨むのだろうか。その胸の内を存分に話してもらった。
――前回のステージからちょうど1年くらい空けての「REON JACK2」になります。前回とは趣向が違う印象ですが、今回のコンセプトを教えてください。
柚希「前回の『REON JACK』は、宝塚を退団して次の世界に行ったばかりで、ちょうど架け橋のようなステージでした。新しいことにも挑戦しつつ宝塚の曲もやって、お客さま参加型のコラボレーションもするようなものも多かったですね。これまでREONコンサートを数々やってきましたが、ひとつステップアップしたようなものになるんじゃないかと思います。とてもアーティスティックで、クールで、ひたすら挑戦し続けることをお客さまに感動していただけるものをどんどんお見せしていくようなつくりになると思います」
――今回、上野水香さんが参加されますが、上野さんとのステージでの共演についてはどのように感じていらっしゃいますか。
柚希「私にとっては、クラシックのバレエコンクールに出ているときから憧れの上野水香さんでした。TV番組で対談させていただいたんですが、それだけでもすごく感動していたんですが、その対談で感動すること、感銘を受けること、刺激をもらうこと、そういうお話ばかりでいつかご一緒したいと思っていました。こんなに早く実現するとは、感激なんですけどプレッシャーも感じていますね」
上野「柚希さんには、宝塚のころから宝塚のジャンルを超えた何か舞台人としての魅力を持っていらっしゃると感じていました。私自身はバレエの世界でバレエ一本で生きてきて、いろんなパートナーの方と踊ってきたんですが、柚希さんとは“一緒に共演してみたい”って自然に浮かんできたんですよね。舞台人としての大きなところを私が感じていて、それを自分の何かとシェアできたら舞台の上でどんなことになるんだろうって、個人的に興味があったんです。それでつい口走ってしまって(笑)」
――(笑)。その口走ったことがきっかけで、今回の共演につながったんですね。柚希さんから観て、上野さんはどんな方ですか?
柚希「舞台にかける本気度がすごい。基礎を大切にして、その積み重ねによって舞台に立てるという。毎日、自分自身と戦っている。私もそれを大事にしてきたので、見た目とかもこだわりますけど、舞台に立つまでにどう挑んだかって見えてくるじゃないですか。2人でどんな化学反応が起きるのか見ていただけたら。でも、稽古場でもあまり想像できない(笑)。お互い、全然違う稽古をしてきているので…。お客さまの期待値も高いですし、みんなでコラボ!イェイ!っていうよりも、このすごい方々と命がけで戦っている、それで刺激しあって高まっているという熱いものをおみせしたいですね。」
――上野さんにとっても、今回のステージは大きな挑戦になりそうです
上野「違ったジャンルの方々がこれだけ集まる舞台というだけでも初めてなので、とっても刺激的。柚希さんとの練習の一歩目からも、どうなるか全然想像がつかない。バレエでも新しいクリエイションはありますけど、基本的には振りが分かっているし、和物の音楽に合わせて踊ることなどいろいろ経験していますが、違ったジャンルの方と踊るのは初めて。でも、舞台に対する本当の意味での真剣な気持ちに共通することがあるのはお互いに良く分かっています。その上で新しいことに挑戦できることは非常にありがたい。そして柚希さんが座長として、素晴らしい方々と、お客さまも含めて全部ひとつになる瞬間。すごいことになると思います」
――今回、「REON JACK2」と同じく本間昭光さんのプロデュースによる1stミニアルバム「REONISM」も3月1日にリリースされます。作詞では森雪之丞さんが2曲提供されていて、こちらも豪華な内容になっていますね。
柚希「そうなんですよ。森雪之丞さんに詞を書いていただけるなんて。アルバムには、5曲も収録されておりまして、私もついにメジャーデビューです(笑)。今までダンス曲がメインになることが多かったんですが、今回はちょっと切なさがある心に訴えかけるような曲がメインとなっています。と思えば、すっごくカワイイLOVEな曲もあったり…意外でしょ?(笑)。今までの自分だったらきっと出せなかったな、という感じがします。退団してからいろいろ経験して、『お気に召すまま』のような舞台を経験したからこそ、恋をするってカワイイなという、元気がでるような曲も歌えるようになったんじゃないかな。あと『太陽を射る者』という私自身に重ねて書いていただいた曲で、その曲を歌うと勇気が出るんです。宝塚時代の自分を振り返りつつ、これからも挑戦し続けるぞ、という気持ちになれる。あとの2曲は、LOVEのダークサイドを描いたような曲で、幸せ、楽しい、ばっかりが愛ではなくて…。好きになりすぎたらこうなるだろうな、という誰もがわかるような。今まではそういう部分は歌ってこなかったので、ちょっと大人な曲になっています。中身の濃い5曲になりました」
上野「私は、歌のことは全然わからないんですけど、歌っているときの柚希さんの輝きは踊っているときやお芝居しているときとはまた違った輝きなんですよ。それは声からくるものなのか、音楽性からなのか…私自身は音を聴きながら踊っているんですが、音でもって魅せられる、魅せられるだけのものが柚希さんの声、音の中にあるんだなということは感じています。その上で今のお話を聞いていると…何か感動してしまいますね。本当に素敵な声なんです」
柚希「昔はやっぱり、歌は難しいと思っていたんですけど。一番ダンスが好きだったので。声を出さないのに、想いを表現するということがすごく好きだったんです。歌もやっぱりそうなんだなと思えてから…、ここの音程、この声とかばかりじゃなく心の叫びが声になっているんだと気づいたんです。歌う内容の想い、どういう状況でどういう人が歌っているのかを大切にするようになってからは、歌うことがあまり怖くなくなってきましたね」
――歌の面でもお気持ちの変化があったんですね。退団後は舞台で女性役を演じたりいろいろな経験もされて、どんどん新しい姿が拝見できていますが、今回のステージでそれをより体感できそうです。
柚希「1年前の私とは確実に違う私をお見せできると思います。とはいえ、宝塚で男役をやっているときも、本体が女性だからこうされたほうがうれしいという男性像を追求しつつ、上辺だけを演じていたわけではなく、人間を演じようとしていました。宝塚を引退して、女性役を演じるときにちょっと大丈夫かな?って思ったこともあったんですけど、やっぱり人間というものは喜んだり悲しんだりするもので、男女一緒だなと。そしたら、最近はなんか楽しくなってきました(笑)」
上野「やっぱり人間を演じるという、その根底があるんだなと思いました。無理に取り繕って男を演じようとしているんじゃなくて、とても自然体でありながら、妙に…って言うと変なのかな(笑)。でも女性なんですよ? 以前に映像で、ドン・キホーテのバジルを踊っていらっしゃるのを観て、私は本当にいろんなバジルを観て来たんですけど、本当にかっこよかったです。それが嫌味じゃなくて芝居がかっていない。本当に素晴らしい感性で…」
柚希「こうやってちょいちょい、言ってくださるので(笑)。でも本当に、話せば話すほどお互いを刺激し合えるんですよね」
――上野さんがバレエで役に入っていくときはどういうアプローチをしていますか?
上野「自然に入っていける役の場合は、そんなに苦労しないんです。私も背が高いので病弱な役とかは似合わないだろうって思うんですが、そういう役に挑戦する機会があって。でも、絶対自分に共通するものがどこかにあるだろうと思うんです。その共通点を見出した中で演じていくと自然に入っていける。自分の中のものと結びつけて、役に寄り添えるって言うか…」
柚希「そう、そう! 本当そう! 男役でも、私は女だけど、自分の中にそういう感情がある!っていうことがあるんです。同じです」
――何か本質的なところで近いものがあるんですね
上野「今日、お話していても根っこのところで合うことがわかったので。ジャンルの違うこの2人が踊りを通して表現できるもの。どんなものになるのかはまだ分かりませんが、皆さまに喜んでいただけるものになると、今日、確信できました。あとはとにかく稽古だと思うので、そこで集中して、本当にお客さまに良かったと思っていただけるように頑張ります。」
柚希「上野さんとの場面は、期待値もすごい。ですが、プレッシャーに負けず本当に、本気で2人が稽古して、どちらも譲り合いすぎず、やりたいことをやって稽古してきたステージを、より多くの方に観て頂きたいですね。ほかの共演者の方々も素晴らしいので、力をお借りしつつ、ありがたくも真ん中に立たせていただくのでその中で輝き、きっちりと中身のあるものをお届けできるよう頑張りたいと思います。セットリストを作っていると、このすごい方たち、この豪華メンバーの皆さんと何をやろうか、頭を抱えているんです(笑)」
――今回はパシフィコ横浜という大きな会場もありますし、より一層すごい形になりそうですね
柚希「パシフィコ横浜のようなコンサート会場でやるって、“アーティスト”みたいな感じで嬉しいです(笑)。そういう場所でできることがすごい感動で、観た甲斐があるなと思えるようなものにしたいですね。せっかくの会場なので、他では聴けない曲をやったりとか、3公演で別々のことをしたりとか、皆さんの意見も聞いたりして、特別な演出も考えています。楽しみにしていてください」
スタイリング(柚希)田中雅美
ヘアメイク(柚希)黒田啓蔵(Three PEACE)、(上野)胡桃澤和久(Three PEACE)
出演者:柚希礼音
内容:柚希礼音本人からお渡し&握手会(東京/大阪)
ミュージックビデオ(フル尺)を観ながらのトーク&お見送り握手会(福岡)
日程・参加方法は下記URLにてご確認ください!
http://www.hmv.co.jp/news/article/1612290002/
【公演情報】
REON JACK2
日程・会場:
2017/3/23(木)~26(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
2017/3/30(木)・31(金) 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
2017/4/19(水)・20(木) 福岡市民会館
出演:
柚希礼音
上野水香(東京・大阪公演)
大貫勇輔
大村俊介(SHUN)
YOSHIE(福岡公演)
クリスティアン・ロペス
★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!