「ゴジゲン」の目次立樹(メツギリッキ)です。
本名です。
昨年夏に舞台『イヌの日』で「ゴジゲン目次の「イヌの日」DXインデックス」なるコラムを書かせていただいたのですが、嬉しいことにゴジゲン第14回公演『くれなずめ』に合わせてもう一度連載させていただけることになりました。ローチケさん、ありがとうございます!!
というわけで今回のタイトルは「ボクには下校のチャイムが聞こえない」!
なかなか下校できない大人たちに贈る、甘酸っぱくない、むしろ饐(す)えたテイストのコラムです。
さて、記念すべき第1回目は「新作『くれなずめ』ストーリー大胆予想」!!
ゴジゲンでは本番ギリギリまで作家・松居以外は誰一人として作品の全貌を知る者はいないという、恐ろしい状況下で創作を行っている。
それゆえ、フライヤーを始めどんな媒体にもあらすじなるものはほとんど掲載されない。
要するに、観客は何を見せられるのかわからない不安の中、それでも劇場に足を運んでくださるのだ。
それはあんまりだろっっっ!
という声を代表して、私が今回の公演のストーリーを大胆に予想してみたいと思う。
手がかりはこの3点。
①『くれなずめ』というタイトル
②フライヤーのビジュアル
③キャッチコピー
↓(びっくりするほど熱い) キャッチコピー
手がかり①『くれなずめ』というタイトル
くれなずめ…とは一体なんだ?
クレナズメ?
こんな言葉は聞いたことはない。
おそらく物の名前だと思うのだが…
食べ物?
たしかに田舎の郷土料理みたいな響きはある。
栃木の「しもつかれ」や佐賀の「ふなんこぐい」など郷土料理には変な名前が多い。
さっそく「くれなずめ」を日常のシチュエーションにあてはめて使ってみよう。
「あなた、お義母さんから荷物届いてるわよ」
「おふくろから?何が入ってるんだ?」
「あらやだ、またお義母さんこんなにくれなずめ送ってきて。まだ先月のが冷蔵庫にたくさん余ってるのに。」
こんな夫婦のやりとりはありうる。
そして嫁の方は「くれなずめ」はそんなに好きではなさそうだ。
たしかに「くれなずめ」はそんなに美味しそうではない。
おそらく農作物が取れない冬を越すため、魚か何かを漬け込んで発酵させた保存食だろう。
「鮒寿司」に近いかもしれない。
だから臭い。
食べ慣れないものを義理の母から毎月のように送られる嫁はつらい。
しかしちょっと待てよ。
ここで答えを急ぎ過ぎるのは良くない。
そもそも一つの言葉ではなく、文章という可能性だってあるんだ。
例えば、「きれいな + 花」のような修飾・被修飾の関係のパターンだ。
となると「くれな + ずめ」ということになる。
そこで問題となるのが、
「くれ」とはどのような状態なのか?
「ずめ」とは何なのか?という問題だ。
まず「くれ」について考察してみよう。
「くれ」で真っ先に浮かぶものといえば、かの村上水軍が根城にしていたことで有名な、瀬田内海に面した広島県の都市、呉市だろう。
たしかにあの町はいい。
「呉ポートピアランド」は我が母校のお決まりの修学旅行地だ。
市のゆるキャラの「呉氏」だってこんなに斬新。
市のPR動画だって誰もが知ってるあの曲をリメイクして、これでもかってくらい攻めてる。
それにくわえて、私は島根県に生まれ育ったがゆえに、鳥取県にはひとかたならぬライバル心を抱くが、広島県には素直に参りましたと言える。
「広島県様」と様付けで呼んだって私のプライドは傷つかない。
なぜなら中国地方5県のパワーバランスは、
1位 広島=岡山
2位 島根
3位 鳥取
圏外 山口(ほぼ九州)
という関係性で成り立っているからだ。
それぐらい私にとって広島は憧憬の心を起こさせる地なのだ。
呉市をチョイスしたあたりの松居のセンスはキンキンに冴え渡っている。
しかし、ちょっと待て!!!
「呉な○○」では日本語がおかしい。
しかも「ずめ」が何なのかもわからない。
連載一回目にして早くも暗礁に乗り上げたか…。
しかし、ちょっと待て!!!
「呉 + なずめ」とは考えられないだろうか!?
つまり「呉、なずめ」。
「夏、真っ盛り」みたいな。
「彩の国 さいたま」みたいな。
ここで「なずめ」とは何なのかという疑問が浮上するが、私はこう推測する。
「なずめ」とは、「馴染む」の命令形「馴染め」の広島弁バージョン。
つまり、「くれなずめ」とは、
「呉(に)馴染め」なのではないか!?
これだっ!!!
広島弁とかよく知らないけどな!!
どうだ松居?
おれのキンキンに冴え渡った名推理に腰が砕けただろう。
「呉に馴染め」ということは、呉に馴染めてない奴がいるということ…
次回はいよいよ今作品の核心に迫ろうと思う。
呉に馴染めてないやつは、この中にいるっ!!!
つづく(もしくはつづかない!)
【公演概要】
ゴジゲン『くれなずめ』
日程・会場:
10/19(木)~29(日) 東京・下北沢駅前劇場
11/4(土)・5(日) 京都・アートコミュニティスペースKAIKA
11/11(土)・12(日) 福岡・北九州芸術劇場 小劇場
作・演出:松居大悟
出演:奥村徹也 東迎昂史郎 松居大悟 目次立樹 本折最強さとし 善雄善雄