―あなたを守るのは、わたし。石原さとみ 4年ぶり待望の舞台出演で、 小川洋子の小説に“小説家役”で挑戦!
有機物であることの人間の哀しみを見つめ、現代の消滅、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く長編小説『密や かな結晶』。この小説の舞台化に挑むのは、人生と人間への愛を、笑いも苦しさも悲しみも喜びも一つの作品で芸術的に 表現をする、鄭義信。傑作小説を独自の解釈で、演劇的に昇 華させます。主演は、近年ドラマ・映画など数多くの話題作で活躍する石原さとみ。4年ぶりに待望の舞台出演を果たします。
日常が“消滅”していく島。愛する人を守るために3人それぞれの戦いが始まる――
本作は、昨日まで存在していたものが今日は消滅している、物もその物にまつわる記憶も全てが跡形もなく消滅している 、そんな状況が当たり前となった島に住む小説家、“わたし ”が主人公。“わたし”を幼いころから世話し見守っている が見た目がずっと20歳位のままである“おじいさん”、小説家の編集者で、とある秘密を隠しながらも自分に誇りを持ち、目に見えない恐怖に抗いながら生きている“R氏”、この3人の関係と、島の秩序を取り締まる謎の存在で3人を追 いつめて行く秘密警察を中心に、不思議な島で生きる人々を 描いた物語です。
消えていくモノたちと、消えていく心、消えていく人、それは何を意味するのか…。観る者が考え反芻できる余白のある物語と、ファンタジー要素を肉体で表現する創造力といった、演劇的魅力がつまった この作品。
「物の記憶が無くなっていく不気味さ」そして「その異質さに慣れてしまって何も感じない人々の不気味さ」を描くことで、人間にとって“失う”とはどういうことなのかが浮かび上がります。
辛いこと、悲しいことも含め、様々な記憶を抱えて生きていくことは決して楽しいばかりではないけれど、そんな人間を 、その人間の営みを、愛おしく思える演劇作品になると確信しています。
【主要登場人物 役柄説明】
●わたし(石原さとみ)
消滅が起こる島にひっそりと暮らす小説家。両親を亡くし、おじいさんだけが心の支えとして生きてきた。編集者のR氏を密かに想っているが、口には出せない。ある事件をきっかけに、思いがけない強さを発揮しておじいさんとR氏の運命を動かしていく。
おじいさん(村上虹郎)
わたしを小さいころからお世話し家族同様の存在。容姿は昔から少年のような姿のまま。本来の仕事はとっくに消滅し、今は細かい仕事をしながらわたしを見守ることだけが生きがい。R氏を匿うことになってからは、わたしのそばを離れずに尽くし続ける。
●R氏(鈴木浩介)
わたしの担当編集者。実は、記憶が消滅しない記憶保持者。そのことに誇りを持ちつつ恐怖と戦っている。わたしの純粋な想いに動かされ、わたしを大切な存在として愛すると同時に、わたしたちの記憶をなんとか留めようと必死に抗う。
●秘密警察トップ(山内圭哉)
島の秩序を維持するため 、記憶保持者を摘発している。冷徹非道な仕事ぶりをみせるが、人間らしさが垣間見えることもある。所詮は組織のコマであるという悲哀も背負っている。わたしとおじいさんとR氏にとっては大きな敵であるが、実際は…。
【舞台版 あらすじ】
海に囲まれた静かな小島。この島では“消滅”が起こる。香水や鳥、帽子など、様々なものが、“消滅”していった。“消滅”が起こると、島民は身の周りからその痕跡を消去し始める。同時にそれにまつわる記憶も減退していく。
『わたし』は、この島に暮らす小説家。近所に住む『おじいさん』とお茶を飲みながら話をするのが日課という静かな毎日。おじいさんは、わたしのことを赤ん坊の時から見守り続けているが、その頃からずっと若者の容姿をしている。わたしの母は秘密警察に連行され死んだ。鳥の研究家だった父も亡くなり、おじいさんだけが心安らぐ存在だ。
この島にも、少数ではあるが記憶が“消滅”しない人、記憶保持者がいる。彼らはそのことを隠して生活しているが、秘密警察は手を尽くし、彼らを見つけて連行する。島民が恐れる記憶狩りだ。
記憶狩りが激化する中、わたしの担当編集者R氏から、記憶保持者であることを告白される。もう二度と、大切な人を秘密警察に奪われたくないと思うわたしは、R氏を守るため、自宅の地下室に匿うことを決意する。わたしの身を案じるおじいさんはR氏の存在を危険視しながらも、わたしのためR氏を匿うサポートをする。
ナチスからユダヤ人を匿うような緊張の日々の中、わたしとR氏の心の通い合いは深くなっていく。R氏はわたしに、人間の生活に寄り添っていた些細なものたちがいかに愛おしいか、本来の豊かな記憶の世界へ引き戻そうとする。が、おじいさんにとってその行為は、わたしを秘密警察の記憶狩り対象者にすることに等しい。記憶を失うことでわたしが『わたし』ではなくなってしまうことを防ごうとするR氏は、わたしを危険にさらさず、島の世界の道理に順応して生きることで彼女を守りたいというおじいさん。考え方は全く違うが、わたしを大切に想う気持ち、守りたいという気持ちが二人をつないでいる。
秘密警察の苦悩、R氏の抑圧感、おじいさんのジレンマ、わたしの恐怖…
様々な想いを抱えた島は、「消滅」がさらに増えていく。4人はどう生きるのか。最後に消えるのはいったい何なのか―
【出演に向けてのキャストコメントが到着!】
■石原さとみ
ここ何年もずっと舞台への思いを強く持っていたので、4年ぶりに舞台に立たせて頂けることを心から嬉しく思います!実は今回の『密やかな結晶』は、原作を読み、是非これを舞台化して演じてみたいと思い、お願いした作品です。ですので、特に思い入れが強く、今はただ実現していく高揚感に浸っています。記憶が消えてしまう恐怖と悲しいくらいの柔軟性、そして大切な人を守る事で抱く忘れたくない感情を、舞台上でどう感じられるのか今から楽しみで仕方ありません。演出の鄭さんは、「焼肉ドラゴン」や「ぼくに炎の戦車を」など、作品を観客として観る度に圧倒されていました。いつか鄭さん演出の舞台に出演したいと願っていたので、今回ご一緒できることになり心から感謝の気持ちでいっぱいです。村上虹郎さん、鈴木浩介さんはじめ、共演者の皆さんとともに早く稽古に入りたいです!出演を願ってやまなかった舞台、新年明けて2月に本番です!心から楽しみにしています!どうか皆さん、ぜひ舞台『密やかな結晶』に足をお運びください!!
■村上虹郎
(初共演の石原さとみについてのコメント)石原さんはぼくにとっては小さい時からいつも画面の向こう 側にいてキラキラしてる存在です。舞台でご一緒できるのは楽しみです。
【公演概要】
舞台「密やかな結晶」
原作:小川洋子「密やかな結晶」(講談社文庫)
脚本・演出:鄭義信
出演:
石原さとみ 村上虹郎 鈴木浩介
藤原季節 山田ジェームス武 福山康平 風間由次郎
江戸川萬時 益山寛司 キキ花香 山村涼子/山内圭哉 ベンガル
公演日程・劇場:[東京公演]2018年2月2日(金)~25日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス (東京・池袋)
★アフタートークあり
<登壇者>6日終演後 石原さとみ、村上虹郎、鈴木浩介、山内圭哉
14日終演後 石原さとみ、藤原季節、山田ジェームス武、風間由次郎
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