東京・紀伊國屋ホール60周年記念公演で『熱海連続殺人事件』の『Standard』&『モンテカルロ・イリュージョン』が上演決定!

2024.05.29

7月5日(金)~7月22日(月)、東京・紀伊國屋ホールにて、紀伊國屋ホール60周年記念公演『熱海連続殺人事件』が上演されることが決定した。

2024年、東京・紀伊國屋ホールは60周年を迎え、昨年「熱海殺人事件」は誕生から50周年を迎えた。
日本の劇曲で50年以上愛され、上演され続ける作品は数少ない。東京・紀伊國屋ホール60年の歴史の中で、最も上演回数の多い作品であるつかこうへいの「熱海殺人事件」は、1973年の発表以降、翌年1974年に岸田戯曲賞を授賞、後に映画化される等、日本の演劇史上プロアマ問わず最も愛され上演され続けている作品(推定累計8,500ステージ)だ。
そしてこのたび、2024年紀伊國屋ホール60周年を迎え、『熱海連続殺人事件』として『Standard』と、『モンテカルロ・イリュージョン(※)』を上演する。

この記念公演だが、気になるキャストも発表された。“東京警視庁にその人あり”と言われた木村伝兵衛部長刑事役には、2020年『ザ・ロンゲストスプリング』、2021年1月『ラストレジェンド』、6月『新・熱海殺人事件』、2023年『バトルロイヤル50’s』で4シーズンに渡り木村伝兵衛を演じ続けている荒井敦史。そして2020年上演の『モンテカルロ・イリュージョン』で妖麗で狂気的な演技を見せ、2023年には大山役を演じ、すべての役を制覇し「ミスター熱海」の異名をとる多和田任益が決定した。

続いて、捨て身の潜入捜査を行うヒロイン水野朋子婦人警官役には、2021年『ラストレジェンド』、2022年『ラストスプリング』2023年『バトルロイヤル50’s』で注目を集めた新内眞衣が4年連続ヒロインに!今回、スタンダードチームのヒロインとして登場し、4年連続のヒロイン出演となる。また、2018年『CROSS OVER 45』で同役を演じた木崎ゆりあだが、『モンテカルロ・イリュージョン』では従来の水野朋子婦人警官とは全く違う新たなキャラクターに挑む。

さらに、『Standard』版の熊田留吉刑事役には、舞台『弱虫ペダル』やスーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」など幅広く活躍する富永勇也。『モンテカルロ・イリュージョン』に登場する速水健作役には、大河ドラマから映画、舞台など幅広い活躍を見せ現在『ルール』で荒井敦史と競演し好評を博している嘉島陸が決まった。

また、犯人の大山金太郎役には、『いつも心に太陽を』『広島に原爆を落とす日』『新・幕末純情伝』といったつか作品にはかかせない存在の高橋龍輝が満を持して挑む。そして、『モンテカルロ・イリュージョン』では数多くの舞台経験に裏打ちされた風格で、作品や座組の根幹を担った鳥越裕貴が同役を務める。

そして、『Standard』の演出には、ドラマ『Dr.コトー診療所』、『教場』シリーズなどで知られるフジテレビジョン編成制作局・エグゼクティブディレクターの中江功が。『モンテカルロ・イリュージョン』の演出には、高い演劇教養と演出力で異端な戯曲を見事に昇華した中屋敷法仁が再びその腕を振るう。

なお、7月10日(水)はつかこうへい15回目の命日にあたり『Standard』の特別版の上演が予定されているというので、こちらにも期待が膨らむ。
チケットに関する詳細は、決まり次第ローチケ(webサイト)内でお知らせいたします。

「熱海殺人事件」とは

1973年に文学座に書き下ろされ発表された「熱海殺人事件」は、つかこうへいの代表作であり、最年少で岸田戯曲賞を受賞し、紀伊國屋ホールを拠点に、つかこうへい事務所の春の名物として、何度も再演を重ね、東京の春の風物詩とも呼ばれる程になった。

東京に出て来たら、紀伊國屋でつかこうへいの熱海を見る!!
当時の学生達のあこがれの演劇だった。

つかこうへい事務所解散後も、1986年に映画化、1989年の演劇活動再開時も、紀伊國屋ホールでの「熱海殺人事件」だけは、本人の手で上演され続けてきた作品である。
タイトルを「売春捜査官」「モンテカルロ・イリュージョン」などと、変化しながら「熱海殺人事件」は紀伊國屋ホールで上演され続けた。
主演も、三浦洋一、風間杜夫をはじめ、阿部寛、池田成志、山崎銀之丞、馬場 徹など名だたる俳優陣が、歴史を作って来た。

2010年、つかこうへいは永遠の眠りについた。
演劇界の巨匠が宇宙へと旅立った。

しかし、紀伊國屋の「熱海殺人事件」は終わらない。

この作品だけは、つかこうへいの遺志として、これからもキャスト・スタッフも変貌を遂げながら上演し続ける予定である。

「熱海殺人事件」は生き続ける。

※モンテカルロ・イリュージョン
今回、スタンダード公演の他に、中屋敷法仁の演出で「モンテカルロ・イリュージョン」が上演される。本作は、2020年当時、開幕とともに観客にセンセーションを巻き起こし話題となった公演だ。しかし、感染症の猛威によって、全ての日程を全うすることなく公演中止を余儀なくされた。それから4年、60周年を迎えた東京・紀伊國屋ホールをリベンジマッチの舞台として、再び上演される。