この度、劇団おぼんろ第24回本公演『聖ダジュメリ曲芸団』の囲み取材・ゲネプロが2024年5月30日(木)にMixalive TOKYO 6F Theater Mixaにて実施されました。
末原は「いつの間にか作品に求められるものを自分たちでもわかってきてしまった部分もあるんですが、今回に関してはあまりそういうのは気にせず、今作りたいもの、今作るべきだと思うものを、ただただ信じてやっています。これまでと作風が大分違うのでどういう反応が来るか全く想像できないですが、旅に出る気持ちというか、喜んで楽しんでいただければいいなとサプライズパーティーの準備をしているような気持ちです」とコメント。
今作の見どころについてさひがしは「テーマは愛かなと思っています。いろんな愛の形が散りばめられていて、それらを結びつけるのが歌でありダンスなのかなと思っているので、ぜひ楽しみにしていてほしいです」とコメント。
自身の役の見てほしいポイントについて織部は「普段は天真爛漫な役を演じることが多いんですが、今回は特に喜怒哀楽の激しい役となっていて、その感情の演じ分けを、稽古で楽しみながらコミカルに作り上げていきました。」とコメント。
稽古での印象的な出来事について佐藤は「稽古場見学会のときに歌が11曲あると知らされて、そんなに!?というサプライズのような驚きがありました」とコメント。
前作から引き続き殺陣の振付を担当した塩崎は、殺陣シーンの注目ポイントについて「今回はダニとノミの対決ということで、切って切られて終わりというものではなく、ダニとノミらしい斬新なものにしてみました」とコメント。
横井は「自分で作って持ち込むというよりは、稽古場で一生懸命生きてみて見つかったものを大事に育てていった感じです。それがもし違ったら拓馬くんが違うと言ってくれるので、それを信じて作ってきました」とコメント。
今作で3回目のおぼんろ出演となる井俣は「これまでのおぼんろはストレートな悲劇をいかに面白可笑しくするかをやっていましたが、今回は落ちるとこまで落ちてみたら面白くなったみたいな感じが面白いと思っています。きっと観た人は様々な想いを抱く、そんな受け止め方の幅の広い作品になっていると思います」とコメント。
わかばやしは「どの曲も耳に残るし心に残る、そしていろんなジャンルの盛り込まれた曲になっているので、それを歌えて嬉しいし、どのジャンルが好きな人も楽しめる作品になっていると思うので、ぜひお気に入りを見つけてほしいです」とコメント。
高橋は「おぼんろでは役者を語り部、観客を参加者と呼んでいます。それは観客は語り部が紡ぐ物語を一緒に作り上げる者として参加してほしいという思いがあるからで、こういうスタイルは唯一無二だと思っています」とコメント。
今作では18歳以下は無料招待ということで、来場する子どもたちにどんな体験をしてほしいかについて、末原は「子どもの頃、きっと皆ごっこ遊びをしたと思います。それを極上版まで極めた大人たちが我々だと思っているので、必死に頑張って遊び続けるとここまでできるっていう姿を見てほしい。生きていくといろんな感情やいろんな情報を得て、社会、歴史、宗教、病気、命について知れば知るほど表現できない感情を持つと思う。それを突き詰めると、人類は歌って踊ってふざけるし、その先に未来があるっていうのが我々の伝えたいこと。だから今回の作品では、とにかく遊びに来て、人生の遊び方を見つけてみてほしい。年齢経験関係なく友だちになるつもりで迎えます!」とメッセージを送りました。
本作品は6月9日(日)までTheater Mixa(シアターミクサ)にて公演します。語り部の紡ぐ物語を、ぜひお楽しみください。
おぼんろ主宰・末原拓馬 開幕コメント
お誘いします。なぜか大人びてしまったこどものあなた、いつまでも大人になりきれないこどものようなあなた。ご存知でしたか?妄想がちで、物語の世界と本当の世界が混ぜこぜになりがちな方にとって演劇というのはとても良いあんばいです。目の前にある物語世界に自分で潜り込んで旅をして、自分で帰ってくるのです。日常の中で考え事をするよりも、物語の中でのほうが本当の自分を見つけやすい、そんな方にぜひおすすめなのがおぼんろです。私たちがそうだから断言できます。
今回はボロオンというさびれた街で繰り広げられる、害虫サーカスの物語です。不気味で奇妙な世界の中をゲラゲラ笑って歌って踊いながらに旅してみてください。ダニやノミに、血吸わせ猫や都市衛生監督官、曲芸団の座長たち…個性豊かな登場キャラクターたちはきっとあなたの生涯の友達になるでしょう。思い出に残る体験をしに、特別に、だけど軽はずみに遊びにきてください。物語をご用意し、両手を広げながらにお待ちしております。
[あらすじ]
昔々、はたまた未来か、あるいは現在か・・・
貧しい街の片隅では、今日も聖なる害虫たちのサーカスが繰り広げられております。
生まれながらにして一族を失い、自らの寿命もさほど長くないと知ったダニの「イイワケ」は、短くも輝かしい一生を夢見て座長に仕えることにしました。一座は街の害虫駆除計画のための税金を支払うために、日夜必死でお金を稼ぐのです。
社会から取り残され害虫サーカスを始めた貧しい2人の、税金を取り立てる町役人、イイワケと共に大虐殺から逃げ延びた虚弱体質のダニ、先輩芸虫である職人気質のノミたち、そんな彼らを蔑み嫌い、いつか人間たちを駆逐してやろうと心に決めているマダニの兵隊。一座の害虫たちの報酬がわりに飼われている血吸わせ猫・・・個性豊かな命がけの登場人物たちが織りなす、童話的な叙情悲喜劇。聖ダジュメリとは? 物語は思わぬ方向に進み続け、そして終わらない終わりを迎えていく。